年金の資金が15兆円溶けた。株式市場に流用されて損失を出したのだ。これについて安倍総理が釈明した。
「44兆円の運用益がでている。」ただその根拠を言わなかった。本来なら予算委員会で審議すべきことだが、予算委員会は100日以上開催されずに、国会は終わってしまった。
そこで野党が要求して、官僚を呼びつけて、合同ヒアリングを行った。合同ヒアリングとは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党、社会保障を立て直す国民会議の、四党一会派が、省庁に要求して開かれるもの。森友問題の記録改竄なども、こういう場で追求されて来た。
44兆円の問題。4のゾロ目で何か不自然と思っていたら、担当の役人が「44兆円の根拠が分からない」という。担当の役人の分からないことをなぜ、首相が言えるのか。「報告書をすべて読んでいるわけではない」としばしば公言する閣僚がである。
また、マクロ経済スライド。野党の質問に、安倍総理は「マクロ経済スライドを廃止するには年間7兆円の財源が必要だ」と言った。しかし7兆円年金から削るのは、10年以上先までの総額。首相の発言する数字が、あやふやで、根拠があやしいということになる。
こうしたことはマスメディアでは一切報道されない。国会議員のフェイスブックやTwitterで、リアルタイムで発信されている。
基礎年金が現在の5万円超から4万数千円まで削減されることも分かっている。これは還暦を迎えた僕としては死活問題だ。
それに消費税。国内総生産の6割を占める個人消費を削減する。元内閣参与の話だ。これも家計に大きな負担となる。再度書くが、消費税が増税されるたびに日本の経済は打撃を受けて来た。5%への増税、8%への増税。この二つの時期は、東日本大震災ショック、リーマンブラザーズショックに匹敵する。
そしてデフレが10年以上続いた国、内戦や戦争がないのに経済成長をしていない国。これは日本だけだ。
こういうことを書くと、歌人としては不利である。政治的発言をしない方がいいと言われる。俳優の山本太郎や石田純一など、例は少なくない。だがほかの歌人は、大学の教授だったり、大企業の正規雇用だったりする。フリーランスの文筆家だったりする。生活が安定しているから、それほど切実ではないだろう。フリーランスの文筆業でも、室井佑月は年収が半分になったという、あの政治的発言をする室井がだ。精神科医の加山リカも選挙の応援演説をすると「サヨクがかっている」と嫌がらせの電話が職場にかかってくるそうだ。
だが僕は年金が主たる収入。黙ってはいられない。このままでは死活問題だ。