ワニなつノート

『普通学級の障害児のために知っておきたい大切なこと』(その9)

『普通学級の障害児のために知っておきたい大切なこと』(その9)


⑤《子どもの作品》


りさちゃんが2年生になって初めての授業参観の日。
教室前の廊下に子どもたちの絵が貼られています。
壁いっぱいに貼られた絵の中で、お母さんやお父さんの笑顔があふれています。
子どもたちの絵の表情につられて、お母さんお父さんの笑顔があふれます。



《遅れを招く環境的対応》

一年前、お母さんは30枚の絵の中から、りさちゃんの絵を探しましたが、すぐには見つかりませんでした。
そこで絵の下に書かれた「名前」をたどって、その絵を見つけたとき、お母さんは少し悲しい気持ちになりました。
それはお母さんが知っている「りさの絵」ではありませんでした。

よく見ると、下の方に「りさちゃんのまま」と、子どもの文字がみえます。
りさちゃんが画用紙の端にぐじゃぐじゃの線しか描かないので、先生がとなりのまきちゃんに、りさちゃんのお手伝いをしてあげてね、と頼んだのでした。

まきちゃんは、いつもりさちゃんのことを気にかけてくれます。
自分の連絡帳を書いたあとに、必ずりさの連絡帳を書いてくれます。
折り紙も二人分折ってくれます。
りさちゃんは、いつもクシャクシャの折り紙ときれいな鶴を持って帰ります。

お母さんは、その両方をタンスの上にかざっています。
だから、まきちゃんの気持ちはとてもうれしく思います。
でも、やっぱりその絵の前で、笑顔にはなれませんでした。


《子ども自身の適応行動を促す対応》

りさちゃんは絵を描くのは好きですが、2年生になっても少しも上手になりません。
ドラえもんも犬もネコもうさぎも、どれも同じ○と‥に見えます。

りさちゃんが2年生になって初めての授業参観の日。
お母さんが探すまもなく、りさちゃんの絵がみえました。
廊下には、遠くからでも一目でわかる、その絵が貼ってあります。
隣のクラスの男の子が、なんだこりゃーと、こけながら通っていきます。

お母さんは、みんなの絵を見比べて、他の子どもたちの成長に驚きながら、でもそこに○と‥の絵が並んであることがうれしくてしあわせな気持ちでした。

家に帰って、「アンパンマンの絵、上手だったね」というと、りさちゃんは、「お母さんだよ」と教えてくれました。

コメント一覧

ishizaki
普通学級が子どもには、絶対いいというのはとってもわかります
子ども達を見ていても本当にそう思います。

けれど、yoさんがいうように、障害のある子どもが普通にみんなと一緒に普通学級で過ごしたり、進級、進学、社会生活を送っていくにはいっぱい『壁』があります。

あまりにもいっぱい『壁』があると、親も折れちゃいます
支え合う仲間がいてこそ、子ども達の普通のみんなと一緒の生活があるんだな……と感じます


今いるところを『いいところ』へを続けていかないとですよね

高校受検をがんばっている障害のある子ども達をしっかり応援したいと思います!!
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