*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

石沢麻依「貝に続く場所にて」(2021)

2022年11月23日 | 
 
何か賞を取ったとかで、予約してたのが順番きた。芥川賞?
著者は宮城県生まれの現在はドイツ在住の方ですって。

ゲッティンゲンの駅に、昔の知り合いの男性がやってきて私と会う。
ドイツでマスクしてるって設定から2020年かな? と思う。
2020年で9年振りに会ったということは、2011年以来、311以来ということか。。。
と整理しつつ読み始める。

震災の記憶が、コロナ禍の異国の街と合わさって二重写しになる感じ。
私は個人的には別にコロナと震災を重ねたことはなかったけど(どっちも仕掛けられたものであるという認識はある)、まあそういうふうにも見えるねとは思った。
それから、もっと前、震災と戦災をも重ねていくみたいな。ヨーロッパの街に残る戦争の記憶みたいな。
そんな感じですかね?

宮城県の地名、その位置関係は手に取るように分かるって部分は、まあ分かりやすかったけどね。なるほど、あの電車に乗って、仙台に帰らないで逆方向に乗って石巻へ、そうですかー。とか。
逆にドイツの街は全く想像力の外にあって、よく分からんかったり。でもこないだのテレビが役立ったかもね。ハーメルンの笛吹きのやつ。旧市街とかそういう感じとかね。

全体的に、ちょっと何言ってるか分かんない話でした。
まず、津波で今も行方不明の人がこちらにやってきて暮らす??? メールとかでほかの友人たちに連絡も可能???
お化けなのに普通にほかの人にも見えている???
ってとこからもうついていけなくて・・・
まあ、ファンタジーというか、主人公の頭の中の世界なのかなっていう感じで読んだけど、それでいいのかしら。
あれとあれが同じだ、重なる、って思う感覚はまあ分かるのだけどねえ。だから何ってなってくるとちょっと分からないわね(笑)忌憚なき感想。

まあ芥川賞ぽくはあるねえ。
そして、当該の賞は、苦手な作品が多い(笑)

余談は、仙台出身ならば、ウルスラって名前も、あれの名前だって分かってて出してるでしょーって思いました。そういう名前の学校があるのよ。。

最後に、残念、誤植? でしょうか。
「的を得る」ってなってた。しかも、比喩がナイフで刺すみたいなやつだから、的を射たほうがそれっぽい表現になったのにと思いました。
校正、校閲何してる?


映画「サヨナラまでの30分」(2020)

2022年11月21日 | 映画
 
まっけんに、北村匠海っていう、春馬さんゆかりの共演者だなーと思ってたら、最後に、脚本、大島里美って出てきた。カネ恋の脚本の人。

あとは、ヒロインが清原果耶かと思ったら久保田紗友だった。この2人も似てないすか??(笑)

まっけん演じるバンドのボーカルのアキが、交通事故で亡くなる。
その1年後、アキが落としたカセットテープのプレーヤー(ウォークマン的な)を拾った、匠海演じる主人公、颯太が、そのカセットの再生を押すと、その30分間だけアキが颯太と入れ替わってしまう。
みたいなお話。

最初は、映画を観る前、カセットテープと聞いて、30年前に亡くなった人がよみがえる系かと思ったら、ここ数年の話で、主人公たちも同じ年代だった。
そこが最初に思ってたのと違った。
あと最初に思ってたのと違ったのは、たった1回だけ入れ替わるのかと思ったら、結構何回もだったこと。

陰キャの颯太が陽キャのアキに引っ張られて、だんだん心を開いていくさまが、よかったかなー。
主人公の成長物語的な感じ。
入れ替わった場面は1人2役だったし、そこも自然に観られたしよかったね。

音楽、バンドがモチーフのお話であり、やっぱ音楽系は楽しく観られる。
2人とも歌が上手だからね、匠海君はバンドやってるしね。
ロケ地の景色もよかったね。
城下町な感じで。松本市かな?
りんごフェスは実際にあるのかな? りんご音楽祭。ほんとにある。松本市でやってる、オーディション選出のフェス。なるほどね。
原作なしのオリジナルの物語だから、そこから話を広げたのかな?

我々世代の筒井君や、牧瀬が親の役で、そうなんだなあって思った。
まあそりゃそうでしょうね(笑)


ドラマ「小学校教師沢木千太郎の事件ノート」(2000)

2022年11月21日 | ドラマ
2時間サスペンスものかな。
春馬君が5年生の児童役で出ていると聞いて見てみた。まあチョイ役だった。メインの子役は別にいた。でもまあ、かわいいですよね。セリフもあってね。
こないだの「宮本武蔵」と同じ監督だった。ってことはテレ東? でもTBSでした。どっちが先かな? こっちが先でした。

結婚詐欺師の主人公(マチャアキ)が、小学校時代の恩師に引っ張られて小学校の教師になる、というところから始まる。
赴任直後に殺人事件が起こり、、、みたいな感じ。
全体的に安っぽい作りで、学校って嫌なとこだなーと思うし、教師って偉そうで嫌だなーって思うし、保健室登校の子に教室に行こうとか刺激したりしてやめてくれよとか、本編と関係ないことを思ったかもね。
マチャアキが結婚詐欺師の設定もおかしいし、騙されてた女性で同じ学校の教師として再会した西田ひかるとか、親子ぐらい年齢が違うからほんとにおかしい。冗談というかギャグ的な設定なのかどうかもよく分からん。
ってわけで軽く見ました。

モンゴメリ「炉辺荘のアン」(1939)

2022年11月21日 | 
 
松本侑子さんの全文訳と詳し過ぎる注釈のシリーズ。6作目。
これも、4作目の「風柳荘のアン」(1936)と一緒で、後から書かれた作品。モンゴメリは1942年に亡くなっているので晩年の作品でもある。最後に出た本だったみたい。
アンが34歳から40歳までのお話。

今回も、スコットランドやケルトにちなんだ地名や人名が多々出てくる。
シェイクスピアや、いろんな詩人の作品からの引用も多々出てくる。
これらを全て調べたのは本当にすごいこと。ありがたいことです。

後から書かれた作品だから、この2作にだけ出てくる名前があるんだよね。レベッカ・デューとか、小さなエリザベスとか。
アンの家のお手伝いさんのスーザンとレベッカ・デューとの交流は微笑ましい。

やはり、全文訳、多分読んだことない箇所があるなあと思う。
単に記憶にないのか、ほんとに訳されてない箇所なのかは不明だけど、ダイアナの第3子の話なんかは初めて聞いたかもなーと思ってる。夫と同じ名の長男、コーデリアと呼んでほしいと言ったアンにちなんだ名の長女しか記憶にございませんよ。

大体、2作目以降は、グリーンゲイブルズへ里帰りしてるところから始まってたね?
また確認してみなきゃだけどね。
グリーンゲイブルズのアン(「赤毛のアン」の原題)に戻ったところを描いて、そして、現在の場所へ戻っていくみたいな、タイトルの場所へ旅立っていくみたいな、そんな構成。

アンが主人公の最後の作品(残りの2作品は原題のタイトルに「アン」が入らず、大きくなった子供たちが主人公)とされているけど、それでも、ここにも子供たちのエピソードが満載で、やっぱりモンゴメリは子供を書かせたら一流と思う。あ、大人を書かせても一流ですけどね。
そして、やっぱり、毎回思うが、こんな物分かりのいい母親だなんて、理想的過ぎてあり得ないわって思っちゃう(笑)子供たちもまっすぐに育ってねえ。
きっと、著者自身の理想でもあったのかもね。

子供たちの名前もそれぞれ、思いがこもっていていいね。
よく、夫の名を息子につけたり、友人の名をつけたりするけど、どうなんだろう?
双子に、アンとダイアナってつけたのは、素敵だけど、自分の名が自分の子の名になったり、自分の名が友達の夫の苗字と組み合わさるのって、微妙な感じがしないのかしら?

女子たちの、口のうまい子にほだされて、簡単に友情を捧げては裏切られる話がよく出てきたけど、ここは、母アンとダイアナの完璧ともいえる友情との対比なのかな。
ほんとにあの2人は素敵だなあって思う。単に引き取られた家の隣に住んでた同い年の子と、一生仲良しでいられるなんて、本当にすごいことですよね。これも理想。

幸せいっぱいの炉辺荘の子供たちが、母に、いつもおなかがすいているってどんな感じが知ってる? って尋ねたときに、グリーンゲイブルズに引き取られる前の記憶で、経験があると答える場面、ここも対比が見事。
そして、読者も一緒にその記憶をたどるという。

解説にもたくさん出てきたけど、スイーツはいちいちおいしそうだったなあ。
こんなに甘いものをたっぷり毎日食べていたのね。
あとは、チキンがごちそうなのは、なるほどでした。鶏を飼ってて、卵を使ったり、絞めて料理したりする。豚や牛は遠くから来るから古くなっちゃう。

ほかの作品ほど宗教的なことはなかったんだけど。
やっぱり感覚として分からないのは、同じキリスト教でも、同じプロテスタントでも、同じ宗派じゃないと付き合えないとか結婚相手にはできないとかそういう感覚。
結婚式は教会でやって、葬式は寺でやって、正月に神社に行くような我々には感覚が分からない(笑)
村みたいな感覚だったのかなあ?

ハロウィーンは、ケルトのお祭りという解説があった。
11月1日が新年であり、大晦日がハロウィーン。
死んだ人の魂が戻ってくる系の話は、お盆のようでもある。
(元々の元々は、悪魔崇拝なんだろうけど・・・)

クリスティーン・スチュアート問題!
最後のエピソードがいいね。子供たち1人1人にスポットを当てておいて、あれれ、アンが主人公じゃなかったの? って思わせておいての、このエピを最後に置くのが秀逸。
大学時代に、ギルと婚約してたと噂のあるクリスティーン。
アンも、ロイを棚に上げて嫉妬するのがおもしろかったねー。
ちょっと自分のことも思い出してしまった。あはは。自分のことも棚に上げてねー。
やはり、年をとっても太らないってのは、ポイントである(笑)

あまりこの作品ということじゃないけど。
欧米では、女性が結婚して夫の苗字になるのは同じだけど、
夫のフルネーム+夫人
って呼ばれるのが、何かなーと思う。女性の名前が一個もないじゃん。みたいな。

ギルバートのモデルとされる男性については、訳者の解説で初めて知った。かな?
彼が若くして亡くなってなかったら、もしかして、、みたいなのがあったのかもね。
結婚する前から、結婚してる間もずーっと彼がしてた指輪をしてたってのはすごいな。きっと誰もその秘密を知らなかったのだろう。

これは余談か?
アンも、黙食はいけないって言ってるよ!
ギルのおばさんが何か月も泊まっている間、食卓で何かを言おうものなら、すぐにおばさんの口撃が始まるので、何も言えなくなってしまった。つまらない食卓になってしまったというエピソードより。


映画「ロープ」(1948)

2022年11月12日 | 映画
 
ヒッチコックの映画を観る会。
まだHDDに数本あるんだけど、今は放送してないみたい。検索しても出てこないの。あっちだから消えたとか? 知らんけど。

原作があるお話だった。
パトリック・ハミルトンの舞台の映画化だって。その舞台も、実際に起きた事件をもとにしているんだって。
その事件のウィキを見た。なるほど、その犯人の思想はそのままだったかな。事件の詳細は違ったけど。
この事件はほかにも映画や小説になってるそうです。へえー。
ヒッチコックの後だね。最近、というか、2000年代にもミュージカルになったりしてるみたい。殺人事件でミュージカルって、興味深いな(笑)

ヒッチコック監督の初のカラー作品だそうです。
そうだったのか。

っていう、知識も何もないままに見始めるのである。
ロープって、何のロープかなーって思ってたら、いきなり最初のシーンで、ロープを使って人を殺したところから始まる。そのロープですね。タイトルの意味めっちゃ分かりやすいわ。
脈を確かめて、チェストに遺体を転がして、後で車でどこかに運ぶという話をしている。
犯人は男性2人。殺された人とも皆同級生だった。

外人は皆老けて見えるから、スーツ着てるし、おじさん? って思ったら、大学生だったみたい。
遺体をチェストに隠したまま、今からそこの家でパーティするってことになってて、これは、この部屋の中だけが舞台になって最後までやるやつだなとピンときた。
古畑任三郎的な。
舞台が原作と後から聞いて、なるほどと思ったね。

パーティに呼んだのは、その殺された人の親や恋人、それから、男性たちの中学の先生など。
遺体のそばでパーティして、完全犯罪の優越感に浸りたいとかいう狂ったやつ。

2人の犯人の1人は自信満々で完全犯罪だ、俺たちの正しさを見せつけるのだっていうサイコパス、もう1人はバレやしないかってビクビクしてかえって変なことを口走ったり危なっかしい奴。

家政婦のおばさんが鍵を握ってて、今テーブルの上に出ている本を、後でチェストにしまわなくちゃって言ってて、その後、男性たちが喋ってる横で、パーティの食器とかを片付けてる姿をずーっとカメラが追ってるところが緊迫感あったね。
古い映画なのに斬新な表現!
これを片付け終わったら本をしまいにチェストを開けちゃう、どうするの!! っていう。
男性たちが何喋ってるか全然聞いてなかったわ(笑)

殺された人の恋人、やっぱりこの人もかわいい。
ヒッチコックのヒロインは皆かわいい。
かわいい人を見るのは好きです。

余談は、パーティに来たもう1人の同級生が、染谷将太にしか見えなかったこと(笑)


ドラマ「宮本武蔵」(2001)

2022年11月06日 | ドラマ
 
見た。
10歳の春馬君が出ていると聞いて。
全10話の最後の2話に出てきた。後に武蔵の養子になる子供なんだって。数年経っても同じ子役のままかとちょっと違和感はあったけれども、印象的でしたよね。
面影あるなーなんつって。
かわいかった。

一応流し見ながら、全編観たので感想でも書いておきます。
初めて観たね。
テレ東が制作した時代劇。毎週とかじゃなくてお正月に10時間ぶっ通しで放送したんだって。へえー。
吉川英治の原作。
宮本武蔵は上川隆也、佐々木小次郎は吉田栄作。
この辺も時代を感じるなー。
栄作はちょっと、おもしろかったな。何の頃? ブレイクした結構後だよね。
昔なので、皆さん若いよねー。
武蔵の恋人に鶴田真由。
話を分からないながら観ていても、あ、このめんこい子は主人公の恋人っぽいなとか、そんな感じで観てた。ちゃんと見た目で分かりやすくしてくれてるんだなって。

あとは、これはまだ私が東北民になる前の話だけど(私は2003年から東北民)、宮城県や岩手県でロケしてるのが、今さら嬉しい。

余談?
調べたら、犬HKの武蔵の大河ドラマは2003年だった。こっちのが早いんだね!
余談まだある。
もう時代劇も嘘なんだろうと思って見てしまう。
本当はどんな景色があったのだろうか? とても知りたい。


おおたとしまさ「追いつめる親」あなたのためは呪いの言葉(2015)

2022年11月06日 | 
 
多分こっちかな、読もうと思ってた類の、この方の本は。
こないだの「なぜ勉強しなくちゃいけないの」の編者の本。教育ジャーナリストだそうです。いろんな人に話を聞いた事例を多く載せてくれている。

教育虐待について。
子供の将来を思って、今厳しく勉強させて、子供が志望の学校に合格したはいいが、その後うつになったり、最悪は自殺したり、親を殺したり、ということがある。
今読むと、バッカだねえ、自分と子供は違う人間なのにさ、とか、うちの子と全然違う家庭ですよねーと距離を置いて見ることができる。

しかし、あのまま気づかなかったら、私もそんな親になっていたかもしれないのである。
今のやりたい放題させてる私からしたら、信じられないだろうけど、そんなやり方はいけないって子供が教えてくれたんだよね。それで勉強した。子供がいなかったら気づけなかった。
人は自分がやられたようにしかできない。叩かれたら叩く、怒鳴られたら怒鳴る。だって、ほかのやり方を教えてもらってないんだもん。どこかで子供の育て方の授業があるわけじゃないんだもん。当たり前じゃない?

これねえ。
もしかしたらだけど、私がもし学校の成績が悪かったとしたら、ここに出てきた子供のようになっていたのかもしれないね。成績優秀でスポーツ万能でよかったよかった。自分を守るためにそのように生まれたんだと思う。今はそう思う。
親も親で被害者だった。それも今は理解している。

やっぱり、この問題もそう。
自分軸を持っているかどうか。
人のせいにしないこと。人に依存しないこと。
自分のことは自分でやる。自分の夢を子供にやらせない。
子供は自分の所有物ではない。別の1人の人間である。

あとは、そうだなあ、失敗しちゃいけないって思わないこと。
誰かが言っていた。「成功と失敗があるのではない。成功と成長があるのだ」と。これ、いいよね。