《高校へとつながる学びの形》
学びの「見えやすい形」から「もっとも遠くにいる」子どもが教えてくれたこと。
「重度知的障害」と呼ばれ、高校や大学の「学び」から、もっとも遠い子だと思われてきた子どもたち。いま、この子たちが次々と高校を目指す。
北海道から沖縄まで、高校に行きたいと表現し続ける子どもがいる。
35年前に東京の二人から始まった流れは確実に日本全土に広がった。
この流れを止めることはできない。
《全国共通の「確かな学び」》
「定員内不合格」の問題が、全国に広がってきたということは、つまり、小中学校に「確かな学び」があったということ。
その「確かな学び」の成果が、誰の目にも見える形で、広がってきた。
「ふつう学級」の義務教育に「共通」の、「確かな学び」があるという証だとおもう。
そうでなければ、まったく違う地域、違う学校で、「言葉を使わない」子、「テストは0点ばかりだった」子が、こんなにも「もっと学び」をと、声をあげるはずがない。
ふつう学級にいることで「何も学べない」が真実なら、
ふつう学級にいても「何も分からなくてかわいそう」が真実なら、
35年の時を経て、「点数の取れない子」が次々と高校を目指すはずがないのだ。
35年の時を経て、「点の取れない子」の親が次々と高校を目指す
《新しい学びの形》
6歳のころ、「45分座っていられるかしら」と心配された子が。
「いじめられないかしら」「友だちができるかしら」と心配された子が。
「小学校で0点ばかりなのに、中学生になれるかしら」と心配された子が。
「高校に行く」という。
そしてまた、高校生になった子、高校を卒業した子たちが、こんなにも自信と誇りにあふれて生きている。
私たち古い大人が、国語や数学といった「学び」、字が「読める」、言葉が「話せる」、という「形」でしか、学びを理解していなかったのだと思う。
《さて。》
さて。私は何を言っているのだろう?
私の言葉が通じるのは、「言葉を使わない子」と生活したことのある人だけだろう。
そのことが、この文章の確かさを証明することなんだろうな。
高校の先生や校長に、「通じない」訳だ。
彼らも、私たちも、体験したことのない、新しい「学び」の話なんだな。
さて、新しい「学び」の中身を言葉にできるかな。
(つづく)
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