2008年
図書館HPで探して借りてみた。
小川洋子さんの最近の作品はいいなって思ってて。
そしたら、小説ではない、こんなのがあったよ。出たばっかりだったよ。
「博士の愛した数式」を書いた人だから、興味があった。
どうして、こんなテーマを選んで書いたんだろう?って。
私だったら絶対に興味がわかないものw
読むのは楽しかったけど、書こうとは思わないテーマだもの。
だから、この本は嬉しかったな。
企画した編集者さん、グッジョブだな♪
著者の似顔絵がかわいい表紙も好き。
以下メモ代わりに。
1.宇宙を知ることは自分を知ること(渡辺潤一氏)
地球は宇宙のはじっこに位置しているっていうのが、なんかおもしろかった。
わからない部分がまだまだたくさんある。ロマンだなぁ。
私も知ってること、知ったかぶりのこと、うろおぼえのことがあって、勉強になった。
「たまたま」飛び出した塵が、地球になり、生命をはぐくむ星となった。この「たまたま」によって、私たちが今生きていることの不思議。
他にも生命体がいる星がないか、メッセージを送信したんだって。でも、届いたとして、返信が来るのが約5万年先!ロマンだわぁ。
2.鉱物は大地の芸術家(堀秀道氏)
写真がきれいだった。
すべての鉱物は、いちばん合理的な単純な構造になる。誰にも言われてないのに規則的に並んで、美しいのも、何か大きな力が働いているに違いないって思える。
奥様への婚約指輪の宝石を自分で発掘してプレゼントしたエピソードはあたたかい。
3.命の源“サムシング・グレート”(村上和雄氏)
宇宙の巻でも、DNAの世界でも、わかっていることは3%しかないんだって。
同じなのがおもしろいね。
遺伝子の暗号を読み解くのに成功したってことは、それを書いた人がいるってわけで…って気づいた先生もすごいと思う。「サムシング・グレート」は神のようなもの、と解釈できる。
ちなみに、これの前に読んだ本のリカちゃん先生は、この村上先生について、科学者たるものが、そんなことを言って!!みたいに糾弾してたよ。
3%の中で、すべてわかってるって驕るよりはいいと思うんだけどなぁ。
他の動物の肉を食べても、その動物にならないのは、遺伝子が働いているから!
ってのはメカラウロコだった。
4.微小な世界を映し出す巨大な目(古宮聰氏)
スプリングエイト
という施設があるのを初めて知った。
こういう研究にも、国がちゃんとお金を出してるんだなぁ。
そのうち、こういうのも潰してしまえ!って話になってしまうのかなぁ。悲しいね。
この施設の写真見て、すごいなーすごいすごい!って思ったw
ミクロのものを見るために、どんどん施設が大きくなっていったってのが興味深い。
5.人間味あふれる愛すべき生物、粘菌(竹内郁夫氏)
アメーバから始まって、動物と植物のあいだを行き来するその一生は興味深い。
犠牲になる細胞とか、黙々とできることをこなす細胞たちに人間を見る思い。もちろん、グチグチ言ったり仕事をこなさない人間より、ずっと賢い存在だね。
肉眼でも見えるってのが(見たことはないけど)なんだか嬉しいな。
6.平等に生命をいとおしむ学問“遺体科学”(遠藤秀紀氏)
無目的に、ただ、動物の遺体を引き取って、解剖し、骨にして、残す。
それが、今はできなくても、いつか未来に、何かの謎が解かれるのを静かに待っている。
上野動物園で亡くなったパンダの遺体を調べたことによって、今までの定説だった「パンダの指」について新しい事実を発見した遠藤先生。
彼の絵本も見てみたいなって思った。
「サイエンスには、もともと目的はないんです。サイエンスとテクノロジーは分けて考えるべきなんです」
この言葉に、なんとなく、科学者の好奇心から始まったのもが、核爆弾になったことを思った。
7.肉体と感覚、この矛盾に挑む(続木敏之氏)
著者は、高校野球ファンで、阪神ファンなんだって。
なんか親近感♪
野球チームのトレーナーというお仕事について勉強になった。
私も、ひとつのチームをこんなに応援するのは初めて。選手・監督の次はトレーナーさんにも目を向けてみようと思った。
選手たちを、精神的にも支える存在。
野球って、生き方、そのときの精神状態、全て出るんだね。もちろん他のスポーツもそうだろうし。
「ウサギとび世代」ってのが受けた。うちらも入ってるわーw
***
勉強になったし、前に読んだ本とも繋がる。
あとがきで著者が言ってたけど、きっと、素人の人に自分の世界をわかってもらうために、こうやって説明したりするのって、嬉しいことなんじゃないかなぁ。
ほんの一部ではあるけど、こういう世界について知れて、私も嬉しい♪
形あるものは必ず壊れるけど、一度存在したものは、「無」にはならない。
循環していく。
死んで、土に還って、その土が生命をはぐくむ、というように。
それを知って、私たちが、ちっぽけながらも悩みながらも存在していることは、地球の、宇宙の一部なんだって思えて、うーん、うまく表現できないけど、安心した。