遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

ウツギの花

2022-05-10 16:43:08 | 日記

令和4年5月10日(火)

ウツギの花 : 空木の花、卯の花

ユキノシタ科の落葉低木、高さ1.5m前後

山野に自生し、生け垣などにも植えられる。

5月頃、白色5弁の小花が密に垂れ下がった様に咲く。

葉は互生し、長卵形で先が尖り縁に浅い鋸歯がある。

ウツギの名は四月に咲くため、また幹が空洞になって

いることから「空木」(ウツキ)という。

「打つ木」という説は、邪悪な土地の精霊を追い出すため

に、この木で地面を打つ風習が古くから在った事に起因す

ると云われている。

卯の花は万葉の昔から和歌に親しく詠まれて「垣根、雪、

月、郭公、神山、白河の関」などに多くの縁語が掲げられ

ている。

陰暦の四月を「卯月」と呼ぶのは、この花からきたという。

五月は二つの季節が行き交う時で、その区切りを示す様な

植物といわれる。 

田舎者のようなこの花が新緑の世界に在って、ういういし

く点りだす。まさに「夏は来ぬ」の思いに胸が躍る。

童謡「夏は来ぬ」は、日本最古の和歌集「万葉集」の研究

者として著名な、国文学研究者で歌人の「佐々木信綱」が

明治4年29年(1896年)に詩を作り、小山作之助に

曲を依頼して出来た曲である。

旧仮名遣いで、中々理解出来ぬ詩をそのまま現代まで歌い

継がれている。(初夏の状景を歌う名曲である)

夏は来ぬ

作詞 : 佐々木 信綱、 作曲 : 小山作之助

卯の花の 匂ふ垣根に

時鳥(ほととぎす) 早も来なきて

忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

今日の1句(俳人の名句)

卯の花やけふは音なきわらは病み  与謝 蕪村


八十八夜

2022-05-02 16:25:13 | 日記

令和4年5月2日(土)

八十八夜

立春から数えて八十八夜めで、今年は本日5月2日。

野菜の苗はようやく生長し、茶摘みは最盛期となり農

家は忙しくなる。

「八十八夜の別れ霜」といわれる様に、この頃はまた終

り霜の時期でもある。茶や桑畑に害を与える。

特にこの頃の茶農家は「新茶」の時期でもあり、茶積み

が最も忙しい時となる。

 

小学校唱歌「茶摘み」にも、この辺りの状景が謡われて居

り,農家に関りのない人でも、春がもう終わりに近づき夏が

近づいたことを実感する歌である。

この茶摘みの歌は、小さな子が向かい合い「せっせっせ

ーのよいよいよい」で始まる、手遊びの歌として広まっ

た。この動作は茶葉を摘む手付きを真似たものという。

(遊民ヤギ爺ブログ2021年5月1日、八十八夜より)

 

私の実家は「茶商」をして居り、小さい頃から八十八夜

が近づくと忙しくなることを実感していた。

新茶の季節から、二番茶、三番茶と、茶俵がトラックで

倉庫に運びこまれた。

此処から真夏にかけ、麦茶、玄米茶、ほうじ茶と、、、

ことにほうじ茶は、茶葉を焙じる作業が一日続く。

或る土曜日、学校(高校)の帰りに市電の停留所に着く

と、お茶を焙じる匂いが漂い、私はそのままUターン、

夕方(薄暗くなる頃)帰宅、親父に怒鳴られた。

手伝いをサボり怒られた苦い思い出は何時までも残る。

親父も兄も亡くなり「茶商」を止めて10年余り、、

(なぜ、もっと手伝って遣らなかったのか悔いが残る)

毎年、この八十八夜を迎えると思い出されてならない。

 

今日の1句

団子食(は)み八十八夜の茶を啜る   ヤギ爺


春惜しむ

2022-04-30 16:25:09 | 日記

令和4年4月30日(土)

春惜しむ : 四月尽、行く春、

過ぎ行く春を惜しむこと。暮れの春、行く春と大差はないが

詠嘆的な心が言葉自体に強くこもり一種もの寂しく惜しむ様

な情を含んでいる。

「ああ、もう春も過ぎ去ろうとしている」行く春の愛惜の心

が込められている。

「四月尽」は、四月最後の日。四月が終わること。

「行く春」は、立春の後しばらくは寒さがぶり返し、時には

春の雪に見舞われたりしながら、だんだん日が永くなり季節

が移ろい、春の盛りに日本人に馴染の深い梅や桜をはじめ、

多くの草木が花を咲かせ目を楽しませてくれる。

厳しい冬過ごした後だけに、人々は解放感」と伴にこの季節

を享受する。

然し、時は更に移り動いて春もまさに過ぎ去ろうとしている。

「行く春は、季節を動くものとして捉え、その終ろうとする

春を惜しむ心のこもった季語である。

 

私の青春時代の映画に、「惜春鳥」という作品がある。

1959年(昭和34年)4月公開の松竹映画、

惜春鳥

監 督 : 木下恵介、 脚 本 : 木下恵介

撮 影 : 楠田 浩之、 音 楽 : 木下忠司

出 演

津川雅彦、川津裕介、山本 豊三、小坂 一也

石濱 朗、佐田啓二、有馬稲子

白虎隊の地、会津若松で育ち東京の大学に通う若者が帰省し、

4人の旧友と再会する。 皆それぞれの現在の立場の違いや

人生の苦悩、、、歳月を重ねても困難と苦しみは消え去らぬ。

彼等の替わる事のない友情、、、、

「友情とは、消えゆく春の雲のようなものなのか、、、、、」

懐かしい青春映画である。

今ではこんな(古典的友情)映画は見られないだろうか?

 

今日の1句

何もせで移ろふ速さ春惜しむ   ヤギ爺


アース・デー

2022-04-22 16:39:06 | 日記

令和4年4月22日(金)

アース・デー : 地球環境の日

今日4月22日は、アース・デーです。

1969年、ユネスコ(国際連合教育科学文機関)の環境

関連会議の場で、米ソ宇宙協力平和運動について、国連の

ウ・タント事務総長がこの提案を支持し、「アース・デー」

として3月2日を設定し、継続することとなった。

1990年には米国・ソ連・中国が協力して、エベレストに

登山する「アースデイ20国際平和クライム」が行われた。

その後の2009年の国連総会で4月22日を「国際母なる

地球デー」とすることが採択され、翌年の2010年から実

施されている。

日本では」1990年から2000年までを一区切りとし、

毎年4月に「アースデー」に関するイベントが行われる。

2001年以降は「TOKYOアースデー」が代々木公園等

で実施された。

毎年この日は世界各国、日本の各地様々なイベントが開かれ、

地球環境、特に「気候変動・地球温暖化について」の様々な

問題を考える日でもある。

今年は、「アースデー気候会議」プロジェクトが行われた。

世界の気候危機概要、日本の気候危機概要報告を行った。

二部ではパネル・デスカッションが行われ、世界気候市民

会議の現状、日本の現状、若者会議の報告等を行い、その後

議論を展開した。

「私達は気候変動に対して大胆に行われ、幅広く革新し、

公平に実行する責務が在る。全ては地球のために全員が責任

を負う必要がある。 私達の子供やその未来のために自然を

回復し、健康な地球を築かねばならない。

そのために残される時間は、とても短いのです。」

 

今、現実に起きている地球温暖化による自然災害(人災も)

は数限りなく、そのすべてが巨大化しています。

地球温暖化により北極、南極の氷解が進み動植物の危機や

太平洋上の島国は水面上昇により水没の危機が迫る。

バッタなどの異状発生により穀倉地帯は壊滅状態、食料危機。

干ばつや森林火災も世界規模で巨大化している。

比較的温暖なカナダや北欧なで、超熱波発生(≒50度)

シベリヤなどツンドラ地域の永久凍土が溶け雪崩続出、、

アメリカやヨーロッパ、アジアで竜巻の超巨大化の被害。

毎年繰り返す超大型の台風、ハリケーン、ゲリラ豪雨等々、

それらの自然災害は超巨大化し続け、放置すれば人類破滅

の道を辿る、、、、、。

今、大国は覇権主義でぶつかり、その欲望は限りなく果て

しない。ある国は武力で一方的に攻め入り他の国を破壊し

続け、容赦なく弱者(老人、子供、女性等)を殺戮する。

他の大国は、煽るだけ煽り自分では決して手出しせず金

で解決しようとその財力(武器)を注ぎ、同盟国にも

犠牲を要求する。(資源のない国もそれに従わざるを得

ないようである)

 

今日の1句(俳人の名句)

ジンギスカン走りし日より霾れり   有馬 朗人

霾る : モンゴルや中国北部の黄土地帯の砂塵が舞い上が

     り、遠く日本まで及ぶ現象


公園の草刈り

2022-04-21 16:46:20 | 日記

令和4年4月21日(木)

公園の草刈り

「摘み草」は、行楽と実益を兼ねた日本の伝統的な行事で、

野や堤に出て、蓬や土筆、蕨、薇など食用となる山菜摘み。

そして蒲公英やスミレ、シロツメクサ等の野草摘みをいう。

一方で「草刈」は、農家などが家畜の飼料にしたり、葭等

を刈って屋根を葺いたり、葦簀(ヨシズ)等の材料にする。

或いは雑草を刈って、庭や公園等を綺麗に手入れするする

ための作業をいう。

今年も町内恒例の、公園の草刈りが始まった。

毎年4月から12月までの間(1~3月は草がなく休止)

雑草を刈ったり、落葉掻きをする行事である。

4月に入り、気温上昇と伴に一気に草木が成長し緑一色

となった。樹木が青々とする中、公園のベンチや遊具の

周辺、フェンス際などに見る見る雑草が生い茂る、、、。

早朝8時、今年度の町内役員と公園愛護会(OB会)が

集り草刈が始まった。

昨年の役員から、「除草剤を撒いたら、?」との提案が

あったが、この公園には近くに幼稚園、保育園等が在り

平日には園児らが保育士と伴にやって来る。母親に連れ

られた幼い子もやって来る。休日になると学童保育所の

子等や、子供達がやってきてサッカー、野球、ゲーム等

を楽しんで居る。

「やはり、子等の安全を考え除草剤は止めよう。草刈り

は我々のコミニュケーションの場でもあるし、、、、」

仲には不満を漏らす人も居たが、渋々承知した。

小1時間、黙々草刈りが始まる、、、 

雑草の間からスミレ、タンポポ、クローバー(白詰草)等

の可憐な花が顔を出す。

暫く手を休める(腰をさすり茶を、、、)

これから、毎月の草刈り、、草木は待ってはくれない。

 

今日の1句

手を休め暫し野草と戯れる   ヤギ爺