*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

別役実戯曲集「マッチ売りの少女/象」(1969)

2023年02月22日 | 
 
またしても、何で読もうと思ったか不明だが、借りる本リストに入ってて、借りてみたのでした。
戯曲、舞台のシナリオかあ。実際にその舞台を上演したりしていたみたい。
2020年に亡くなっているのですね。

不条理演劇
っていうジャンル? があるみたい。
確かに、何か不条理な話ではある。
例えばこの表題作の「マッチ売りの少女」も、あのマッチ売りの少女のからきてるんだけど、全然違う話だった。
えっ何言っちゃってるの?? みたいな話だった。
前衛的、とか言われてたのかねえ?
ちょっと観てみたい気もする。。。

表題作のもう一つの「象」は最後に収録されていた。
寝る前に1日1編読んでたけど、長くて2日にわたってしまった(笑)
広島で被曝して入院している人が、またあの街に戻って、背中のケロイドの見世物をやるんだって言ってる話。


工藤美代子「サザエさんと長谷川町子」(2020)

2023年02月18日 | 
 
どこかで紹介してるのを見たのかな。やっと読む気になった。
ノンフィクション作家による伝記ですね。
最初に、遺骨が盗まれた事件から始まったのが、なかなかセンセーショナル。そんなことがあったのですね。知らんかったな。

長谷川町子さんは1920生まれだから生誕100年だったのですね。
25年生まれの妹さんはまだご健在という。母や姉も90代で大往生。
妹さんの娘さんがパリに住んでてブログや本を出してるみたい。ブログは別に普通のことしか書いてないみたい。同性婚別にいいじゃんで止まってる感じ。しょうがないかー。

すごく分かりやすい女系家族でした。
きょうだいは全員女の子で、父も若くして亡くなり、姉や妹の夫も若くして亡くなり、女性ばかりで生き抜いてきた。って感じ。
それでも、町子の漫画で生きていけるって分かったのが早かったので、お金に困ることはなかったみたい。
むしろ、お金がたくさんあったために? 支え合って姉妹でやってきたのに、家族が壊れてしまった。
この辺は、やはり、正負の法則が働いているんだなと思ったりしてね。

町子は本邦初の女性の漫画家だった。
これは知らなかった。言われてみればそうですよね。
戦前から戦後の、あの時代を、あの時代にしては? 割と軽やかにいった感じなのかなあ? もちろん本人にしか分からないことがあるけども。。。

権利のために訴訟を起こしてるあたりでは、モンゴメリのことを思い出していた。
「アン」の最初の作品が印税じゃなく出版社買い切りだったためにいろいろ権利を侵されて闘っていた。
著作権の問題は今も線引きが難しかったりいろいろあるよね。
こうしてたたかってくれた先人がいるから今があるな。

そうそう、著者は写真など資料を見ながら書いているっぽいけど、
本には全く写真がなくて、美人姉妹の写真見てみたかったな。町子の写真はあったけど、姉や妹のは見つけられない。


吉本隆明「共同幻想論・改訂新版」(1982)

2023年02月17日 | 
 
これ、どこから持ってきたんだっけな?(笑)
吉本氏は、大学のA先生が推してたような記憶もある。
「国家は幻想」って言われると、それだけで、おおってなるね。

しかし、、むずかった。
私って頭悪いんだなと久しぶりに自覚しましたよ(笑)

書き手がその物事を深く理解しているならば、もっと分かりやすい言葉で、誰にでも分かるように書くことができる。
みたいなことをおっしゃってますが、、、
むずかったです(笑)

「序」のところで、この問題に関することをインタビューされたというのを収録してあったんだけど、質問者の頭がよすぎてすごくすごい!
吉本氏の書いてるものを理解してるんだなーと思う。インタビューするなら当たり前だけど。そして、その吉本氏の回答を聞いて、それはこういうことですよね、って理解して、また問いかける、そのキャッチボールがすごい。
今はもうこんなインタビューできる人はいないんだろうなって思った。

国家は共同の幻想である。風俗や宗教や法もまた共同の幻想である。
ということを、国家が成立する以前のことを調べて論じていく。
みたいな本です。
共同幻想とは、個人的な自己幻想、男女や家族間の対幻想、それらを除いたもの。

それを、「遠野物語」の昔話や、「古事記」の神話から引用しながら、我が国のこれらの幻想の起源、国家の起源について考えていく。
みたいな本です。

そこまでは分かったし、それぞれの場面で、うむうむそうかと思いながら読んだけど、全体として、どうなんですか? ってなったときには、よく分からないのでした。
きっと、私が今から自分で考え始めるということなのだろうなって前向きに理解したよ。

何か、解説本みたいのも出てるらしいから、やっぱ単体ではむずいってことでいいみたい。
よかった、みんなもあまり理解していないんだな(笑)

余談。知らなかった話。
海に潜って魚をとる南国の漁師は魚に逃げられないようにいれずみをしてたんだって。魚の柄の。
へええー。となった。


齋藤孝「なぜ日本語はなくなってはいけないのか」(2022)

2023年02月11日 | 
 
友人が読んだって言うから私も読んでみた。
齋藤先生ちょっと左寄りなのが最初気になったけど、でも日本人で日本語が大事だっていう話はとても共感しますよ。
NO JAPANESE,NO JAPANESE!
ですよね。

そうなの。国民性はどこから来るかって言ったら、言語。
日本人らしさは、日本語から来るということ。
だから、日本語がなくなってしまったら、我々の文化もおしまい。
細かい話だと、お国言葉、方言が消えつつあるので、県民性みたいのも薄まってくるのだろうと思われる。
まあ自然に消えてきてるのではなくて、いろいろやられてるんだけどねー。それでもGHQにやられたときに日本語禁止にまでされなかったのはよかったよね。
うちの子みたいに空気読めないのも、日本語のネイティブスピーカーなんだから、すごいことだよ。日本語喋れるってすごいよ。

素読っていいなあ。
意味が分からなくても小さいうちから名文に触れるのは大切なんだって。
これは齋藤先生の「声に出して読みたい日本語」シリーズですね。
うちの子にもやってたらよかったかなあ。もう遅い。

こないだの萌音ちゃんの「アン」の翻訳の本も、関連してくるなあ。
きっと、あの英文を書ける人も今はもういないのだろうなと思う。100年前の文豪のような文章を今の人が書けないように。これはきっとどの言語でも同じなのかもな?

私たちも、例えば今の不倫の話とかを、源氏物語から引っ張ってきてツッコミを入れるとか、まあやるよね。やらない?(笑)
英語圏の人はそれをシェイクスピアでやってるみたいなことよね。


本文にはないけど、これを読んでマスク社会についても考えてみる。
主語がないってとこの悪い部分が出てる気がするなあ。
皆まで言わなくても共通認識としてある。それのいい部分もあるけどさ。ここに関しては悪い部分だよねー。
「強制ではないが皆さんにお願いしています」
「マスクはお餅ですか?」
この辺も、日本語っぽいよねー。
主語がないでしょう。誰がお願いしてるの? 誰がマスクをお餅なの? っていうね。


松本侑子「海と川の恋文」(2005)

2023年02月09日 | 
 
また松本侑子さんの本を読んでる。
内容を知らないで借りた。
小説だった。
青春だなあと思った。
あらすじによると2人の男性の間で揺れ動く女性が主人公で、3人とも大人になって、もうあの頃には戻れないみたいな話。って書いてあったけど、そうではなくて、男性が2人いたけどヒロインはずっと1人のほうを思い続けていたって感じの話だった。
純愛だねえ。
おもしろく読みましたよ。えーっ誤解なのにー! 2人はどうなっちゃうのー? またすれ違ってしまうのー? などなどとね。
携帯のない時代からメール交換できる時代への移り変わりも懐かしく。

章のタイトルが、川にちなんだ言葉で、何か長いしくどいな、、、と思っていたら、
詩からの引用だった。
「アン」の注釈で培ったやつだ。と思ってちょっと嬉しい。


荒井献・大貫隆・小林稔・筒井賢治編訳「新約聖書外伝 ナグ・ハマディ文書抄」(2022)

2023年02月07日 | 
 
ナグ・ハマディ写本については、なかなか興味深くてね。
つい手に取ってしまった。
図書館の新刊置場か、貸し出した本が戻ってきた置場か、そういうとこにあった。昨年出た本だから新刊かな?

今の聖書は改竄されているという話でしょう。
ナグ・ハマディが、そのカットされた部分に当たるのではないか? みたいな話です。簡単に言えば。複雑に言えばそんな話じゃないので、詳しくは専門家を当たってください(笑)
だから、今の聖書にないような論調というか、キリスト教的じゃない話も入ってたりするんだよね。
興味深いね。

まあ、1回読んだだけじゃ理解できないべと思って気軽に読みます。

「神々」とか言ってるのは、唯一神のキリスト教にそぐわない感じ?
でも、最近私が理解したことから考えると、一人一人が神だって話とかね、そこから考えると唯一神ってのはないんだよねー。
「我こそが唯一の神である」と言うことが、ほかにも神がいることを示唆しているんだって。ほえー。

あとは、生まれない者は死なない。みたいな。
魂が不滅ということを理解していると、なるほどなーって思う。確かに、肉体を持って生まれてしまったら、死ぬしかないよね。っていう。そりゃあ、生まれなければ死なないさ。大喜利か!(笑)

アダムとエバが生まれたとこの表現は、なかなか生々しい。そんな昔からそんなにたくさんの臓器が分かっていたの?
360または365人の天使ってとこは、なるほどでした。全方位360度あるいは1年365日ってことかあ。

トマスによる福音書は、
割と聞いた話が並ぶ。新約聖書に、ほかの福音書にも入ってるような話。

よく「グノーシス主義」「グノーシス派」って言われる。
グノーシスはギリシャ語で知識、知ること。
まだよく分からないので書きません(笑)

これだけでは何なので。
目次より。
イエスの知恵
ペトロの黙示録
ヨハネのアポクリュフォン
トマスによる福音書
エジプト人の福音書
ユダの福音書

という文書があって、それぞれ解説文もついていました。
それから、最後に全体の解説も。

興味深いけど、まだ理解が追いついてない感じです。