*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

美輪明宏「愛と美の法則」

2009年08月27日 | 
愛と美の法則
美輪明宏
パルコ

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以前読んだ「おしゃれ大図鑑」みたいな内容をもうちょっと突っ込んだ感じの本かな。
戦前の日本の美が、戦争で壊されて、今もそのままだっていう。
昔の美しい街並を知らない私たちには新鮮な内容だ。
今の街並の中にいて、想像してしまうようになった。

コンクリート打ちっぱなしの壁のお宅が近所にあるんだけど、それを見るたびに美輪さんの「牢獄じゃないの」ってセリフが浮かんでしまう。

写真を見てびっくりしたのは、便器。
有田焼で、綺麗な模様が描いてあるの。
これは、大事にしなくちゃって思うよなぁ。

たとえば今使ってるランプベルジェのランプの装飾だって、機能だけを求めたら、必要ないといえばないのよね。

エレキの弦楽器をこないだ初めて見てびっくりしたんだよ。
弦の部分しかないの。装飾(木の部分)がないの。
弾ければいいみたいな。機能だけを求めるとこうなる、の例を見た。
それを、今の人は、シンプルでかっこいいと思うんだろうね。いちおう私も今の人ですが(笑)

美しいものに囲まれる生活
には、ほど遠いけども…
少しでも、美しいものを持っていたいね。

あとは愛のお話か。
「冬ソナ」が取りざたされているのは、NHKの番組で喋った内容が本になっているかららしい。

小川洋子「沈黙博物館」

2009年08月20日 | 
沈黙博物館 (ちくま文庫)
小川 洋子
筑摩書房

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2000年

タイトルと、1ページ目に「アンネの日記」と書いてあるのを見て選んだ。
これはよかった。
その世界のイメージが、村上春樹の「世界の終わり」っぽい感じ。
もうその場所からは出られなくて、でも充足している、ような。
表面的には、人物に名前がなくて「僕」「老婆」「少女」「庭師」「家政婦」、閉鎖的な小さな町、っていうとことが似ていると思った。

そんな不思議な場所に来た「僕」は、博物館技師であり、「老婆」の依頼で、彼女が今まで集めた物の博物館を手がけることに。
そのコレクションとは、町(村だったかな?)の人が死んだときに老婆が持ち出した形見だった。
兄に宛てて手紙を書くが、返事は一通も来ない。
爆破事件や不可解な殺人事件が起こる…。

なんだか、不思議な雰囲気とか、なかなかいいぞ、と思った。

「いくえみ綾WORKS」

2009年08月16日 | 
いくえみ綾WORKS
いくえみ 綾
集英社

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2009年

講談社漫画賞受賞記念だったっけ、今までの作品とか作風とかをまとめた本。
つい買ってしまった♪
一気に読んじゃった♪

北海道出身で、札幌在住なのが、作品からわかって、大学生になって札幌に住んだときに、まんがに描いてあったお店に実際に行ってみて、同じものを注文してみたりしたっけ。わかる人はいるかな?ZAJIのパワードリンクね。今もあるのかなぁ。
同じ北海道出身・在住の漫画家さんとのトークも載ってて、「こういう感覚、道民にはわかるけど、道外の読者はどんなふうに読んでいるんだろう?」っていうところとか、わかるわかる!って思いながら読んだ。

やっぱり、クリエイティブな人は、自分が描いているのではない、みたいなことを一様に言うんだなー。私が目指していて、いまひとつなのは、こういうひらめきがないところなんだろうなーとわかる。なーんてね。

朝倉かすみ「田村はまだか」

2009年08月07日 | 
田村はまだか
朝倉 かすみ
光文社

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2008年

とあるインタビュー記事に作者が載ってて、同じ北海道出身ということもあり、興味をもったので読んでみた。

タイトルがおもしろいね。

冒頭も、「札幌である。ススキノである」で始まって、印象的。
地理がわかる私には付加価値のおもしろさがある。

小学校の同窓会で会った40歳の男女が、3次会の店で、それぞれの思いを抱えて、遅れてくる「田村」を待つ。
というお話なんだけど、意外な展開もあったりして、なかなかおもしろい。
40歳ってもうすぐだなぁーと思った。読んでて、なんだか私もそのメンバーのひとりになった気がした。

他の作品も読んでみようかな。

ミドリ同盟にはぜひ私も参加させていただきたいww

石田衣良「シューカツ!」

2009年08月04日 | 
シューカツ!
石田 衣良
文藝春秋

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2008年

新聞小説だって。

シューカツ=就職活動
優秀な同級生を羨みながらも、元気で明るい女の子が主人公。
なので、読者は入りやすい。

一話完結のエピソードをつなげて、主人公の内定が決まるまで、そしてその活動を通して成長するさまを描く。
一話完結のエピソードなんかは、IWGP系かなーと思った。この人っぽいな、っていう、私の好きな感じ。

いつも、この人はすごいなーと思うけど、書いてる人は年上の男性なのに、読んでて自分の20代の頃を思い出しちゃったから(笑)今回も、すごいなーと思った。
ラストも、なかなか斬新で良い。