観測にまつわる問題

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失われた通貨の補充

2020-04-14 06:18:09 | 経済財政
 新型コロナウイルスの経済対策ですが、借金で経済対策をするのはどうかという考え方は当然あろうかと思います。しかしこのまま何もしないと莫大な金が帳簿上からただ消えてしまうのも事実です。ですから失われた通貨を通過発行権がある国が補充するという考え方はあるのかもしれません。これは借金の勧めというより(借金では返さないといけないのであって通貨の補充にならないと考えます)、失われるものを維持する錬金術の勧めであり、雇用を維持する企業に対して、報酬を国が肩代わりして、なおかつ国が負担しないことが出来ないかという思考実験でもあります。
 もう既に緊急対策は打っています。だから当面は大丈夫でしょう。しかし融資された企業に借金は残ります。これが日本経済にとって深手になるのは必至ではないでしょうか?新型コロナウイルスだから仕方ないと諦める必要は実は国には無いのかもしれません。紙切れをお金に変える魔法の杖を持っているのですから。無論、これは新型コロナウイルスのようなとてつもない経済禍に限られる方策だと信じます。政治に魔法の杖を持たせると、際限なく使ってしまいそうなのも確かです。江戸時代には棄捐令(徳政令)が社会を混乱に陥れました。と言いますか、徳政(借金チャラ)を要求した土一揆に突き上げられ、室町幕府が徳政を乱発して、一時代が奈落の底に落ちたようです。つまり、借金は返されるべきであって、どこぞの国に消費税廃止、奨学金チャラを掲げるポピュリズム政党があるようですが、そういうことを容認していい訳では全くありません。しかし借金する相手が日銀だったら、どうでしょうか?日銀は金を返してもらってどうしようというのでしょうか?国から利子を取るのでしょうか?通貨を発行しているのは自分なのに?ここで注意すべきはお金の総量であり、社会の安定性です。今の危機において、お金がただ失われており、社会の安定がただ損なわれています。これを補う意味のみで伝家の宝刀を抜いていいのではないかと思う訳です。日銀には独立性があり、それは犯されると別種の問題が否定できませんが、この危機にあたっては自発的な協力も得られるかもしれません。
 ここで必要なのは世界での協力です。安易にこういうことを言うと、通貨をただ発行すればいいというような〇〇殿様が世界を混乱に落としれることが、容易に想像されるのは確かと思います。しかし、そういう方がいらっしゃる国はハイバーインフレで苦しめばいいのであって、例えば財務大臣・中央銀行総裁会議で伝家の宝刀を抜くこと、その具体的な政策・範囲等を決めればいいのではないかと思います。抜け駆けは許されません。単独での通貨の乱発は近隣窮乏化政策そのものであって、世界全体の不利益であり、不公正そのものだからです。
 別に安倍政権がどうこうでこういうことを書くのではありませんが、今のままでは日本経済も世界経済も間違いなく奈落の底に落ちる情勢ではないかと考えます。短中期で新型コロナウイルス騒動が収束したとしても、その深い爪痕が後々まで世界経済を苦しめるのは間違いなさそうで、世界主要国の指導者の頭の中にこういうプランがあって、今の対応なのではないかと推測する次第です。