「強いですね」
入学前の子どものお母さんが、そうつぶやくことがあります。
その後に、「私はそんなに強くないから…」と続きます。
「強い」と言われることの中身は、
子どもについて話すこと、
ただそれだけです。
担任の先生と、子どものことについて話す。
校長先生と、子どものことについて話す。
教育委員会と、子どものことについて話す。
それだけのことです。
素手でリンゴを握りつぶせる訳ではありません。
まわしをつけたら、朝青龍にも負けない、
という強さではありません。
また、不安にならないこと、心が揺れないことを、
強いというとしたら、それも違います。
迷いも不安も、大丈夫かなーも、
「障害のないふつうの子」の親の何十倍、
何百倍も感じながら子育てをしてきたはずです。
新人のお母さんが「強いですね」と表現している中身は、
「強さ」とは違う気がします。
その答が分かったのは、「HalとNaoちゃんの待ち時間」
(14~16)を書いた時でした。(09年3月2日)
≪普通学級は、「障害のあるふつうの子ども」の、
「ふつう」を育てる所≫であると同時に、
≪普通学級は、「障害のあるふつうの子ども」の、
「ふつうの親」を育てる所≫だと、分かったときに、
「強いですね」の中身が分かりました。
つまり、障害児の親なのに、
どうして少しも障害児の親らしくないの?ということです。
「障害児の親」が、だんだんと
「ふつうの子の親になっていくこと」が、
「強い」と感じられているのでした。
こんなに「できの悪い子」の親なのに、
どうして、そんなふうに堂々としていられるの?
人の手をかりなきゃならないし、
人にめいわくをかけることもいっぱいあるのに、
どうしてそんなに「ふつうの子の親」みたいに堂々と、
先生や周りの保護者と対等みたいな態度でいられるの?
そういうことでした。
そういう意味でなら、会のお母さんたちは、
子どもの学年があがるにつれ、
アラレちゃんのように強くなります。
これを「ゴジラのように強く」とか「朝青龍のように強く」
と書くと怒られます(>_<)
【就学相談・いろはカルタ】{2009・New!}
(a)
普通学級は、「障害のあるふつうの子ども」の、
「ふつう」を育てる所
(b)
普通学級は、「障害のあるふつうの子ども」の、
「ふつうの親」を育てる所
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