繊細さんの本 武田友紀 著 飛鳥新社
駅の書店で偶然見かけて買って読んだ本でした。HSP(とても敏感な人という定義が記載されていました。)専門カウンセラーの著者が繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたままラクに生きる方法が書かれた本です。この本の中では、繊細な感性を持っている人を常に「繊細さん」と呼び、そんな繊細さんが、日常生活を送るうえで、人より気がつきすぎて疲れるときの対処方法や実践的テクニックが主に記載されていました。自分が繊細さんなのかどうかというのは本の中で診断テストというのが掲載されていて、その質問に答えてみるとわかるようになっていました。自分の場合は23問中11個当てはまっていました。12個以上当てはまる人が繊細さんだそうですので、繊細さんの一歩手前のような感じですかね。生まれつき繊細な人は全体の5分の1いるらしいですが、この繊細さは性格や環境によるのではなく、生まれつきの気質だということが研究によって明らかになっているということでした。ほかの人よりは感じる力が強いというのは繊細さんにとったら自然なことであって、特段おかしいことではなく、痛みやストレスに耐えられるように自分を作り変えるのではなくて、その気質を愛しみ、自分の本音を大切にすることで、自然に楽に生きていけるという話がいろいろな角度から解説されていました。この本で印象に残った箇所がありました。第3章の中の「配慮が足りない人」に振り回されない方法が書かれていた箇所でした。なぜ、傷つくようなことを平気で言う人がいるんだろうかとかこんなときにこんな失礼なことをできるのかななどと普段からよく思うことが多々ありました。配慮する力にも個人差があり、配慮ができない人は意地悪でそう言ったり行動したりしているのではなくて、そもそもそういう状況を気づかないということ、言葉が伝わらない人がいるのは、繊細さんとは心の深さが違うからということでした。繊細さんにとったら当たり前のことなのに、非繊細さんにとったら繊細さんが普通に気付いていることにそこまで気付かないということが普通だという状況を理解して対処したらスムーズな人間関係が築けて繊細さんが疲れずにすむとのことでした。「キライ」は大切なセンサーであって、人を嫌えるようになったら楽になるということでした。嫌いな人を嫌ってはいけないと常日頃から努力して気を遣っていましたが、そのようにしなくてもいいんだとこの本を読んで思うことにしました。ブログや日記を書いている人がこの「キライ」という単語が自分の投稿に出てくるか検索してみたらいいということでしたので、自分のブログの検索のところで「キライ」という単語をどれだけ使っていたか検索してみました。そしたら少しは出てきましたが、自分の本当に嫌いな人のことは全く出て来なかったというのが分かりました。嫌ってはいけないと頑張ってたのがよくわかりましたし、ブログに書いてはいけないことだと思っていたことにも気が付きました。この「キライ」を遠ざけることや毎日の生活の中でいいなと感じたことや好きなことを綴るのは、自分そのものを表現することであって、自然体で自分の本音を大切にすることで元気にたくましくなっていくと説かれていました。自分の本当の心を表現していくにはブログはいいツールだったようです。本の中に記載されていました。ブログを綴って早12年になりました。ブログは手書きで書いた自分だけが見る日記と違って、どなたかが見られるということを考えて綴っていたので、ありのままの自分の95パーセントくらいの文章にいつもなっているかと思いますが、自分の本当に思ったことをずっとブログにそのまま書き続けてきたことが自分で自分を毎日励まして元気にしてきたのかもしれないなあと思いながらこの本を読み終えました。最後のあとがきに、「繊細さんは世の中にたくさんいます。応援してくれる人もまた、たくさんいるのです。(中略)繊細さんが自分のままで笑って生きることを心から願っています。」と記載されていました。繊細さんに共通する5つの力、「感じる力」、「考える力」、「味わう力」、「良心の力」、「直感の力」をフルに発揮して生活するのが大切なんだと気付かせてくれた本でもありました。