*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

リチャード・バック「かもめのジョナサン」(1970・2014)

2024年09月29日 | 
 
何か手に取った。
元のバージョンも読んだことはない。初めて。タイトルは聞いたことはあった。
3章までで完結だったのが、未発表の第4章があって、それを40年後に収録した完成版なんだって。
まあ有名なのでしょうね。元のバージョンはね。

かもめのジョナサン・リヴィングストンは、、普通のかもめのようにえさを奪い合ってただ生きていくことに飽き飽きしていた。
飛ぶということを極めたい。はみだし者になって練習していたら、師匠が現れて、肉体を超えた飛行体験をする。
みたいな話ですか?

何かあまりちゃんと読んでないので、そんな話じゃねーよと思われるかもしれないけど、取りあえず出しちゃいます。

肉体を使うということや、肉体を超えるということなんかが、へー、おもしろーいと少し思った。
新しい最終章では、ジョナサンが去ってから、彼が神格化されていたけれど、、、みたいな感じでした。
うーん、さらっと読んでしまいました。

パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」(1950)

2024年09月18日 | 
 
Strangers on a Train

こないだの「イレブン」から、気になってた。ヒッチコック映画の原作の本書を読んでみた。
意外と厚くて、こんなに壮大な物語があったのか? っていう感じだった。

何で、映画があんなふうになっちゃったのかな? ヒッチコックは好きだけど、どうなんだろな?
話が全然違うので意味合いも違くなってきちゃう。
一番いい場面が映像になってない。
あの、ガイの犯行後の混乱した心理状態の描写がすごい。あれこそがハイライトなのにな?
ってのは、思った。

あとは、よく考えて、原作を読んだ感じでは、ガイの妻はメガネをかけてるようなタイプに思えないんだけど、メガネだったのは、単にそのレンズに犯行の様子を映したいから、それだけに思えた。
映画を観たときには斬新な演出って思ったけど、よくよく見ると、そんな感想もあった。
やっぱ、映像化するっていろいろあるもんだな、昔から。

主人公のガイは、同じ列車に乗り合わせた若者、ブルーノに、交換殺人を持ちかけられる。
ガイの妻をブルーノが殺し、ブルーノの父をガイが殺す。
ガイは本気に取らなかったが、ブルーノがガイの妻を本当に殺してしまう。
ここまでは映画も同じ。
そこからが、オリジナルでハラハラしたなあー。

やりたくもないのに、人を殺さなきゃならない気持ちとか、やってしまった後の混乱したさまとか、だんだん追い詰められてくる感じとか、すごくすごい。
おかげで、気がふさいでしまったわ。

「ひとりのなかにあらゆる善とあらゆる悪が共存している」
ここの部分はすごいなと思う。

男同士の愛情みたいな関係も、この後の作品にも出てくるみたい。
妻を殺したい男の話も出てきたりするみたい。
この作品が、原点であり、全部詰まってるみたい。
そうなんですねー。
ほかの作品も読んでみるかい?
ちょっと、気がふさぐのはあれだけど(笑)


トーマス・マン「ベニスに死す」(1912)

2024年09月10日 | 
 
Der Tod in Venedig

著者のほかの作品は読んだことない。映画も観たことない。
表紙を見て、何このフリージアの少年は(ロビンの若い頃)って思って手に取って借りた。ちょっと移動することがあったのでちょうどよい。薄くて持ち運びやすい。
これは映画の子みたいですね。ビョルン・アンドレセンさん。
つい、手に取った本。読み終われるかな? 薄いけど内容がたくさんありそう。難解な文章でなかなか読み進められない。

主人公のアシェンバハ(アッシェンバッハ)、解説に「初老の作家」とある。
で、冒頭を読むと、50歳の誕生日がどうのこうのよ。
えっ50歳って初老なんですか??(笑)もうそこからww
私、初老だった。。もう女の子じゃない。。知ってたけど。。

旅行先のヴェネツィアで出会った少年が美しくて、ストーカーになる話。
そのうち流行り病が町を襲って、少年の一家が国に帰るときに主人公は死んでしまう。もうタイトルに死があるから最初から悲劇と分かってる話ですよね。

主人公の年齢や死んだことなどを除けば、著者夫婦が実際に行った、経験したことがベースになっているらしい。
美少年も実際にいて、奥さんの話によると、夫はその少年に恋をしたのではないかみたいな。

魂と肉体についてとか、
「愛する者は愛される者より神に近い」とか、
いい言葉もある。

余談なのか、ほんとにそこから来てるかは知らない。
パナマ帽、美少年、ときたから、明菜ちゃん「サザン・ウインド」を思い出しました(笑)