アンダンテ ~私の歩幅で~

季節のこと、音楽のこと、誕生日シリーズなど

わが家のピアノ その1

2005年10月17日 | ピアノ全般
わが家にピアノがやってきたのは、
今から10年半程前のことです。

同じマンションに住んでいた友人一家が引っ越すことになりました。
彼女の家にはピアノがありました。
でも残念ながら、ピアノは連れて行ってもらえないとのこと。

そこで、ピアノの引き取り手をさがすか、処分するか・・
ということだったので、わが家で引き取ることにしました。

それなりに弾いてもらっていたピアノでしたが、
お手入れは、あまりしてもらっていなかったようです…。

わが家に到着し、落ち着いたので、まずは表面の汚れを落とすべく
キッチリ絞ったタオルで全体を拭きました。
すると、まるで一皮むけたように、かなりサッパリしました。

動かしたこともあり、早々に調律もお願いしました。
そのピアノは、十数年間まったく調律されていないことがわかりました。
調律師さんも気の毒がって、同じ工程で2回調律してくださいました。
クリーニング&調整も・・・です。
それでも、まだ不十分なくらいで…。
本来ならば2回分の調律費用をお支払いしなければならないところ、
1回分の料金で領収書を書いてくださいました。
感謝です。

ようやくピアノらしくなって、
きれいな音も出してくれるようになりました。

それまで、私はピアノを習ったことがありませんでした。
私ができたのは・・・
テキトーに鍵盤をたたいて「音」を出すことと、
テキトーなコードの和音やアルペジオをつけて、
知っている曲をハ調で弾くこと程度でした。

その後しばらくの間、私は入退院を余儀なくされ、
実家と病院での安静生活が続きました。
その間、ピアノはひとりぼっちでした。

どうにか普通の生活を送れるようになり、
息子が幼稚園(年中)に入るのを契機に、
私たち一家は、ピアノの待つ自宅に戻りました。

しばらくして、生活にリズムが出てきた頃、
再びピアノの調律をお願いしました。
以前よりずっと良いコンディションではありましたが、
まだまだ可哀想な状態だったと思います。
何と言っても、マトモに弾いてもらえないことが、
一番寂しかったと思います。

息子が小学生になり、半年程が過ぎた頃、
ガチャガチャとあまりにも汚い音でピアノをたたいている私に、
主人が「せめて "エリーゼのために" くらい弾いてよ」と言うのと同時に、
「ピアノを習ってもいいよ」とも言ってくれたことで、私は
ピアノを習ってみようと決心したのです。