遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

東谷山フルーツパーク

2023-01-31 16:21:07 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年1月31日(火)

東谷山フルーツパーク


名古屋市の東北端部の守山区上志段味に在る、市内で一番高い
とされる「東谷山」(198m)の麓に、緑あふれる環境を活
かした農業施設」(果樹園)が昭和55年(1980年)の4
月に開園した。
17種類の果樹園に凡そ1000本の果樹を栽培する。
更に、「世界の熱帯果樹温室」には熱帯・亜熱帯地方の果樹を
観察できる施設となっている。

此処は枝垂れ桜の名所で、シーズン(4月~)には大勢の人達
が桜を見に来る場所である。
最寄りの交通機関は、名古屋市営バス(藤が丘12志段味巡回)
がフルーツパーク入口迄、他にJR中央本線高蔵寺駅からバスが
巡回している。


果樹園に入ると、メーン道路の両側に枝垂れ桜の並木が在るが
冬木立(裸木)が風に揺れている、、

吟行、、、


寒肥、

暫く進むと梅林が見えるが、此処では紅梅、白梅共にちらほら、
梅蕾の中、所々に可愛い花が覗いていた。



その奥の方に果樹園が続き、、アンズ畑に白い花を見つけた。

道路沿いに辛夷が芽吹き、馬酔木や満作の花が開花し始めた。
辛夷の芽

馬酔木、

万作、

樹木ばかり上を眺めていると、句仲間が「蕗の薹が在るよ、」
蕗の薹、

こちらも出始めのようで、、脇にちいさな「福寿草」の花壇。
福寿草、

人も疎らで貸し切り状態の中、ゆっくり吟行日和である。
園入口に在るレストハウスへ戻り、昼食タイム、、、、

りんごのパンケーキ

午後、句会が始まる、、、

肝心要の句の方は、相も変わらず駄作ばかり、、、、、
(画像は、数年前の吟行より、)

今日の1句


薄ら日の日向かすかに枯蓮田   ヤギ爺

2023-01-30 15:45:00 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年1月30日(月)

葱 : 根 深、ひともじ

ユリ科の多年性野菜、中国・中央アジア原産
独特の香りと辛味があり、日本料理に欠かせない野菜の一つ。
中空で細長い緑の葉と、多数の葉鞘(ようしょう)が重なった
白い部分を食べる。
一般的に関東では「根深」と称し、葉鞘の部分を地中に深く作
り、関西では「葉葱」と称して葉の部分を長く作る。
葱は年中収穫出来るが、旬は冬である。
「日本書紀」の仁賢紀に「秋葱」の名で記されて居り、女房こ
とばでは「ひともじ」とも呼ばれる。
品種や呼び名は各地で多く在るが、代表されるものに、

関東では群馬県の太く白いねぎ「下仁田ネギ」は甘味がある。


関西では葉鞘の長い京都の「九条ネギ」が有名である。

葱は、様々に調理して食べられる


先ずは刻んで饂飩や蕎麦の薬味、湯豆腐、冷奴、其のまま葱焼、
湯豆腐、
冷奴、
ネギ焼き、
うどんの薬味、
ねぎま、
昔はネギとマグロを交互に串に刺した、
胡麻和え(九条ねぎ)
すき焼き、
お好み焼き・ネギ焼き、
ネギラーメン(白髪ねぎ)、

ネギマ(昔はネギとマグロを交互に串にさしていた)、和え物
(胡麻和え、味噌和え)、お好み葱焼き、すき焼き等のなべ物、
焼肉、炒め物、煮物、ネギラーメン(白髪ネギが入る)等々、、

料理通で知られる、池波正太郎の「剣客商売」でよく耳にする
「根深」は土を盛り上げて白根を長く深く育てることから、根
深と付けられた名だといわれる。
剣客商売の主人公の老剣客・秋山小兵衛の息子の大二郎はよく
「根深汁」を食べている。

「根深汁で飯を食べ始めた彼の両眼は、童子のごとく無邪気な
ものであって、ふとやかな鼻は楽し気に汁の匂いを嗅ぎ、厚い
唇は炊き上げたばかりの麦飯を、受け入れる事に専念しきって
いるかのよう、、、」 隠居暮らしの父は食通だが、大二郎は
贅沢や名誉に無頓着で、根深汁と麦飯があれば十分、、、、、。
凄腕の剣客の親子はまるで似つかず、穏やかな性格の大二郎の
人間味は、好感がもてる人物像、、、。
(後々、彼も父に同伴して色々な料理の味を覚えていくのだが)

私達日本人は、日々様々にネギのお世話になる大切な「野菜」


今日の1句

朝ぼらけ葱きざむ音そつと起き   ヤギ爺

春を待つ

2023-01-29 16:35:12 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年1月29日(日)

春を待つ : 待 春



寒さも峠を越し、近ずく春を心待ちにすること。
わけても暗くて鬱陶しい冬を耐えてきた雪国の人々の春を待つ
気持ちには切実なもので、冬の最中に春を待っている心である。



住む風土によりその心持ちには強弱や濃淡の差があり、雪深い
寒風の吹きすさぶ土地の人々は切実であろう。

気象条件に恵まれた土地の人々もそれなりに春を待つ心はある。


この時期になると流れ来る童謡「春よ来い」は、そんな思いを
こめた心に残る歌、、、、。
シンガーソングライターとして、また作詞作曲も手掛けられる
合田道人さんの著書:「童謡の風景」の中に、「春よ来い」の
解説がある。

【春よ来い、みいちゃんに親近感。心温もる童謡だ。
本当に早く暖かい「春よ来い」と思わずにいられなくなる。
「じょじょ」(草履)、「おんも」(外)、「はよ」(早く)
など幼児語を並べ、それ迄になかった「みいちゃん」という
固有名詞が子供たちに親近感を持たせ、大人たちもほほ笑み
ながら聞くことが出来る歌として歌い継がれてきた。
この「みいちゃん」のモデルは、歌の作詞者の相馬御風の長
女の文子だといわれる。 この歌が仏教雑誌の「金の鳥」に
発表されたのが、1923年(大正12年)のことだから、
文子は二歳。 ちょうど歩き始めた、、、頃と合致する。
そしてもう一点、♪ 赤い鼻緒のじょじょ、、、、、はいた
「みいちゃん」は、窓から外を見ながら「早く外に出たいと
待っている、、、」のだ。 
待つということは、つまり「みいちゃん」が住んでいる場所
が雪国だからだろう。相馬はこの時期、ふるさと新潟県の糸
魚川に帰住している。
新潟の代名詞は「雪国」。そんなところからもこの歌は相馬
とその娘を歌ったものだといわれるのだ。
そろそろまた、春がやって来る。
(合田道人著:童謡の風景より、引用しました。)

「春よ来い」 : 童謡
作詞 : 相馬 御風、作曲 : 弘田 龍太郎

はるよこい はやくこい
あるきはじめた みいちゃんが
赤いはなおの じょじょはいて
おんもに出たいと まっている

はるよこい はやっこい
おうちのまえの ももの木の
つぼみもみんな ふくらんで
はよさきたいと まっている


今日の1句

春を待つそのときの色未だみせず  ヤギ爺

一丁潜り

2023-01-28 15:39:30 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年1月28日(土)

鳰 : 一丁潜り、息長鳥、


鳰(カイツブリ)はカイツブリ科の水鳥、≒全長26cm
趾(足、くるぶしより下の部分)には膜が付いて居り、水掻き
の役目を果たす。 巧みに泳ぎ、水中に潜って魚を獲る。

最長で25秒もの間潜ることが出来「息長鳥」の異称がある。
また、潜った所からかなり離れた場所に浮上「一丁潜り」とか
「八丁潜り」などの異称もある。
一年を通して湖沼や川で見られるが、辺りが枯れ果てた場所に
目立つ水鳥で、「冬鳥」(冬の季語)となっている。


名古屋では鶴舞公園や白鳥庭園等の池に多く見られるが、冬枯
の庭園に人気のある水鳥で、暫し吟行を忘れ眺め居る、、、、。
鶴舞公園胡蝶ヶ池


なるほど潜ると一瞬に水面から消え、見当たらずとんでもない
方向から顔を出す。 群れは繰り返し水面を賑わしている。


俳人夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「一丁潜り」
の記述があり、これが何の季語なのか初めて知った。

【一丁潜り(むぐり)、鳰(かいつぶり)の異称。
潜水が得意で「息長鳥」の名もある。カイツブリは最長で約25
秒も潜れるものだから「一丁潜り」の他に「八丁潜り」もぐりっ
ちょ」とも呼ばれる。
「丁」は昔の距離の単位で一丁は60間、すなわち360尺、
これすなわち凡そ190mに相当する。

二宝鳥の潜(かづ)く池水心あらば君に吾が恋ふる心示さね
(万葉集:大伴坂上郎女)


冬の池にすむにほどりのつれもなくそこにかよふと人にしらすな
古今集:凡河内躬恒)
古来からその習性により、恋の場面で多くの歌人に詠まれてきた
鳥だが、それも「鳰」「にほどり」という響きだからこそであっ
て、「一丁潜り」「もぐりっちょ」ではなかなかそうもいくまい。


かって淡海の湖「琵琶湖」にたくさん生息していた「鳰」は滋賀
県の県鳥に指定されているが、現在では餌となる小魚をブラック
バスに食べられ、激減しているという。確かにあの旺盛な繫殖力
と貪欲な食欲を持つブラックバス相手では、一丁潜っても、八丁
潜っても叶うはずがなかろう。鴇(とき)の「ような運命を辿ら
ぬよう、大切に願いたいものだ。


俳人の名句

息をのみ一丁潜り見てをりぬ  夏井いつき

(俳人夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より引用した)

冬 芽

2023-01-27 15:55:19 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年1月27日(金)

冬 芽 : 冬木の芽

春になり青々と萌え出す芽じゃ、たいてい秋のうちに
出来て寒さに耐えられるように、固い鱗片に覆われて
休眠越冬する。


これを「冬芽」、「冬木の芽」という。
常緑樹にもあるが、落葉樹の葉が落ち尽した枝の冬芽
は、殊に目立つ。
冬の温かい日に木の芽が萌え出しているのを見つける
と、心が和みやがて来る春の訪れが待ち遠しい。


寒波が去り一時の晴間を見て、名古屋港へ散策に出る。
今朝はあまり風もなく穏やかで、散歩日和、、、、
かと思いきや、埠頭公園の辺りはさすがに海に近く、
時折の風に常緑樹の葉が大きく揺れ、寒さを感じる。
枯芝の上には枯葉や小枝が散乱している。
落葉樹は多く、裸木の枝から色々な芽が顔を出す。
小楢の芽、
辛夷の芽、
橡の芽、
捧の芽、
木蓮、

「小楢」(こなら)、「辛夷」(こびし)、「橡」
(とち)、「捧」(ほう)、「木蓮」等々、、、

ポートビル前の桜並木はやっと芽吹き始めた。


梅もまだ蕾は固く、それでも日当たりの良い場所は
少しずつ開花し始めている、、、。


今日の1句

震へ居る吾逞しき冬木の芽   ヤギ爺