ワニなつノート

【業務連絡:沖縄・広島・ちば・その後】(4)


【業務連絡:沖縄・広島・ちば・その後】(4)
 《二つの「先延ばし」》


B《自分の納得のための「先延ばし」》



Aで「先延ばし」はよくない、と書いた。
でも、間違わないでほしい。よくないのは、《本人の納得を飛び越えた「先延ばし」》であって、「先延ばし」そのものではない。

「先延ばし」そのものは、とても大切なことだ。

なぜなら、いつだって「理解は後からやってくる」ものだから。

人の気持ちや行動をすぐに理解するのは、難しい。
親子でも恋人でも、時間をかけて話したり、つきあったりしながら、だんだん分かってくるものがある。


それは「自分とのつきあい」でも同じこと。

いますぐに理解できないこと、飲み込めないこと、ついていけない、と感じるときには、「いったい、自分には何が起こっているのか」を立ち止まって、辺りを見回し、探り、確かめることが必要なのだ。

そうして自分の身体でまるごと確かめてからでないと、納得して動くことはできない。



「自分に、先延ばし、させてあげる」こと。

「理解できないまま」の自分で、
「飲み込めないまま」の自分で、
「ついていけないまま」の自分で、
安心できる縄張りを確かめるために。「自分に何が起きたかを納得しながら生きる」ために。



就学相談会で聞かれる不安の中に、「45分座っていられるか…」という定番がある。

「日光猿軍団に入るわけじゃないし、本当はそんなことのために学校に行かせたいと思っているわけじゃないんでしょ」という言葉は飲みこみ、丁寧に話す。


なぜ、そこに座っていなければならないのか。みんな、そこに座って何をしているのか。そこに座っていることで、何か楽しいことや、面白いこと、学ぶ意味が見つかれば、誰でも座るようになる。

実際、親が心配する子のほとんどは4月中には座る。
残りの子は、1学期の終わりか、2学期の初め、長くて1年生の終わりには座るようになる。


ときどきつわものがいて、2年生とか3年生まで自主探検を楽しむ子もいる。やっちゃんは3年生まで、自分で「先延ばし」た。まぁ、オリンピックやサッカーのワールドカップの単位で考えればいいのだ。次までには、なんか変わってる。(=゚ω゚)ノ


自分の納得を、自分に待ってあげることはとても大事なこと。

子どもが「自分に何が起きているのかを一つひとつ納得しながら生きるため」には、自分で自分を待ってあげること、つまり、自分の納得を「先延ばし」することが大切なことなのだ。


「あらゆる人間は待ってもらうことが一番大事なんです。生き物ですからね」(石川先生の言葉)



                ※


(ほとんどの子どもは最初から、自分の要求よりも、先生の要求を優先してあげているだけなんじゃないかな。)


(だから、先生の要求よりも、自分の何かを大事にして、「先延ばし」して、「何か」を待っている「不登校」の子どももたくさんいるのだろう。) 


(障害児と違って、45分座っていられるかと「心配もされず」「黙って座っている」ところから始まる学校生活。それはそれで、よい子も大変だ。もし言葉にしていいなら、「わたしは猿軍団に入ったつもりはないんだけど」って言いたい子もいるだろうな。)( `―´)ノ(つづく)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ようこそ就園・就学相談会へ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事