《校長が教育委員会に宛てた文書》②
おもしろい資料。つづき。
前回の5年後の文書。校長は代わっています。
◇
【本校定時制生徒特別指導のための非常勤講師配当に関する経過報告
ならびに今後の措置のお願い】
1 これまでの経緯
(1)講師時数配当の経過
昭和62年度入学のA(多動性自閉症)の特別指導措置として、介助を目的とする講師時数を特別に配当していただいて以後、平成5年度まで、様々な障害をもって入学してきた下記の生徒に対応する為、年度毎に以下に示す講師時数を特別指導措置として配当していただいた。
昭和62年度…A入学(多動性自閉症) …24時間
昭和63年度… …14時間
平成元年度…B(特例措置による入学)(脳性麻痺) …8時間
平成2年度…A卒業 …8時間
平成3年度 …8時間
平成4年度…B卒業 …10時間
平成5年度…C(特例措置による入学 …12時間
(2)講師時数活用の実態
本校では様々な障害をもつ生徒にたいしても、学校生活を送る上でできるだけ自立を促す方針を基本として、その指導にあたってきた。その結果、上記の生徒達は年度を追う毎に、学校生活に順応していく成長をみせ、無事進級卒業の目的を達成しつつ、今日に至っている。
しかしこうした指導は、学校生活全般にわたってこれらの生徒の介助にあたった講師の存在を抜きにはなしえなかったといわざるをえない。介助にあたった講師の上記生徒との“心の交流”を尊重した介助と適切な対応があったればこそである。
又、介助者が“はりつく”ことによって諸々の場面で問題が大きくなるのをさけることができた(体育での授業、行事での事故、理科実験の失敗、いじめ等)ことは、多くの教職員が目撃してきたところである。(平成5年度、心身障害傾向の生徒3名卒業)
2 平成6年度 介助を要する生徒の実態
平成5年度特例措置により入学したCが2学年に進級する。入学後の成長は著しいものがあるが(登校が可能、友人と少しずつ会話できるようになる)、まだまだ指示に反応することが極めて遅く、一人で授業に参加することは困難である。コミュニケーションの力を獲得する為に、更に体育、理科、英会話など実技や実験を要する授業への参加を可能とする為に、介助者の援助がひき続き必要である。
更に近年著しい傾向であるが、本校には自閉症、情緒障害、不登校など、様々な心身障害傾向をもち、養護学校や特殊学級から入学してくる生徒がかなりの数にのぼっている。
(入学してくる数は毎年10名を下らず、平成6年度も23名が在籍する。(養護学校2名。チャレンジ学級なでしこ学級など特殊学級21名)
しかし、そうした生徒のほとんどに進級、あるいは卒業の目的を達成させている。
担任の努力もさることながら、こうした生徒に対しても、その経験を生かし、諸々の場面で適切な指導にあたった介助者の存在が大きい。
養護学校と異なり、数限りある教職員の目の届かぬところから発生する様々な問題(体育の授業や実技、実験を要する授業=理科・家庭での事故、いじめ、不登校、就労指導、進路決定など)について、介助者の敏速かつ適切な措置・指導が必要であることは6年度も変わりない。
3.講師時数配当のお願い
様々な障害をもちつつも、本校での就学を希望する上記生徒ならびにその保護者の要求に少しでも応えていく為に、特別指導措置として昨年同様12時間の講師時数を配当いただけるよう切にお願いする次第である。
◇
昨日と同じことをくり返すが、これは平成5年に、高校の校長が教育委員会に提出した文書です。
今から25年前の「定時制高校」に、『養護学校や特殊学級から入学してくる生徒がかなりの数にのぼって』、『入学してくる数は毎年10名を下らず、平成6年度も23名が在籍する。(養護学校2名。チャレンジ学級なでしこ学級など特殊学級21名)』。
そして、『そうした生徒のほとんどに進級、あるいは卒業の目的を達成させている』と書かれています。
1年生は5クラスの『全都最大定時制』で、先生の数も少なくはありません。
その時代、先生たちはどうして、「そうした生徒」たちを受け入れ、「進級、卒業の目的を達成」させることができたのか。やっぱり、ちゃんと聞いてみたい気がします。
そこで、
『学校生活全般にわたってこれらの生徒の介助にあたった講師の存在を抜きにはなしえなかったといわざるをえない。』
『介助にあたった講師の上記生徒との“心の交流”を尊重した介助と適切な対応があったればこそである』
と書かれている「介助者」も一月の集会に登場 (・。・)?!
お楽しみに(^^)v
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