日本ペンクラブ「ペンの日」懇親会 11月26日
於)如水会館
日本ペンクラブは文芸に携わる文筆業を生業とする会員で構成される、一般社団法人。日本文芸家協会と異なるのは職能団体ではないことだ。国際ペンの「日本支部」にあたり、平和を希求し、表現の自由を守るために活動するという性格がある。
創立は1935年。日本が国際連盟を脱退し戦争への道に進もうとしていた時代に創立された。時代の危機を感じたリベラルの作家たちが、創立に参加した。初代会長は島崎藤村。戦争中は活動が休止されていた。そして戦後に復興。
文化を通じた国際交流と表現の自由を守る活動をしている。「共謀罪」に反対の声明を出したのは記憶に新しい。
僕自身も会員である、この日本ペンクラブが、日本国憲法の問題にどう取り組むかに注目していた。今年度の総会では「憲法を巡り正確な情報の普及に努める」となっていた。
しかし今回の懇親会では、明確に、安倍改憲への危惧が、創作に携わるものの危機感として表明された。
国文学の研究者で、日本国文学会の会長だった、中西進が明言した。
「戦争を前提とした政治は外交の敗北である。ペンの力で平和を訴えて行こう。」
続いて会長の吉岡忍が、改憲の問題点を指摘した。
「自民党の改憲案の『緊急事態条項』は大規模災害の場合に内閣に権限が集中するが、大規模なデモなどにも適用することが出来、表現の自由を侵害する可能性が高い。これからはしっかり意思表示していきたい」と明言した。(大規模災害の場合は政府に権限を集中するより、地域に権限を分散した方が、きめの細かい災害復旧が可能なのだが)
この変化はどこから来たのか。これはおそらく、前の週に、日本ペンクラブの言論表現委員会の京都での表現の自由を考える講演会の企画に右翼の妨害がはいり、講師の香山リカが交代せざるをえなかったのが原因だろう。
このブログで様々紹介してきたが、安倍改憲には問題点が山積だ。危険性とも呼んでいい。僕も表現を通じて、社会に意思表示していきたい。
短歌作品の創作は勿論だが、デモ、署名、街頭宣伝も「表現活動」だ。