観測にまつわる問題

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F-Xの評価について

2012-02-12 22:55:52 | 政策関連メモ
FXにF35を選定 最新鋭のステルス戦闘機 42機を調達(2011.12.20 11:02)

>今回の選定で、防衛省は(1)性能(2)経費(3)国内企業の参加形態(4)納入後の支援態勢-の評価基準を設定し、候補機を評価した。

軍事研究2月号「F-35AライトニングⅡ最高点でF-Xに決定!!」青木謙知氏 によると、合計100点で性能は50点、経費と国内企業参画にそれぞれ22.5点、後方支援に5点だったらしい(34p)。このうち、性能・経費・後方支援ではF-35、国内企業参画ではユーロファイターが最高点であったとされている(35p)。

アメリカ製最新鋭機のF-35がもっとも性能がいいと評価されるのは順当だと思うが、気になる点を確認しておきたい。軍事研究3月号「F-35AがF-Xに選ばれた理由」青木謙知氏 は、ステルス性以上に重要なのは、パイロットに高い状況視認能力を与える点にあるとしている。また、設計段階からこの点が重要だと指摘している。しかし、ステルス性能は設計(飛行機の形)だからF-35の優位は決定的だと思うが、高い状況視認能力を与えるセンサー融合技術とインターフェイスの装備に関しては、比較的改修でカバーできる部分が大きそうだ。ユーロファイターは日本の技術の導入を言っているので、日本の技術を磨いていくという選択肢もあったのではないか。

その他、飛行性能はユーロファイターが優れている(売りだ)だろうし、空対地能力は空母を攻撃するミッションなどは考えられるが、日本の専守防衛の理念からすると、何処までという疑問も残る(ただし、本当は某国の基地を攻撃するようなことは考えないと国は守れないのではないか)。

今回の評価でもっとも気になるのは、経費でF-35が最高点とされたことだ。さすがに有り得ないのではないか。最新鋭機はそれだけ経費はかかる(パフォーマンスは性能で評価しているのだから、コストパフォーマンスがいいという話ではない)はずだ。これは青木氏の3月号の記事(30p)によると、購入経費が安いのはF/A-18E、燃料費が安いのはユーロファイター、総合評価ではF-35A(購入経費・燃料費ともに次点で、追加の改修経費が発生しない)ということだったらしい。古い機種が追加の改修経費が発生するとしても、素人目には最新鋭機(F-35)はこれからのコスト上昇が怖いし、結局最新鋭機でも改修はするのではないかと思う(長くは使えるとは思うが)。ブラックボックスフリー(自国で全て改修できる)ことが評価されているかの疑問も無くは無い。多分、コスト面では、単純に購入経費が安いF/A-18Eだったような気もするが・・・。

国内企業の参加形態ではユーロファイターが圧倒的だったはずで、自分は今でも今回はユーロファイターにして、安全保障環境をにらみながら最新鋭機(F-35)を導入していくのが良かったと思うが、防衛大綱で定められている260機の戦闘機に対して4機種は多すぎ、最新鋭機で統一するのが合理的という指摘(3月号 31p)もある。危機の国内防衛産業を守ることは、それほど軽いことではなく、今から(機種を増やして)でも、ユーロファイターを導入してほしいものだと思うが、残念ながら、決まった話でもあるし、これぐらいにしておきたい。