木材利用に取り組んで30年。
モックル処理と出会って18年の歳月が流れました。
宮崎ミロク協同組合を設立して12年が過ぎようとしています。
順風満帆とは、とても言えないコツコツ、鈍牛の歩みです。
それは、それで良いと思いながら、進めています。
先日、長野県のお客様からメールが届きました。
ご自分で製作した木柵が全く腐っていないこと。再度、注文したいとの旨のメールでした。
長野県。
以前、塗装メーカーの方が、日本全国で一番、屋外用の木製塗料で環境条件の厳しいところは、「長野県」を上げていました。
北海道や東北、沖縄、果ては、小笠原諸島ではなく、長野県なのです。
屋外の木材利用を真剣に考え始めたのは、木青会に入ってからです。23年前です。
当時、木青会のメンバーは、木材の売れ行きに不安で仕方がないようでした。いかにして、木材を売るか?鉄骨やコンクリートにどう対抗するか?外国産材に勝てるのか?
様々な討論をしたことを覚えています。
その中で私自身は、屋外用の木材利用を提案しました。正直、木材関係の方は、誰もついてきてくれませんでした。
そんな中で知り合ったモックル処理。この処理方法を世間に知らしめるには、一生懸命考えて、考えました。
「弥良来杉」の誕生です。宮崎県産木材をツゥーバイフォーの規格材にしてモックル処理を施す。「史上最強の国産材」として宮崎県木青会でプロジェクトはじめました。
宮崎の材をモックル処理して一般消費者向けの販売です。
そこには、儲けとかビジネと言う概念は、ありませんでした。
まずは、一般消費者に木材が売れるか?
当時、まだ未知数だったインターネット販売が木材でできるか?
屋外用木材でDIYが普及するのか?
ある意味「賭け」、ギャンブルなのかもしれません。
しかも、ツゥーバイフォー規格で・・・。
確かに腐りません。でも、お客様が、腐らないことを実感できるのは、数年後です。しかも、他の材比べながらしか、わからないのです。
営業は、一切しません。
最近、屋外用の木材利用があまり、重要視されなくなりました。国産材の消費の伸びが著しく、上がってきているのです。
様々な要因が考えられますが、多くの木材関係の方々の努力の賜物ではないでしょうか。
そこで、最近は屋外用木材利用の手法をモックル処理一本やりではなく、適材適所の考え方で進めています。無処理でもやり方や環境によっては、屋外でも十分、保ちます。
素人の方が、プロが、屋外で木材を使うときに何に気をつけなければならないか、どんな方法があるのか?
答えは、鉄やコンクリート、プラスチックなどを使わなかった時代の文献でした。
先人の知恵を学ばせていただき、未来のための屋外用の木材活用を取り組んでいきたい。
肩の力を抜いた考えに行き着いたところです。