岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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幼のこゑの歌:佐藤佐太郎の短歌

2022年12月14日 18時00分35秒 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
・さわだちて林をおほ風の下ひと日幼のこゑを憐れむ
「アンソロジー海」所収。
 この作品には自註がある。
 
「八月の数日山中湖畔のくさや(源本は漢字)にすごしたときの作。林中の小屋だから風の日は騒がしい。風音に対して幼女の声はやさしい。だから「憐れむ」といった。「ひと日」は一日だが軽く或る日くらいに受け取ってもらっていい。」

 山中湖畔で詠った作品だが「個別具体的」な「場所」は「捨象」されている。また「幼」の名や作者のとの関係も「捨象」されている。

佐藤佐太郎の言う「表現の限定」だ。「夏の一日」が鮮明に詠われている。




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