*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

東野圭吾「探偵ガリレオ」

2008年06月26日 | 
探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋

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1998年



福山雅治主演でドラマになって、気になってたのでだいぶ前に予約してた。

って言っても2話くらいしか見てないけど(笑)



これは、おもしろい!



今まで読んだこの人の作品って、テーマは色っぽいのに、語りが固くて、なんだかなーってのが多かったんだけど(ファンの方はすいません)これは、決まった。いつもの固い文章も、表情を変えないで冗談を言う湯川のキャラクターにかちっとはまった感じ。

出身学部のマニアックな知識が活かされているし、きっと、楽しく書いたんだろうなってのが伝わってくる。

うん、よかったよ。



ただ、これは、佐野史郎さんをモデルにして書かれたんだって。

佐野さん、出れなくて、残念ww

つい、福山くんを思い浮かべてしまって私も残念www

小川洋子「科学の扉をノックする」

2008年06月22日 | 
科学の扉をノックする
小川 洋子
集英社

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2008年



図書館HPで探して借りてみた。

小川洋子さんの最近の作品はいいなって思ってて。

そしたら、小説ではない、こんなのがあったよ。出たばっかりだったよ。



「博士の愛した数式」を書いた人だから、興味があった。

どうして、こんなテーマを選んで書いたんだろう?って。

私だったら絶対に興味がわかないものw

読むのは楽しかったけど、書こうとは思わないテーマだもの。



だから、この本は嬉しかったな。

企画した編集者さん、グッジョブだな♪



著者の似顔絵がかわいい表紙も好き。



以下メモ代わりに。



1.宇宙を知ることは自分を知ること(渡辺潤一氏)



地球は宇宙のはじっこに位置しているっていうのが、なんかおもしろかった。

わからない部分がまだまだたくさんある。ロマンだなぁ。

私も知ってること、知ったかぶりのこと、うろおぼえのことがあって、勉強になった。

「たまたま」飛び出した塵が、地球になり、生命をはぐくむ星となった。この「たまたま」によって、私たちが今生きていることの不思議。

他にも生命体がいる星がないか、メッセージを送信したんだって。でも、届いたとして、返信が来るのが約5万年先!ロマンだわぁ。



2.鉱物は大地の芸術家(堀秀道氏)



写真がきれいだった。

すべての鉱物は、いちばん合理的な単純な構造になる。誰にも言われてないのに規則的に並んで、美しいのも、何か大きな力が働いているに違いないって思える。

奥様への婚約指輪の宝石を自分で発掘してプレゼントしたエピソードはあたたかい。



3.命の源“サムシング・グレート”(村上和雄氏)



宇宙の巻でも、DNAの世界でも、わかっていることは3%しかないんだって。

同じなのがおもしろいね。

遺伝子の暗号を読み解くのに成功したってことは、それを書いた人がいるってわけで…って気づいた先生もすごいと思う。「サムシング・グレート」は神のようなもの、と解釈できる。

ちなみに、これの前に読んだ本のリカちゃん先生は、この村上先生について、科学者たるものが、そんなことを言って!!みたいに糾弾してたよ。

3%の中で、すべてわかってるって驕るよりはいいと思うんだけどなぁ。



他の動物の肉を食べても、その動物にならないのは、遺伝子が働いているから!

ってのはメカラウロコだった。



4.微小な世界を映し出す巨大な目(古宮聰氏)



スプリングエイト

という施設があるのを初めて知った。

こういう研究にも、国がちゃんとお金を出してるんだなぁ。

そのうち、こういうのも潰してしまえ!って話になってしまうのかなぁ。悲しいね。

この施設の写真見て、すごいなーすごいすごい!って思ったw



ミクロのものを見るために、どんどん施設が大きくなっていったってのが興味深い。



5.人間味あふれる愛すべき生物、粘菌(竹内郁夫氏)



アメーバから始まって、動物と植物のあいだを行き来するその一生は興味深い。

犠牲になる細胞とか、黙々とできることをこなす細胞たちに人間を見る思い。もちろん、グチグチ言ったり仕事をこなさない人間より、ずっと賢い存在だね。

肉眼でも見えるってのが(見たことはないけど)なんだか嬉しいな。



6.平等に生命をいとおしむ学問“遺体科学”(遠藤秀紀氏)



無目的に、ただ、動物の遺体を引き取って、解剖し、骨にして、残す。

それが、今はできなくても、いつか未来に、何かの謎が解かれるのを静かに待っている。



上野動物園で亡くなったパンダの遺体を調べたことによって、今までの定説だった「パンダの指」について新しい事実を発見した遠藤先生。

彼の絵本も見てみたいなって思った。



「サイエンスには、もともと目的はないんです。サイエンスとテクノロジーは分けて考えるべきなんです」

この言葉に、なんとなく、科学者の好奇心から始まったのもが、核爆弾になったことを思った。



7.肉体と感覚、この矛盾に挑む(続木敏之氏)



著者は、高校野球ファンで、阪神ファンなんだって。

なんか親近感♪

野球チームのトレーナーというお仕事について勉強になった。

私も、ひとつのチームをこんなに応援するのは初めて。選手・監督の次はトレーナーさんにも目を向けてみようと思った。

選手たちを、精神的にも支える存在。

野球って、生き方、そのときの精神状態、全て出るんだね。もちろん他のスポーツもそうだろうし。



「ウサギとび世代」ってのが受けた。うちらも入ってるわーw



***



勉強になったし、前に読んだ本とも繋がる。

あとがきで著者が言ってたけど、きっと、素人の人に自分の世界をわかってもらうために、こうやって説明したりするのって、嬉しいことなんじゃないかなぁ。

ほんの一部ではあるけど、こういう世界について知れて、私も嬉しい♪



形あるものは必ず壊れるけど、一度存在したものは、「無」にはならない。

循環していく。

死んで、土に還って、その土が生命をはぐくむ、というように。

それを知って、私たちが、ちっぽけながらも悩みながらも存在していることは、地球の、宇宙の一部なんだって思えて、うーん、うまく表現できないけど、安心した。


韓国ドラマ「カムバック!スネさん」

2008年06月19日 | ドラマ
カムバック!スネさん DVD-BOX

CCRE

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2006年

全16話

シム・ヘジン

パク・ジニ



http://www.bs4.jp/sunesan/index.html



タイトルが、うーん、ダサイねwwwと思って、1話見てつまんなかったらやめようと思ったんだけど(笑)

(いや、いっつも思ってるのよ、最初見てつまんなかったら時間のムダだからやめよう、とは)



「ストック」に出てた朝鮮美人のジニさんと、「宮」でユルぐんのオンマ役だったヘジンさんが出てて、興味を引かれた。

結婚10年目。コツコツ節約して念願のマンションも買った専業主婦のスネさん(ヘジン)。

スネの夫(機長)と不倫してるスチワーデスのチョウン(ジニ)。

ふたりの魂が入れ替わった!



まぁ、ありがちな「転校生」ものw

でも、妻と不倫相手ってのが斬新だな、と。

いろいろ考えさせられたし、最後は涙だったよ。



しかし、ヘジンさんがおばさんっていったって、あんなきれいな人がさー。とか

28歳で不倫って、終わってるwwwとか

子供は見た目じゃなくて、ちゃんと母親に気づかないもんかねぇ?とか

は、あったかな。


香山リカ「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」

2008年06月18日 | 
スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)
香山 リカ
幻冬舎

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2006年



タイトルを見て、気になっていたので借りてみた。



私は、「ハマる人」なんだろうな。

こういうのを書く人は、きっと「ハマらない人」なんだろうな、と思ったら、やっぱりそうだった。

ハマっている人が、ハマらない人を論じることは難しいからね。



もっと、深い話かな?って期待したほどではなかった。

わたしはたぶんここに書かれる大多数の女性には当てはまらないと思う。

(とか言ってることが危険なのか??)



ただ、最近のスピリチュアル・ブームはどんなものか?ってのはよくわかったかな。

なるほどなー、いろんな問題が、やっぱり繋がっているんだって思った。

例えば、科学的に実証されていない「脳トレ」とか、「医者が作ったコスメ」ってだけで良さそうって思ったりとか。

でもま、占いとかもあるしね。



最近の子供たちにアンケートをとったところ、生まれ変わりと生き返りの混同をしている子供が多かった。

ゲームは死んでもリセットすればいい、って考え方が現実にも入り込んでいるのだろう。

こないだの死神の言葉を思い出すわ。「死んだら死ぬに決まってる」これを笑って読めない現実もあるんだね。



今のスピリチュアル・ブームの根底には、

自分はいかに生きるべきか

 ↓

自分の幸せを求める

 ↓

自分がよければいい

 ↓

自己責任

っていう今の日本の風潮が現れている、と著者は言う。

それも一理あるとは思うけど、いや、受け取る側の大多数がそうなのかもしれないけど、江原さんの本当に言いたいことは、もっと深いところにあると思うし…

なーんて、違う話になってきそうなので、「私はこれに当てはまらない」話は、またどこかに書くね。



彼女と江原さんの対談なんかも、あったら読んでみたいって思ったわ。

伊坂幸太郎「死神の精度」

2008年06月17日 | 
死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
伊坂 幸太郎
文芸春秋

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2005年



収録作品;

死神の精度

死神と藤田

吹雪に死神

恋愛で死神

旅路を死神

死神対老女



タイトルが、なんかおかしいのも、笑える。



後半は、「今日返さなきゃー」って、かなり大急ぎで読んだから、ちょっぴり残念。

でも、あんまり考えなくても読めるのでよかったね。

「死」がからんでいるのに、楽しく読めるってのもなんだけど、おもしろかった。



「死神」の千葉は、死ぬ予定の人にあらかじめ接触して調査し、「可」または「見送り」の報告をする。

死神って、もちろん、あの、死神ね。

人間ではない。

「可」→予定通り死ぬ

「見送り」→今回は死なない



人間っておかしなことを考える、とか、

音楽だけは気に入っている、とか、

違う価値観というか、違う視点から人間ってものを見れるのは興味深かったかな。



「死んでも死に切れない」って言ってるのを聞いて、「死んだら死ぬに決まってる」って思ったりとかw



もちろん、伊坂さんの作品ならではの、最後にはすべてがハッキリスッキリする読後感もいい。

このシリーズも好きだな。

韓国ドラマ「タルジャの春」

2008年06月13日 | ドラマ
タルジャの春 インターナショナル・ヴァージョン DVD-BOX1

ジェネオン エンタテインメント

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2007年

全22話



http://www.bs-j.co.jp/tarujya/



チェリム

イ・ミンギ



チェリムの復帰第1作だって。

休養してたの?って思ったら、結婚して、離婚して、復帰したらしい。

役柄も変わったね。実際より年上を演じてた、変な髪形に、変なメイクでw



テーマ曲が印象的で、歌える感じ♪(言葉はちらっとしかわかんないけどw)



33歳・独身・彼氏ナシ、の女の前に、いきなり2人の男性が現れた!

恋愛の話と、家族の話と、仕事の話が、いい感じにミックスされていて、おもしろかったよ。



イ・ミンギ氏は、もこみち似でかっこいかったw



2人が両思いになったぐらいから、ちょっと話が蛇足っぽかったけど(笑)最後はまぁまぁよかったかな。

石田衣良「親指の恋人」

2008年06月13日 | 
親指の恋人
石田 衣良
小学館

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2008年



タイトルのイメージだと…

携帯メールで気軽にやりとりする、チャラい恋愛の話

(親指で携帯メールを打つので親指の恋ね)

だったんだけど、それが違うよってことを、最初のページで知らせてくれた。

あたりまえかぁ、この人の作品だもの。



二十歳の男女が心中、という小さな新聞記事。

結末が最初に出て、そこに至る経緯が、出会いから描かれるの。

どうやって出会って、どうして一緒に死ぬことになってしまったのか。

今の時代を反映した、悲しい物語。



あんまり極端だけど、それは、フィクションだから。

際立たせるためにそう書いているのだとわかる。



父の会社の経費でヒルズに住んでいる大学生のスミオ

公営住宅に父と暮らし、パートとバイトでギリギリの生活をするジュリア

出会うはずのない2人が出会った。

そして、恋が始まって、未来への希望に満ち溢れていたのに…。



心に残った言葉。

頭は間違えるが、体は間違えない。

支払えない人からどんどん取り立てて、支払える人は払わなくて良い、という逆立ちした世の中。



余談のような、つながっているような。

この事件と、アキバの事件が重なる。

死ぬ気でやれば何でもできる、なんて、軽々しく言えない世の中になってきたなぁ。

だって、死んだり、殺したりする方が簡単なんだもの。

仕事でも、子育てでも同じなのは、社会で生き抜く人材を育てるということ。

育てられるほうも同じで、ぞんざいな扱いを受け続けていると、自己評価がどんどん下がっていく。

今の若い人の特徴として、心理学者が言ってたのは、こんなに若くて、まだまだ未来が作れるはずなのに、もうすでに人生に絶望している人が多いんだって。

それってこういうことじゃないのかなぁ、使い捨てのように、誰でも自分の代わりはいるんだって思わされながら仕事をしていたら、自分はいらない人間なんだって思うようになるっていう。

「自分の人生の主役は自分なんだ!」

って、思えないほどの外からのプレッシャーなのかな。

それを、ただ単に、「あいつは弱いから」で済ませられない何かがある。



考えれば考えるほど、悲しいお話。

読んでるそのときより、思い出したときの方が泣ける。

これから死ぬんだって日の、最後のデートのシーンが、その2人の気持ちが、痛いくらい。

彼らに「死ぬ気になれば何だってできるよ!」なんて言えないよ。



石田衣良「夜を守る」

2008年06月05日 | 
夜を守る
石田 衣良
双葉社

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2008年



若者・東京・夜

っていうキーワードから、「池袋ウエストゲートパーク」系かな?って思ったら、似てる部分もあるんだけど、全然違った。



アメ横がホームの4人の若者が、息子を殺された老人と出会い、この街を少しでも良くするために、ガーディアン活動を始める。

日々の活動は、放置自転車の整理、酔っ払いの介抱、ケンカの仲裁など、地味だが、時々ちょっとした事件が起こる。

連載もので、一話完結で読みやすい。



自分、全然動いてないのに(笑)一緒に活動してるみたいな気持ちになるの。

楽しい。ワクワクする。こういうのいいね。



昼間の自分(職業)から解放された夜の自分

とか、

挨拶が大事であるとか

うんうん、って思う。



これは、映像化されるんじゃないか?

揃いのスタジャンに揃いのベレー帽の若者が、夜の街をパトロールする。

見たいもん(笑)見たいよね?(笑)



本のほうが、より味わいがあって、深いからオススメだけど、本を読まない若者にも見てもらいたいから映像化したらいいなって思う。

今から脳内キャスティングするか(笑)