【ようこそ 2020就学相談会へ】(その12)
《「ふつう学級」と「援助ホーム」の話》
《援助ホーム》
援助ホームは、何をする場所だろう?
「自立を援助する」って何だろう?
親も家もないのだから、施設を出れば「一人」で生活するしかない。
だから「一人で自立する生活」を目指す。
「一人で生きていく形」は見えやすく、目指しやすい。
でも違った。
それだけじゃ足りない何かがある。
ホームの子には、「ふつう学級は無理」と言われる「障害」はない。
自分でアルバイトを探して、面接して、決めてくる。
「できる・できない」でいえば、「できる」。
だけどそれだけじゃ足りない何かがある。
「できる」を、支える何かが大切だった。
□
大切だったのは、「一人で生きる」と「一人じゃないを生きる」の両方の調整を学ぶということ。
自分の人生と生活を、自分でつくる覚悟。
「一人じゃない」、「誰かと生きている」実感を、自分に気づくこと。
「安心できる大人」との調整を経験しながら学ぶこと。
《ふつう学級》
ああ、そうか、「ふつう学級」も同じだった。
学校は何をする場所か?
ふつう学級でこの子たちは何を学んでいたのだろう?
文字を覚える。学力を上げる。技術を習得する。
学力も手に職も、「できる形」は見えやすく目指しやすい。
でも違った。
「できる」を、支える何かを学ぶことが、「できる」以上に大切になる子もいる。
□
《見えない子》
大切なのは、「見えないで生きる」と「一人じゃないを生きる」の両方の調整を学ぶということ。
「見えないままで生きる」人生と生活を、自分でつくる覚悟。
「一人じゃない」、「誰かと生きている」実感を、自分に気づくこと。
「安心できる見える人」との調整を経験しながら学ぶこと。
□
《聞こえない子》
大切なのは、「聞こえないでいきる」と、「一人じゃないを生きる」の両方の調整を学ぶということ。
「聞こえないままで生きる」人生と生活を、自分でつくる覚悟。
「一人じゃない」、「誰かと生きている」実感を、自分に気づくこと。
「安心できる聞こえる人」とも調整を経験しながら学ぶこと。
□
《動けない子》
大切なのは、「動かない身体で生きる」と「一人じゃないを生きる」の両方の調整を学ぶということ。
「動かない身体で生きる」人生と生活を自分でつくる覚悟。
「一人じゃない」「誰かと生きている」実感を、自分に気づくこと。
「安心できる動ける人」との調整を経験しながら学ぶこと。
□
《言葉を使わ(え)ない子》
大切なのは、「言葉を使わないで生きる」と「一人じゃないを生きる」の調整を学ぶということ。
「言葉を使わないで生きる」生活と人生を自分でつくる覚悟。
「一人じゃない」、「誰かと生きている」実感を、自分に気づくこと。
「安心できる言葉を話す人」との調整を経験しながら学ぶこと。
(つづく)
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