2007年12月6日(木)11:20
◇私は所有物じゃない
「言葉も伝わらず、夫と分かり合えない。何度も韓国に帰ろうと思った」。西村山郡の農家に嫁いだ40歳代の韓国人女性はそう語る。
韓国にいた24歳の時、知人の紹介で日本人男性と見合いをすることになった。家は母子家庭で経済的に苦しく、日本で結婚した方が幸せになり、家族にも楽を
させられると思った。11歳上の男性が優しく頼もしく見え、知り合って2週間で結婚を決めた。しかし、見合いだと思っていたのは、夫が業者に申し込んだ花
嫁探しのツアーだった。夫が業者に仲介料として230万円払っていたのを知ったのは、結婚してから数年がたってからのことだった。
「嫁探しに大金払ったんだ。ちゃんとした嫁さんを連れて帰らねば、両親や近所の人たちに顔向けできない」。結婚が決まった直後、韓国で夫から言われたことが忘れられない。
結婚生活が始まると、夫は親の言いなりだった。山形弁も理解できず、慣れない農作業と家事で失敗する度に、義母からは「日本人の嫁ならできるはず」となじ
られた。長女を出産した後は「何で女の子を生んだんだ。出て行け」と言われた。農作業中に足を骨折した時には「操作を間違えるからだ。その足はいつ治って
いつから働けるんだ」という冷たい言葉に泣いた。
義父には頭を殴られ、妊娠中に腹をけられたこともある。夫からも暴力を振るわれるようになった。背中や左足には、あざが今も残っている。
韓国に戻りたいと思ったが、子どものことが気になった。「私1人ならとっくに戻っていた。でも子供たちのことを思うと、離婚できなかった。外国に嫁いだ私がばかだったのかもしれない」。そう言うと、涙がこぼれた。
この秋、手足にみみず腫れができる程殴られ、離婚を決意した。農家の仕事が減る冬にかけ、パートの仕事を増やし、家を出ていくための準備をするつもりだ。
「私は自分の意思で山形に来たのだから、自業自得と言われるかもしれない。でも、所有物のように思われているのがつらい。人間を何だと思っているんだろう」
◇
在住外国人を支援するNPO法人・国際ボランティアセンター山形(IVY)には昨年、外国人女性からDV(家庭内暴力)の相談が12件寄せられた。夫の両親と同居する場合、3人から暴力を振るわれたり、非難されたりする外国人女性も多いという。
DVだけでなく、経済的な理由で悩んだ末、「離婚したい」と相談する外国人女性もいる。夫が業者に紹介料を支払うため、借金を重ねて家や田畑を売り払う場
合、女性は結婚した途端に借金生活を余儀なくされる。しかし、相談者の多くは日本に身寄りがなく、離婚調停を申し立てても、離婚が成立するまで住む場所や
働く場所が見付からず、結局、離婚をあきらめることになる。
IVYの西上紀江子理事は「業者を通じた国際結婚の場合、日本人男性の中には多額の仲介料を業者に支払ったことで、花嫁に対して『買った』という意識を持つ人がいる。それが暴力へつながる」と指摘している。=つづく
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