岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

目に見えぬ不安の歌:尾崎左永子の短歌

2022年08月25日 03時34分57秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・透明のゆゑの不安か上層の広き窓よりつづく快晴「彩紅帖」所収。 不安には形がない、目に見えないのだ。心には形がない、それ故、具体的な目に見えるものに仮託するこれが本来の象徴。塚本邦雄のサンボリスムとはここに差異がある。 そこで作者は、目に見えぬ不安を、透明な窓と快晴に仮託している。佐藤佐太郎の「象徴的技法を駆使した写実歌」を引き継いでいる、作者と佐藤佐太郎の違いは「鋭さ」にある。斎藤茂吉が「黒糖の . . . 本文を読む