読書する人だけがたどり着ける場所 斎藤孝 著 ソフトバンククリエィティブSB新書
図書館で予約して借りて数時間で読み終えた本でした。読書家の著者が読書の効能と本の読み方を紹介している本です。思考力、知識、人格、人生を深める本の読み方が章ごとに紹介されていて、それぞれの章の中では何を読めばいいかの本も解説付きで紹介されていました。まえがきや序章で、著者は、ネット時代にこそ読書することの大切さを熱く語っています。読書が、人生観、人間観を深め、想像力を豊かにし、人格を大きくしていくということを踏まえ、人生の深みを作ると記載されていました。少し前に、「本なんて読まないです。」と言われていた指導的立場にある方々が話されていたのを耳にしたことがありました。もちろん、本を読まなくったって生きていける世の中なのですが、未来を担う人々を育てようとしている立場にある方々がそのようにご発言をされていたのでそういうことも堂々と述べることができる時代になってきているのだろうなあとこのときに感じました。この本の中で著者が語られていた内容を読み終えたらやっぱり本を読まないよりは読んだほうがいいということを暗に教えてくれていました。いくら専門的な分野の知識が豊富であっても、その分野だけで自己完結していては狭くて浅くなってしまうということなんだと思います。専門の分野の知識を生かすうえでは、多角的な視点がなければ問題解決や対処に繋がらないかもしれないという内容が序章にも記載されていました。昔、著者の「読書力」という本を読んだことがありましたが、そのとき以来のインパクトのあった本でした。