きむらゆういちさんとあべ弘士さんの絵本、「あらしのよるに」
1994年にシリーズ1作目が発売以降多くの賞を受賞し、
累計発行部数350万部を超える名作です。
嵐の夜に、逃げ込んだ真っ暗な山小屋で出会ったオオカミとヤギ、
「食べるもの」「食べられるもの」がお互い正体を知らないまま不思議な友情が生まれます。
2作目「あるはれたひに」
お互いの素性を知りそれでも、友情をたしかめ合うオオカミとヤギ。
獲物のヤギを目の前に狼の本能と葛藤する様子が愛おしいお話、
そして、別れ際のオオカミの言葉「こんど、いつ あうっす?」が最高!
物語も素晴らしいけれど、この本の絵の魅力に惹かれます。
あべさんの墨絵やスクラッチ技法で描かれる物語の世界が素敵です。
交わるはずのない者同士の出会い、二人の決断、行動・・・
大人も楽しめる童話、集団社会とは、自分の生き方とは、友情、信頼、
考えさせられることの多い物語でした。
2005年、7作目の「まんげつのよるに」で11年越しに完結しました。
あらしのよるに描かれる山の光景が素敵です。
夜明け前の星空、夕焼け、霧に包まれた日、土砂降りの谷川、
吹雪、雪崩、そして二人の最後は満月の岩山・・・
シリーズの7作とは別に特別編「しろいやみのはてで」
風吹に閉じ込められた二人の回想でつづられるこの本もおすすめ。
この間は孫のNちゃん、中学生と一緒に読みました。
Sちゃんはまだ4歳、
もう少し大きくなったら読み聞かせたいと思います。