人件費削減案 労組と対決 職員「子供4人いる」「退職金見込みマンション」
6月2日16時25分配信 産経新聞
■知事「緊急避難、やむを得ぬ」
「4人の子供がおり生活が破壊される」「退職金を見込んでマンションを買ったのに」…。大阪府が提示した平成20年度の総額約350億円の人件費削減案 について、職員が加盟する府労働組合連合会(府労連)、府関連労働組合連合会(府労組連)と橋下徹知事による団体交渉が2日行われた。橋下知事は「内容が 厳しいことは承知しており、緊急避難的でやむを得ない状況」と協力を求めたが、出席した一般組合員からは厳しい意見が相次いだ。
橋下知事は、府労連との団交の場で「マイナスをリセットして府の財政再建を果たしたいとの思いで、人件費削減案をまとめさせた。内容が厳しいことは承知 している。緊急避難的でやむを得ない状況だが、一律カットは本意ではないので早く終了して、きちんと働く人が報われるようにしたい」と協力を求めた。
これに対し、組合側は一般組合員に発言の場を与え、それぞれが橋下知事に思いをぶつけた。42歳の男性職員は「4人の子供を育ててきたが生活が破壊され ることになり不安。このままでは、職員の意欲が低下する」。36歳の男性職員は、「定期昇給が延ばされ、それでも我慢を重ねてやってきた。結婚や子育て、 家庭を築くことができない」と削減案の撤回を強調した。
また、今年定年を迎える男性職員は「退職金を見込んでマンションを買った。自分なりに地方自治を考えて前向きにやってきたが、しっぺ返しをされた思いだ。後出しジャンケンと一緒。退職金のカットは懲罰的だ」と強い口調で訴えた。
府労連の新居晴幸執行委員長は「6月5日に示される大阪維新プログラム案で正当な判断をしてほしい。景気がいいときも悪いときもがんばってきた職員の思いを知事に聞いてもらった。知事は分かってくれていると思う」と述べた。
府労組連との団交でも、男性教員が「毎日残業し、土日も部活動の指導などで出勤しているが、毎月10万円以上に相当する超勤手当が教師には支給されていない。現状を、知事は理解しているのか」と訴えた。
府は、管理職について12~16%、非管理職について4~10%の基本給削減や一般職の退職手当5%カットなどで、今年度総額人件費約350億円の人件費削減案を示している。
保守記事.101-91 ゆめのような、公務員生活