娼年 (集英社文庫)石田 衣良集英社このアイテムの詳細を見る |
2001年
昼寝中に一気に読めた。
毎日を退屈に過ごしていた20歳の大学生「ぼく」が、あるとき出会った女性の経営するクラブで、娼夫となって働く話。
って言えばそれまで。
それで嫌悪感を覚える人もいるだろう。
そういう人たちはかわいそうだな。
でも、これ、いいね。
深いし、優しい気持ちになる。
こんな話で、どう落とし前をつけて物語を終わらせるのか興味があった。
さすが、この人の作品は違うな。
比べちゃって悪いけど、似たような話、いや似てないんだけど、同じくらいの男の子が主人公で同じく年上の女性とのあれこれを描いた絵國さんの「東京タワー」も、どんな風に終わるんだろうって思ってたら、あらら、それだけ?みたいな不完全燃焼だったからさ。
やっぱ石田さんのは違うね。
ハタチだから少年じゃないじゃん、ってのとか、
お母さんのエピソードあたりは蛇足に思えたけど、
それなりにまとまっていて、よかったと思う。
希望のある終わり方も好き。
心に残ったセリフをメモっておく。
退屈だと言った「ぼく」に御堂さんが言った言葉。
「人間は、探しているものしか見つけない」
不幸だ不幸だと言って、グチばっかこぼしてる人は、好きでやってるんだと思う。幸せを探してないから、幸せを見つけられないのかもね。っていう。
***
そして、いま、新作で続編が出た!
まだ出たばっかりだから図書館の予約が少ないw
わーい、近いうちに読めるよー♪