屋外木材講座3 木材の形状安定
今回、断面写真で見ていただいたように、アリ加工をしています。
最初にいただいた図面は、ボルトの穴を開け、ナットで締めた後、込み栓で蓋をするようになっていました。
観てお分かりのように笠木は、荷重を受ける構造体でもない飾りのようなものですから、できるだけ、金物仕組みをみせない(どのようにして止めているかわからない)造りにしました。
屋外木材口座1で「コンクリートと木材を接触させない」と書きましたが、木材を美しく見せるというのも、屋外木材では重要なポイントになると思っています。
材料もかなり吟味しました。ほぼ赤みの無節杉材です。この辺のところはこだわり始めるときりがないです。(笑)
アリ加工ですが、そんなに簡単に入るものではありません。カケヤを使い、3人掛かりで取り付けていきます。
これでも、屋外の木材は、かなりやせると考えています。緩々にならないようにモックル処理(酸化亜鉛含浸処理)の出番です。
モックル処理には、お肌を守る保水成分が、含まれています。ハンドクリームに使われる成分です。割れにくくするためには、保水性分の効力を十分に生かすことです。木材では形「状安定効果」と言っていますが、お肌と同じ保水性を保つことで割れにくくなるのです。
アリ加工の下地材(モックル処理材)にも、同じ成分を入れています。下地材は特に屋外の環境とは、遮断されていますので反ったり、割れたりすることがないと考えられます。接合を屋外でないところで木と木同士でしていますので安定した接合力を維持できるのです。
屋外で腐らないと言うことだけを前提に考えがちですが、木材の形状をいかに安定させるか。重要なポイントになります。