敬意と保護。
大切におもう気持ちそのものと、
大切におもうが故の心配と。
それがどんなに真摯であれ、誠実であれ、「子ども」が生きていく日常の、壁になることもある。
もう何十年もひっかかってきて、いつもいつも気持ち悪い、気味が悪いと感じててきたことばの意味が、ようやく分かった。
「親亡きあと…」という言葉。
その言葉がふつうに話し言葉としてあり、特に「障害児」の親の周辺で使われるときの、社会の「理解」の仕方を含め、
その文化そのものが、こどもへの理解と敬意の足りない文化そのものだと知る。
重度の知的障害といわれ、言葉の理解もなくIQや精神年齢が0歳だと1歳だとか言われる子どもが、20代、30代を生きるとき、そうした文化そのものをちゃんと理解し、苦しみあがいている姿がみえる。
障害を「障碍」や「障がい」に変えることよりも、「親亡きあと…」などという言葉が、いかにこどもへの敬意のない言葉であり、その言葉で心配される人をどれだけ追いつめるかに、気づくべきだと思う。
この言葉こそ、最悪の「赤ちゃん扱い」の一つだと思う。
誤解のないように。
親が、自分がいなくなったあとの、わが子(それが成人していようと)の人生を気にかけることが変だというのではない。
私自身、癌の手術をしてからのこの2年間、心の中を占めてきたのは、自分の死よりも娘の存在そのものだったから。
でもそれはあくまでも、「親」の立場、「親」のおもい。
20代、30代、で親に「暴力」をふるうしかないところまで追いつめられて「子ども」たちのおもいは、その親のおもいは十二分に分かったうえで、親がいることそのものの日常という「壁」に苦しみあがいているようにみえる。
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