ワニなつノート

自分の「呪い」を解くための100のメモ⑲

《「より多くのケアを必要とする」子ども》

          □

3歳の子どもの「はじめてのおつかい」と、「障害のある子」のふつう学級は、同じ世界だと思う。

何が同じか。

 

まず、この子が「いること」から始まること。

 

それは「この子を透明(いないこと)にしない」ということ。

ここに、「孤立化・無力化・透明化」の呪いを解く鍵がある。

 

         □

たとえば、「重度障害のある子」を、「より多くのケアを必要とする子」と言い換えてみると、同じがみえる。

なぜなら、「3歳の子」も、「より多くのケアを必要とする子」だから。

 

「はじめてのおつかい」は、「3歳の子」にお金の計算を教えようとはしない。ひらがなや地図の見方を教えようとする人はいない。

コミュニケーションの方法を教えてから、会話しようとする登場人物は出演しない。つまり、この子を変えよう、直そう、とする人のいない世界。

 

そこにいる大人はいつも、目の前の子どもと真摯に向き合い、なんとか「対話」しようとする。

《子どもと対話していたら、直そうという考えは浮かばない。ただ、子どものなぜに答え、子どもの知りたいこと、やってみたいことに応えるだけ》

 

そこには「つながりの安全」があふれている世界がある。

泣きながらも、自分の「やり遂げる意思」を大事にされる、子どもの安心がみえる。

 

《そこに対話があれば、直そうとは思わない》

 

    ◆       ◆       ◆

※『person with severe disability=重度障害者』⇒ 医学モデル

※『those who require more intensive support=より多くの(集約的)サポートを必要とする人』⇒ 人権モデル

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