観測にまつわる問題

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揚水発電の意義

2012-04-21 13:21:45 | 政策関連メモ
揚水発電(ウィキペディア 2012-04-21 13:15)

>火力発電においても燃焼炉の温度変化はそれほど好ましくない

>発電効率の観点からは出力を変動(特に低下)させない方が好ましいため、火力発電にとっても揚水発電所は変動を抑え、効率向上になる設備となり得る。

>蓄電池としてみた場合、損失が多く効率が良いとはいえないが、現実的に大容量を持ちうる手段が他に無いため、電力においては最大の蓄電池として活用されている。

最近、原発とセットで何か悪者扱いされることも多い揚水発電だが、実際にはそうでもないようだ。日本では揚水設備比率が10%と先進国中、比較的高い(出典:「脱原発は可能か」山本隆三著 エネルギーフォーラム新書 21p)が、これは夏場のピーク需要が高い日本の特性によるものだ(加えて山がちで揚水発電所建設に適している)と言えるだろう。実際、原発のないオーストラリア・ノルウェーにも揚水発電所は存在するし、原発設備比率がズバ抜けて高い(日本の3倍近い)フランスの揚水設備比率は日本の半分にも満たない。

高温多湿な日本ではどうしても夏場のピーク需要は高くならざるを得ないだろう。「近年では生用需要の伸びが産業用需要を上回っており、気温の影響を受けやすい需要構造となって」(「電力需要の時間的・季節的変動」ATOMICA 2005年データ)おり、この傾向が容易に変るとは思えない。現実的に日本の特性に配慮してエネルギー政策を策定する場合、揚水発電は必要不可欠と言えるのではないだろうか。