《「足の裏」のその先で支えてくれるもの》
「つながりの根」という言葉を繰り返しているうちに、思い出したのが「足の裏にも聞いてあげなさい」という言葉だった。
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「ぼくは12歳」という詩集を読んだのは、私が16歳の時。そして、自死したその子の父親として高史明さんを知った。講演会を聞いたのは二十歳のころ。一つだけ覚えているのが、「死にたいと考えるときには、頭だけに聞かないで、足の裏にも聞いてみなさい」という言葉だった。
「365日、毎日、黙って支えてくれている足の裏にも聞かないと、失礼でしょう」というように聞いた。いつもは忘れているが、たまにお風呂で足の裏をマッサージしていると、その話を思い出す。
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で、「答え合わせ」だ。
ふつう学級という森のつながりの根は、「足の裏」のさらに深いところで、私を支えていたのだと思う。
足の裏をみても根は生えていない。でも、確かに、その先に、つながりの安全という根があると感じるようになった。