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中学校に登校したくない理由

2010-07-17 08:16:03 | Diaries
と言うのは、かろうじて登校を続けている生徒からのほうが意外と的を得た意見を集めることができることもあるものです。

中学校に登校したくない理由などというのは、むしろ、大人の力によって、そのような意見が世間で日常的に見聞きされることがないようにと、力で抑え込まれるものです。

何歳であろうと、同じ空間でいっしょにされるのはいやだと思うような対象というのは、そのいっしょにされた集団の1人1人のほとんどが、おおかたそう思うという傾向もでてくるでしょう。

同じように何歳であろうと、同じ空間にいっしょにいると気分がいいと思うような対象というのは、誰もがそう思うものです。

もちろんみんながみんな一様に同じ感覚を持つというものではありません。

公共のルールでなく、俺の言うこと、考え方に従え。という生徒が現れて、私が命令したことには逆らわず服従しろといった関係性を強要してくることがあります。言うことをすぐにききそうな気の弱い生徒から手始めにというように、群れをなす動物の集団に発生するような原始的な上下関係を同じ年代の間で成立させようとします。


高校の生徒が妊娠するような例がでてきますが、妊娠させた男生徒というのは、だいたい妊娠した生徒の両親を、自分なりにイメージ化しているものです。

両親の社会性をしっかり見ているということになります。

あとで面倒になりそうな親がついていると察知すれば、むやみやたら生徒間での一対一の関係性を深めることには躊躇するものです。


生徒といわれる年代の未成年は大人をよく観察しています。

親のコントロールが弱かったり、管理が届かなくなっている同年代の子供でないと、都合のよい関係性は成立させにくい というような見通しを前提に、一方的な関係性を持ちたがっている生徒は、行動を選択していくことになります。

親をみて行動しているということになります。


身近な日常生活のできごとについて、ひろく一般市民からインターネット上に頻繁に情報がよせられ続ける情報化した社会で、1学校や1クラスの中だけで外部に知られたくない情報が洩れなくするような試みは前近代と違ってかなり困難になっていきます。

あまりに実際の悪影響を受けていると実感している生徒、親たちがもう黙っていられないと訴えて訴訟沙汰になるのがまれとはいえ通常なことですが、親に責任をとらせようにも、親のていをなしていないというようなことが次から次へと明らかになってくれば、問題が解消されないことを痛感するはめになります。


中学校に登校したくない理由という以前に、そんな主張は許さない、人前では言わさせない、という組織の威厳のほうがまさることもあるものです。

ひとつの例では、担任がいやと面と向かって回答されることなどありえない。

そんな、師範と弟子という関係性の時代が続けられている地域もあることでしょう。


インターネット上に意見を提出する環境ができあがると、豪雨後の土石流のように情報が川下のほうへどっと押し寄せ堆積、散乱するようになります。

親がふだん子供に言ってきかせているような親の考えていることがすぐにネット上に反映されていくことになります。

子供は影響を与えたようにしか反応しない、高性能のセンサーのようであるともいえます。


一般成人が中学時代の日常生活様式が好みだと考えているとすれば、職場環境は中学校社会のような雰囲気になるでしょうし、中学校社会の環境は好みではないと考えているとすれば、職場に中学校社会の雰囲気が再現されるようなことはないでしょう。

一般成人は中学校時代のこのような習慣を続けてみたい、このような習慣は遠慮したいというようなことを本当はよく知っているものです。

そして後者についてはわざわざおおやけの前で発言者名がわかるようにして主張することは通常にはありえないということも経験上理解しているものです。