ワニなつノート

体罰という暴力と、暴力団のような教育委員会


宮城県教委:骨折・鼓膜破る体罰、
懲戒にせず 県立高教諭



毎日新聞 2013年04月27日 


 宮城県の県立高校に勤務する30代の男性教諭が昨年8月までの2年間に2度にわたり、男子生徒を殴ったり蹴ったりして2人に骨折などのけがをさせながら、県教委が「いずれも軽傷で反復性がない」として、懲戒処分より軽い訓告処分にとどめていたことが26日、県教委への取材で分かった。

県教委の基準は体罰の処分について、反復性があった場合には懲戒処分にするとしている。専門家は「身内に甘い対応で、社会常識がない」と指摘している。


 県教委によると、教諭は2010年9月、高校の授業中に寝ていた当時2年生の男子生徒2人の左ほおなどをたたき、うち1人の鼓膜が破れた。もう1人にけがはなかった。
報告を受けた県教委は11年2月、訓告処分とした。

 さらに教諭は12年8月、県外への宿泊を伴う研修旅行中に、朝の集合時間に遅れた当時1年生の男子生徒3人を蹴り、うち1人が左腕手首を剥離骨折した。
残る2人にけがはなかった。


 県教委の基準は、体罰事件の場合、生徒らにけががないか軽い場合でも、過去に体罰で措置処分(訓告、文書厳重注意、注意)を受けていたり、反復性が認められたりする場合には懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)にすることを原則としている。

しかし県教委は2回目の体罰についても訓告にとどめた。
文部科学省が26日に発表した体罰の実態調査結果には2回目が含まれているが、懲戒処分ではないため県教委は公表していなかった。


 県教委は2生徒からの聞き取りに基づき「軽傷」と判断したという。

教諭は県教委の調査に対し「また体罰を行い未熟だと思っている。二度と行わない」と答えているという。

 懲戒処分にしなかったことについて県教委教職員課は「けがという事実はあったが動機やその後の対応、普段の勤務態度などを総合的に考慮し、懲戒には至らないと判断した」としている。

また「反復性とは年に何回もした場合」との認識も示した。

【山越峰一郎】

              

《体罰という暴力と、暴力団のような教育委員会》


この記事を読んで、教育委員会というのは、暴力団のようなものなのかと思いました。

生徒の鼓膜を破っても、骨折させても、「軽傷」だという。
「反復性とは年に何回もした場合」だという。

「軽傷」で「反復性」がなければ、「きみ、気をつけなさい」という注意ですむというなら、私は、年に一回、この処分を行った人たちに、「軽傷」を負わせたいと思う。

そのあとは、ちゃんと「反省」して「もうしません」と言っておけばいいのです。
普段の仕事を真面目にして、「来年までは反復しない」ことにすればいいのです。


         ◇

昨日、県の虐待防止の研修会に参加しました。
事例検証は、私の住んでいる市で、2年前に、両親の虐待により2歳の子どもが「餓死」し、5歳の姉が衰弱して保護された事件についてでした。

2歳の子どもが餓死する何年も前から、市の児童育成課や保健所や児童相談所が関わり、幾度も会議を重ねていながら、なぜ事件を防ぐことができなかったのか。
事件の事例を検証(第3次答申)をもとに説明がありました。

子どもへの虐待や暴力をなくそうという取組の一方で、公立の学校現場で、子どもを骨折させても「軽傷」=「たいしたことはない」と判断する教育委員会があるということ。

「公の場」である学校での「暴力・虐待」を教育委員会が認めていたら、児童虐待がなくなるわけがないだろうと思います。

学校での教師の暴力や暴言が許されたり、ごまかされたりし続けるなら、被害にあった子どもやそれを見て育つ子どもたちに、「子どもをたたいてはいけない。子どもには安全に、安心して育つ権利がある」んだということが伝わるわけがないと思います。

いじめの問題も、子どもの問題として語られることが多いですが、体罰で自殺した高校生の事件以来、次々表に出てくる学校内の環境を見れば、子どもたちは「いじめの方法」を、親や先生から学んでいるのだと分かります。

大人が子どもを骨折させても、鼓膜を破っても、公の教育委員会の偉い人たちが、「軽傷」と判定し、「1年に1回くらいはまあ許される」というのなら、この社会は、子どもへの虐待を子ども差別を、公認していることになります。


ごく最近の新聞記事だけでも、以下のようなものがあります。

この社会は、明らかに「子ども差別」のある社会だと思うし、「子ども差別」という認識すらない社会なのだと分かります。







         ◇


■産経新聞 4月27日(土)

指導を受けても体罰を繰り返す悪質なケースも報告された。
 ある小学校の教諭は、特別支援学校の男子児童に拳で頭部を圧迫するなどの体罰を繰り返し、校長から指導を受け、保護者に謝罪した後も、児童をからかう発言や脅かす行為を続けた。


■朝日新聞デジタル 4月26日(金)
免職は2人で、桜宮高校の男性と神戸市立小学校の男性。

神戸市の男性は、知的障害のある児童をたたいたり、カッターやはさみを見せ、「おなかを切って(給食を)入れた方が(食べるより)早いのと違うか」と暴言を浴びせたりした。


■(2013年4月23日 読売新聞)

 金沢検察審査会は、生徒の体を触った疑いで書類送検された石川県内の中学校男性教諭(54)を金沢区検が不起訴(起訴猶予)としたことに対し、不起訴不当の議決をした。

 議決要旨などによると、教諭は昨年7月18日、金沢市の飲食店駐車場で、勤務する中学校の3年生の女子生徒(当時14歳)の胸を服の上から触ったとして、昨年10月、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された。

金沢区検は12月に起訴猶予とした。




小2担任、いじめ誘うような発言で勤務外される


2013年4月18日 朝日新聞

東京都調布市立小学校の50代の女性教諭が昨年、担任していた2年生の学級で、複数の児童へのいじめを誘発するような言動をしたとして、同校の勤務を外されていたことが分かった。
体調を崩した児童もいたという。


 保護者や市教委によると、この教諭は、給食の時間に特定の児童に
「1人前もらうのやめてくれる? ○○さんの、少なくしてくれる? いつも迷惑だから。ねえみんな? 迷惑だよね」
とクラス全員に同意を求めていた。

この児童には
「○○さん、髪の毛、触らないでくれる? 気持ち悪いから」
とも発言した。

別の児童には
「動物じゃないんだから、言葉で質問されたら言葉で返そうよ。反応が遅いのはだめだよ。人間やめて下さいと一緒だよ」
と発言していたという。

この児童がよそ見をした際には、クラス全員に対して謝らせたうえで「いいよと思っている人、いい加減にいやだな、と思っている人」と全員に手を挙げさせたという。


 昨秋、子どもが登校を渋るのを不審に思った保護者が児童にボイスレコーダーを持たせて授業の様子を録音し、発覚した。

市教委は今年1月、「暴言など子どもの人権にかかわる不適切な指導があった」として都教委に報告。
同校勤務から外して研修させた。

懲戒処分には当たらないとの都教委の判断を受け、担任は持たせない条件で3月末に同校に復帰させたが、保護者が反発。
学校は教諭を再び学校勤務から外すことを決めた。

18日に全学年の児童の保護者に説明する。

市教委は、「場面によっては、いじめを誘発するような発言もあった。厳正に対処する必要があると考えた」としている。

この教諭が担任を務めていた児童の保護者の一人は「先生が先頭になって、いじめをしていた。人間として許せない」と話す。

児童は昨年4月ごろから、家で急に泣き出すなど情緒不安定になったという。
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