教育放棄
《映画・きっといい日が待っている》(おまけ)
「ディレクターズ・ノート」の言葉を紹介するのを忘れていた。
【本作は、1960年代に実際にあったデンマーク人の孤児たちの話だ。彼らが受けたような教育放棄があったという事実が広く知られる日が来ることを願う。】
「教育放棄」という言葉が新鮮だった。
私たちは、1985年の運動以来、「定員内不合格」という言葉を使ってきた。
「定員内不合格」をなくし、「希望者全入」を求めてきた。
だけど、今年の要望書を書くとき、「不合格」という言葉を使うのがとことん嫌になった。
進学率が99%まできてしまうと、「高校で学ぶのに必要な最低限の学力」を比べることに意味があるのかと思えてくる。中学の成績が1位から98位の生徒は、高校で学ぶ「学力」があって、99位の生徒は、「学力が足りない」と、本気で思っているのだろうか?
しかも定時制では、「面接・作文」だけというところもある。
それで、障害のある生徒を「定員内」で「不合格」と、判断する。
ここまで来ると、もうイカサマが露骨すぎて、イカサマにもなっていない。
もはや「不合格」ではない。
いや、もともと「不合格」ではなかったのだ。
生徒が「不合格」だったのではない。
先生が「教育放棄」してきたのだ。
定員の空いている学校が、「教育」と「生徒」を放棄してきたのだ。
そして、たぶん、自らの尊厳のいくらかも。
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