デービット・アトキンソン氏の「国運の分岐点」55p、56pのグランドデザインの十か条は大体よく出来ているように思います。ただ、最低賃金全国一律は東京一極集中が加速している現在、保留したいところで(少子化を加速させ、地方を支えるお金を増大させそうです)、継続的な引き上げはいいとして5%かどうかも保留とします。日本はドイツと並ぶ工業国で、イギリス型に生まれ変わるまで行くと間違いのようにも思え、手探りする余地は残すべきではないでしょうか。嫌なら海外に流出すればいい一本槍の弊害は英米でも見られ、今から単純になぞることではありませんが、最低賃金上昇は(内需型ではない)企業を海外に追い出す破壊力があります。
①地方創生のための観光戦略→現在進行している。重要。
②特に人口減少によって消費されなくなる商品の輸出促進→できるに越したことはないとは思いますが、日本は輸出に現状で強いこと(円高を促し輸出を阻害します)に注意すべきのような気がします。日本の主力が工業で業界の少子化対応を考えることが重要というなら、その通りと思います。途上国に輸出する場合は、途上国から何かを買う発想、あるいは日本から労働者に送金させる発想でないと持続性がなさそうです。
③強い中堅企業・大企業の増加→本書のキモでもありそうです。弱い中小企業がブラック労働を促進しているとも考えられ、確実に日本経済を強くしそうです。これはベンチャーと両立するでしょうし、町工場が有する特殊技術を潰していいかは疑問なしではありません(デンソーは強い部品会社ですが、技術に近い判断を軽視してはならないと考えられ、大企業病という言葉もあります)。ただ概ね内需型の一般企業で中小企業が経済にいい理由はなさそうです。また金融緩和は何時かは止めなければならないと考えられ、企業が価格上昇の決断が出来ることが重要ですが、これには寡占化することが重要とも考えられます。
④経営者教育→勉強不足ですが、多分重要。日本人は優秀な兵士を指揮官にする傾向があるようです。欧米は経営者候補に監査で俯瞰する視点を養わせているという話を見たことがあります。論功行賞・信賞必罰とはよく言い間違いではないと思いますが、上と下で求められる能力が違うことを意識しないのは問題含みに見えます。日本でよくいう背中を見せて引っ張る型は説明しないこととほぼ同一であり、説明は上で必要になる能力そのものですが、軽視されているようです。現代日本は地位やポストが評価そのものという傾向がありそうですが、お金や名誉が評価という選択肢をより重視していくべきのように思います。名誉に関連して一部に批判が有り難いとかいう見方もあるようですが、(批判が必要な)上(強いもの)に対して行われず(批判過剰気味の)下に対して行われる傾向があるようで、百害あって一利なしに見えます。間違いを認めると死ぬかのような絶対権力者も多分不要です。ただ昔の叩き上げ創業者は苦労しており、批判的な視点で自分を見れたのかもしれませんが、半ば伝説化しており、久しくそう言われる人は出ていないようです。この場合強いものとは権限があり地位が上のものであり、それ以上でもそれ以下でもありません(中央与党政治家なんかは権限もありますが、国会野党で批判過剰傾向もありそうです)。名誉を認めると、金コネが必然的についてくると考えられ、ブラック経営の大敵とは言えそうですが、成果を認めない経営はありません。
⑤技術の普及による生産性向上。論点はいろいろありますが、基本的には工場がそうであったように、オートメーション化は生産性を上げ、経済を浮上させるでしょう。また業界によっては解雇や採用抑制を促すかもしれませんが、日本全体として人手不足です。
⑥デザイン性の向上→勉強不足ですが、ブランド戦略に関係しそうです。ただ(デザイン)村社会の評価によるデザインに疑義なしではありません。そのデザインが消費者に訴えかけるかではありそうです。
⑦女性活躍→人口の半分を占め重要だと思います。転勤慣行は決定的に女性のキャリアアップを阻害しており、あるいは少子化の原因にもなっているでしょう。退職前提の数年に限った勤務は確実に給与上昇を阻害すると考えられ、外国人労働者も本来的には同じと思われます。
⑧社員教育→何を指していか勉強不足ですが、個人的にはこういう時はこうという基本的なマニュアルがない職場が多く、恣意的なルール設定が横行しているように見えることが気になっています。明快なルールがないことは正確性にかける噂話を暴走させます。恣意的なルール設定は辞めさせたい人を追い込んで「自発的に」辞めさせるには有効な戦術でブラック企業の武器になっているとも考えられます。明快なルールがあると上司をも縛りますが、明快なルール程度に縛られることに耐えられない上司が有能と言えるかは疑問でしょう。為にする議論は否定されますが、為にする権力がパワハラであり、能力があるというより、能力がないように見えます。基準無き印象論の評価も仕事に無用と思われます。基準がないことによる失敗を上が失敗と評価するのも誤りですが、(言い訳と切り捨てられやすく)結構あるようです。多分意見があるなら言ってくれと言えるのが、能力がある上司の条件と言えるのでしょう。逆に口答えするな言い訳するなが口癖の上司は疑問が大きいです。上司には先輩も含みます。細かすぎるルールで何でもルールかの疑問はあるでしょうが、それ自体を議論することも出来、同じ工業が得意でも、ドイツ人はルールばかりらしいので、その意味で問題がないという結論は見えていそうです。暗黙知は日本の強みというより弱みになっているように見えます。それは出来ているからではなく、出来ていないからです。どういうことかと言えば、朝令暮改や皆が言っていることが違うなど恣意的なルールでないルールが横行しています。一致を見せないルールはルールではなく、知でもありません。多分言葉には出来ない微妙な感覚に基づく技術がある町工場は例外なのかもしれません。
⑨最低賃金の継続的な5%引き上げ→数値はともかく、最低賃金を継続的に引き上げることは現代において重要です。企業より消費者の方がよく消費すると考えられます。
⑩全国一律の最低賃金への移行→考察不足でしたが、多分、全国において一番下にあわせるのが最低賃金であり、一番下をどうにかしないと継続的に賃金が上がらないということなのでしょう。つまり東京にあわせて時給千円に全国一律に上げるというような考え方は経済を致命的に破壊することは間違いなく(将来的にはともかく、数年スパンの公約でそれを言っている野党の公約は致命的に誤っているということであり、実行しないのが前提なのかもしれません)、一番下から段階的に上げていかねばなりません。つまり東京においては最低賃金の撤廃を意味するんじゃないかと思います。それで東京が人を集めるために問題なく時給千円払うのであれば問題なさそうです。ただ帰国前提の外国人労働者が東京に多いと考えられ、描いた絵通りに制度が機能するかはよく分かりません。
①地方創生のための観光戦略→現在進行している。重要。
②特に人口減少によって消費されなくなる商品の輸出促進→できるに越したことはないとは思いますが、日本は輸出に現状で強いこと(円高を促し輸出を阻害します)に注意すべきのような気がします。日本の主力が工業で業界の少子化対応を考えることが重要というなら、その通りと思います。途上国に輸出する場合は、途上国から何かを買う発想、あるいは日本から労働者に送金させる発想でないと持続性がなさそうです。
③強い中堅企業・大企業の増加→本書のキモでもありそうです。弱い中小企業がブラック労働を促進しているとも考えられ、確実に日本経済を強くしそうです。これはベンチャーと両立するでしょうし、町工場が有する特殊技術を潰していいかは疑問なしではありません(デンソーは強い部品会社ですが、技術に近い判断を軽視してはならないと考えられ、大企業病という言葉もあります)。ただ概ね内需型の一般企業で中小企業が経済にいい理由はなさそうです。また金融緩和は何時かは止めなければならないと考えられ、企業が価格上昇の決断が出来ることが重要ですが、これには寡占化することが重要とも考えられます。
④経営者教育→勉強不足ですが、多分重要。日本人は優秀な兵士を指揮官にする傾向があるようです。欧米は経営者候補に監査で俯瞰する視点を養わせているという話を見たことがあります。論功行賞・信賞必罰とはよく言い間違いではないと思いますが、上と下で求められる能力が違うことを意識しないのは問題含みに見えます。日本でよくいう背中を見せて引っ張る型は説明しないこととほぼ同一であり、説明は上で必要になる能力そのものですが、軽視されているようです。現代日本は地位やポストが評価そのものという傾向がありそうですが、お金や名誉が評価という選択肢をより重視していくべきのように思います。名誉に関連して一部に批判が有り難いとかいう見方もあるようですが、(批判が必要な)上(強いもの)に対して行われず(批判過剰気味の)下に対して行われる傾向があるようで、百害あって一利なしに見えます。間違いを認めると死ぬかのような絶対権力者も多分不要です。ただ昔の叩き上げ創業者は苦労しており、批判的な視点で自分を見れたのかもしれませんが、半ば伝説化しており、久しくそう言われる人は出ていないようです。この場合強いものとは権限があり地位が上のものであり、それ以上でもそれ以下でもありません(中央与党政治家なんかは権限もありますが、国会野党で批判過剰傾向もありそうです)。名誉を認めると、金コネが必然的についてくると考えられ、ブラック経営の大敵とは言えそうですが、成果を認めない経営はありません。
⑤技術の普及による生産性向上。論点はいろいろありますが、基本的には工場がそうであったように、オートメーション化は生産性を上げ、経済を浮上させるでしょう。また業界によっては解雇や採用抑制を促すかもしれませんが、日本全体として人手不足です。
⑥デザイン性の向上→勉強不足ですが、ブランド戦略に関係しそうです。ただ(デザイン)村社会の評価によるデザインに疑義なしではありません。そのデザインが消費者に訴えかけるかではありそうです。
⑦女性活躍→人口の半分を占め重要だと思います。転勤慣行は決定的に女性のキャリアアップを阻害しており、あるいは少子化の原因にもなっているでしょう。退職前提の数年に限った勤務は確実に給与上昇を阻害すると考えられ、外国人労働者も本来的には同じと思われます。
⑧社員教育→何を指していか勉強不足ですが、個人的にはこういう時はこうという基本的なマニュアルがない職場が多く、恣意的なルール設定が横行しているように見えることが気になっています。明快なルールがないことは正確性にかける噂話を暴走させます。恣意的なルール設定は辞めさせたい人を追い込んで「自発的に」辞めさせるには有効な戦術でブラック企業の武器になっているとも考えられます。明快なルールがあると上司をも縛りますが、明快なルール程度に縛られることに耐えられない上司が有能と言えるかは疑問でしょう。為にする議論は否定されますが、為にする権力がパワハラであり、能力があるというより、能力がないように見えます。基準無き印象論の評価も仕事に無用と思われます。基準がないことによる失敗を上が失敗と評価するのも誤りですが、(言い訳と切り捨てられやすく)結構あるようです。多分意見があるなら言ってくれと言えるのが、能力がある上司の条件と言えるのでしょう。逆に口答えするな言い訳するなが口癖の上司は疑問が大きいです。上司には先輩も含みます。細かすぎるルールで何でもルールかの疑問はあるでしょうが、それ自体を議論することも出来、同じ工業が得意でも、ドイツ人はルールばかりらしいので、その意味で問題がないという結論は見えていそうです。暗黙知は日本の強みというより弱みになっているように見えます。それは出来ているからではなく、出来ていないからです。どういうことかと言えば、朝令暮改や皆が言っていることが違うなど恣意的なルールでないルールが横行しています。一致を見せないルールはルールではなく、知でもありません。多分言葉には出来ない微妙な感覚に基づく技術がある町工場は例外なのかもしれません。
⑨最低賃金の継続的な5%引き上げ→数値はともかく、最低賃金を継続的に引き上げることは現代において重要です。企業より消費者の方がよく消費すると考えられます。
⑩全国一律の最低賃金への移行→考察不足でしたが、多分、全国において一番下にあわせるのが最低賃金であり、一番下をどうにかしないと継続的に賃金が上がらないということなのでしょう。つまり東京にあわせて時給千円に全国一律に上げるというような考え方は経済を致命的に破壊することは間違いなく(将来的にはともかく、数年スパンの公約でそれを言っている野党の公約は致命的に誤っているということであり、実行しないのが前提なのかもしれません)、一番下から段階的に上げていかねばなりません。つまり東京においては最低賃金の撤廃を意味するんじゃないかと思います。それで東京が人を集めるために問題なく時給千円払うのであれば問題なさそうです。ただ帰国前提の外国人労働者が東京に多いと考えられ、描いた絵通りに制度が機能するかはよく分かりません。