遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

蜘 蛛

2021-06-30 16:02:42 | 日記

令和3年6月30日(水)

蜘 蛛 : 蜘蛛の囲

クモ科の節足動物の総称、

初夏の頃に孕んで陰嚢の膨れた蜘蛛をよく見かける。

蜘蛛の太鼓といい、、腹から無数の子が飛び出して、

これを「蜘蛛の子を散らす」という。

蜘蛛は尻から糸を紡ぎ出して車輪状の巣を張り、これに

引っかかった獲物(虫)を捕食する。

日本国内に蜘蛛の種類は千種類以上に及び、コガネグモ、

ジョロウグモ、オニグモ、トダテグモ等、、、亦、地中に

棲む地蜘蛛、草の中に棲む草蜘蛛、水中の水蜘蛛等がある。

アシタカグモ

ハエトリグモ

ジョロウグモ

 

蜘蛛は決して愛らしいものではないが、水玉を一杯に鏤め

て白く輝く蜘蛛の巣は美しく、俳句では「蜘蛛の囲」とい

われている。

蜘蛛は「籠る」を語源とするが、陰見、生態、形状の奇怪

なことから、「土蜘蛛伝説」(歌舞伎等に土蜘蛛がある)

怪談、民話等が多く云い伝えられている。

 

日本には毒蜘蛛が多く見られ、「セアカゴケグモ」等の話題

がニュースとなっている。

セアカゴケグモ

1995年、大阪で発見された外来種(オーストラリア産)

以来、日本各地の港湾の荷役から見つかり、全国に広まる。

雌は体長10mm前後、丸い体形で光沢のある黒色、胸腹

背面にひし形が二つ縦に並んだような赤い模様がある。

孵化から成虫迄100日くらいで、寿命は2,3年。一匹

の雌から5000個程を産卵する。

雄は体長3~5mm程で、毒性はない。

公園等のベンチ下、側溝、ガードレール支柱等の直射日光

の当たらない場所に巣を作る。

雌蜘蛛に噛まれると激痛とともに患部が腫れ、全身に痛み

発汗、発熱等の症状が出る。重症は少ないがアレルギーの

在る人は「アナフィラキシー・ショック」起きる事も在り

要注意。 他にも何種類か紹介する。

カバキコマチグモ

体長10~15mm、樺黄色の体色で黒く大きな顎を持つ。

日本、中国、朝鮮半島等に棲息する。神経性の毒があり、

噛まれると頭痛、発熱、悪寒を発症、酷くなると呼吸困難

を引き起こす。

ドクイトグモ

体長7~12mm、頭胸部背面にヴァイオリンに似た褐色

の斑紋を持つ。人家や納屋に棲みつく。夜行性。

外来生物で、原産地(不明?)から物資に紛れ侵入した。

強い毒性があり、噛まれるとその周辺の組織が壊死する。

死亡例もあるので要注意。

他にも「クロゴケグモ」等も、、、、、、

クロゴケグモ

 

今日の1句

蜘蛛一つ這ひ上がり来て眠られず   ヤギ爺


優曇華

2021-06-29 16:30:01 | 日記

令和3年6月29日(火)

優曇華 : うどんげ

仏教の上では、三千年に一度咲くという想像上の花であるが

実際には、草蜉蝣(かげろう)の卵をこう呼んでいる。

草蜉蝣の卵は1.5cm位の楕円形の粒で、緑色から後に白

色に変わる。

細い糸状の柄を何本もたて、その先に群がって付いて花の様

に見える。

草蜉蝣は、幼虫も成虫も蟻巻というアブラムシを食べるので、

雌親は蟻巻の居る植物に産卵する。

時に人家などの灯火に誘われて舞い込み、天井や壁などに産

卵することもあるようだ。

これが発生すると瑞兆、あるいは凶事になるとの俗信がある。

 

最近、目がかすむようになった。

パソコンやスマホの画面が見づらくなり、時折カミさんの

「ハズキルーペ」をかけて見る。

老眼鏡の上から、外して直接ルーペをかけて見る。

この方が楽である。唯、とても疲れやすい、、、、、

遠近両用に慣れている所為か、そのまま立上がり眩暈の様

にふらつく、、、、不便である。

数年前友人から「白内障の手術を受けたら、とても目が

よく見える様になったヨ、日帰りで出来るから簡単だ、」

その頃私も眼科へ赴き、「白内障の手術をお願いします」

その時先生は「貴方は未だ大丈夫、必要ありません」と、

仰った。

ぼちぼちかな、、来週にも眼科へ出かけて見よう、、、、

 

今日の1句(俳人の名句)

うどんげの二重になりし病む目かな   阿波野 青畝


ホタルブクロ

2021-06-28 16:36:44 | 日記

令和3年6月28日(月)

白鳥庭園の蛍袋

蛍 袋、キキョウ科のホタルブクロ属の多年草

高さ30~70cm、山野や林の陰に自生する。

縁に鋸歯の在る長楕円形の葉が互生し、茎と葉に粗毛がある。

根出葉は長い柄がある。横枝を伸ばし増殖する。落葉性。

6,7月頃に淡紅紫色の釣鐘形の花を下向きにつける。

白色のものもある。内面に紫斑がある。

耐寒性が強く、手がかからず初心者でも育て易い。

その昔、子が蛍を取ってこの花筒の中に入れて遊んだ事から

ホタルブクロの名が在る。 若芽は食用になるとのこと。

近縁種に、園芸品種で親しまれる「カンパニュラ」が在る。

原産地は地中海沿岸で、日本に渡来し品種改良がなされた。

 

ホタルブクロとカンパニュラの違い

どちらもキキョウ科の山野草で、原産地が違う。

蛍袋(ホタルブクロ)は東アジア原産で、中国や朝鮮半島、

シベリア半島等に分布する山野草、日本には九州から北海道

の南西部まで広く分布する。6~7月頃に5、6cmの釣鐘

形の花を下向きに付け、花の色は白、淡紫色。庭、盆栽等。

 

カンパニュラはラテン語の「カンパーラ」(小さな鐘)から

名付けられたといわれる。

風鈴草(カンパニュラ)は、ヨーロッパ南部の原産で、4~

7月頃に4,5cmの釣鐘形の花を横向きに付ける。花色は

白、青、紫、ピンク等のパステルカラーで豊富な柄、種類が

ある。鉢植え、切花としても人気がある。

カンパニュラ(風鈴草)

 

白鳥庭園のホタルブクロが見頃を迎えたようだ、、、、、

人工池の周りの滝の落ちる裾辺りに、白、薄紅紫色の花が

周りの濃緑の中に灯を見せてくれる、、、、、、

 

今日の1句

遠のきし蛍袋の仄灯り   ヤギ爺


薄荷水

2021-06-27 16:08:56 | 日記

令和3年6月27日(日)

薄荷水 : ハッカスイ

薄荷はシソ科の多年草で、全国各地の湿った土地に生える。

香料、薬用として栽培もされている。

夏から秋にかけて淡紫色の花が咲く。

独特の匂いの葉から薄荷油を採るが、一番刈りは夏の土用

の頃、二番刈りは秋の土用の頃という。

ニホンハッカ

ペパーミント

 

主産地の北海道では9月が刈取りの最適な時期となる。

 

昔、夏祭り等で夜店が出ると「ハッカスイ」と、いう冷した

飲物を売っていた。砂糖水に薄荷の香りのする飲物で、爽や

かな後味がしたような、、、、、、。

今の時代、清涼飲料水も豊富で様々あるようで、孫達が来る

度にその飲物は変わっている。何もかも直ぐ手に入る飽食の

時代、、、、と、納得?する。

今の「ハッカスイ」を調べてみると、

細かく刻んだ薄荷の葉を蒸留して採った液、薄荷油に水を加

えたもので、矯味矯臭薬、健胃、駆風、含啾等に用いとある

が、何だかよく判らない。

ハッカ油を水に溶いてレモン汁等を加え、ハーブ・テイ、、

これなら納得するが、、、、

薄荷の用途は、薄荷油、除菌水、薄荷飴、薄荷葛切り等がある。

除菌水、

薄荷油、

 

俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「ハッ

カスイ」が記述されていた。

ハッカに砂糖を加え溶かした清涼飲料水 (ウン、これだ)

仮に「夏の清涼飲料水」と問われて、ハッカ水と答える人は

100人中、一人でもいるだろうか。「砂糖水」が夏の清涼

飲料水の地位から脱落を余儀なくさせられたのと同じく「薄

荷水」も同様の運命を辿っているに違いない。

或る句会で、この季語を「ウスニミズ」と披講(句会で他の

人の選句を詠みあげること)してしまったOL嬢が居て、大

爆笑となった。「ウスニミズ」と声に出していうと、メチャ

クチャ不味そうに聞える。

「ハッカ水ってどんな味ですか?」「ペパーミントだよ」と

答えたら、「ハーブだったんですか?、それって結構お洒落

じゃないですかあ」、との声が彼方此方からあがった。

ヒョットすると「ハッカ水」には明日があるかも知れない。』

(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より引用した。)

 

今日の1句(俳人の名句)

薄荷水明日の味がしたりけり   夏井 いつき


扇 子

2021-06-26 16:25:48 | 日記

令和3年6月26日(土)

扇 子 : 扇(あふぎ)

夏の暑い日に、手で煽いで風を作り涼しさを呼ぶための道具

団扇は中国から伝わって来たが、扇は平安朝以前に日本で考

案された珍しい国産品である。

素材も香木・絹・和紙等、様々である。

ほんの飾りに過ぎない扇もあれば、儀式や舞踊に使われる、

大きな扇もある。

末広がりに開くので、目出度い席に使われる事が多い。

冷房が完備している現代社会では、実用というよりもファッ

ションの一つとして派手な衣装を施した扇子も流行していて、

海外でも人気が出始めている。(外国人の日本土産の定番)

白 扇

絵 扇

 

白扇は、白地の物、絵扇は絵の描かれた雅趣あるもの、古扇

は使い古した昨年以前のもの、、、

現在、扇の生産は京都が中心であるが、

戦後、私の実家(名古屋市西区)辺りには扇子を生業にする

家が多く在った。

 竹細工をする「じゃっ、じゃっ」という様な音、扇子の骨

組みが軒先や家の中まで並んでいる光景が目に浮かぶ。

カミさんの実家も昔は扇子屋を営んで居たと聞いた事が在る。

今でもこの西区周辺にはその名残が在り、菊井町に在る「末廣

堂」は、名古屋扇子の老舗である。

名古屋扇子は、宝暦年間(1751~64年)に、京都から

現在の西区巾下町辺りに始まったとされる。京都扇子の伝統

を名古屋に引継ぎ、末廣堂が大正元年に創業した。

今では、殆ど扇子を使わないが、未だ冷房が余り普及してい

なかった頃、映画館や劇場等では扇子を使う姿が多く在った。

家の中を探すと、私のものも見つかった。

今日の1句

訪ひの扇の風の柔らかし   ヤギ爺