宇ち中
宇ち多゛中毒のページ




2006/12/27
この日は以前同じ職場で働いていた同僚と久しぶりに飲もうという日。赴任先の海外から年末年始を利用して一時帰国するというので、当時の仲間と急遽集まることになりました。場所は神保町、時間は18:30から。でも参加者の一人、以前蔵前警察そばの隠れた名店を教えていただいたM先輩の勤務は16:30上がりなので、それまで一人で時間を潰してもらわなくちゃなりません。そこで、「神保町」、「17時」というキーワードから最近頻繁に呑んだフルさんが通ってらっしゃるというお店がぴーんと来てしまいました。特に慌ただしくない水曜日、ボクも早あがりしてMさんとそのお店を目指すことにします。

神保町駅のA7出口を出て、白山通りを背にしながら細い路地を進みます。途中クランク状になっていたりする小径は、歴史のありそうな喫茶店などとても雰囲気のある道。何となくアカデミックな香りがしますね。そしてさらに進むと目指すお店、「兵六」がありました。

ちょうど口開けのタイミング。お一人、開店を待っていらっしゃったお客さんに続いてお店に入ります。比較的小さなコの字型カウンターの中から、若いお兄さんが「そちらにどうぞ」と座る位置を指定してくれました。この方が三代目の店主ですね。最初は瓶ビール(大、750円)をいただいて、壁に貼られているメニューを眺めます。毛筆で大きく書かれたメニューは壁一面に張り巡らされていて、お店の雰囲気を演出してますね。この界隈で一番古い居酒屋とのこと。いかにも歴史が染み込んでいるといった感じ。そして何とも言えず、ぴりりと空気が張りつめてる感じがします。徐々に常連さんたちが集まってきて、しかもそれぞれみなさん決まった位置に座られるので、妙に間隔が詰まっているところと、がらがらなところとがあったりします。

おかずには、お店の名前がついている「兵六揚げ」をいただいくことに。そして、ビールが空く頃にはお店の中はすっかり満席状態になっていました。次の飲み物は、M先輩は麦焼酎を冷やで、ボクは芋焼酎をお湯割りでいただくことにします。



事前にはまださんのページで予習済みなので、お作法のほうはばっちり。まずはお湯を足さずに、ちょびっとストレートで味わってみて、そしてそのあとお湯を足してみます。なるほど。確かに焼酎自体もすこし燗が付けてありますね。これは旨い。そしてなかなか粋な飲み方です。それでも、まだ常連さんに囲まれている感じがしてM先輩と二人、ちょっと緊張しながら会話をしていると、たまたま空いた席に入れ替わるようにやって来たお客さんがボクの右肩をぽんっと。なんと呑んだフルさんです。実はお店に来る前に、事前に「今日兵六の口開けを狙います」とメールをしていたのでした。それでも後からの合流で、3人横並びで座ることができてラッキー。初対面どうしのフルさんとM先輩を紹介して、3人で飲み始めます。



フルさんが頼まれた餃子をちゃっかりといただいてしまい、3人静かに会話をしながらそれぞれのお酒を飲みます。それにしてもフルさんがいらっしゃったおかげで、一気に緊張がほぐれ、ようやくお店と少し一体化できたような気がしました。店内は満席、密集しているのにまわりのお客さんの会話が邪魔になるなんてことは全くなく、それとなく聞こえてきたり、時には三代目の店主が上手い具合に間に入って知らないお客さんも会話に参加したりとできちゃいます。常連さんになればなるほど居心地のよくなる、まさに常連さんが通いたくなるような、このお店にしかない落ち着ける雰囲気というものがあるのでしょうね。



思った以上に量がたっぷりだった芋焼酎もようやく飲みきり、来たばかりのフルさんを残してお店を出たのは18:10頃。このお店を本当に楽しめるようになるには相当通わないと行けないな、と思いつつ、そんな常連さんたちのことが凄くウラヤマシイとも思いつつ、この日のメインイベントのお店へ向かったのでした。
(つづく)

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