猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

謹賀新年 平成24年 壬辰

2012年01月01日 10時15分18秒 | 日記

明けましておめでとうございます。

昨年は、新しい出発の年でした。

多くの方々との出会いと、ご支援によって、

説経師としての方向性をつかむことができました。

改めて、感謝申し上げます。

さて、2年目の今年、平成24年は、壬辰(みずのえたつ)の年です。

忘れ去られた物語シリーズ1で紹介した

「阿弥陀胸割」の物語に登場する「天寿姫」と「松若」の生まれは、

壬辰の年の辰の月の辰の日の辰の刻であると言います。

壬は、水の兄であり、又「妊」であるともいい、陰陽道では、「陽」の年。

辰は、龍であり、水を支配しますから、水を得た龍となります。

六十年に一度の誠に生命力にあふれた年が始まったのです。

そこで、今年の目標は、ただ一つ。

猿八座の太夫、八太夫として

この、四百年前に演じられていた古説経「阿弥陀胸割」を

人形操りとして復活公演することです。

猿八座西橋八郎兵衛師匠共々

本年も、よろしくご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

さて、常々悩みの種でありました名跡について改めて説明しておきますと、こ

の様に整理したいと思います。

薩摩派に伝承された「説経祭文」を語る場合は、これまで通り「薩摩若太夫」を

名乗ります。

しかし、古説経を復活するには、新たな「節」が必要となります。古説経の趣を

再現するために「文弥節」の曲節を活用し、新たな浄瑠璃を創作する考えです。

そこで、「古説経」を語る場合は、「八太夫」を名乗ることにします。

今年は、この新しい浄瑠璃を、猿八座の「八太夫」としてデビューさせる年でも

あるわけです。