令和3年4月30日(金)
アポロ11号宇宙飛行士の死
世界で初めて人類の月面到達に成功した「アポロ11号」
に搭乗した宇宙飛行士の一人、マイケル・コリンズさん
が28日に90歳で亡くなられた。
コリンズさんはイタリアのローマ生まれで、米軍士官学
校卒業後空軍に入り、テストパイロットの勤務をした。
1963年、ジェミニ10号に搭乗し初めて宇宙飛行を
経験した。
1969年、アポロ11号の打上げでニール・アームスト
ロング船長、バズ・オルドリン飛行士と伴に搭乗した。
この二人が月面に降りて活動する間、司令船を操縦して
月周軌道を保持する。この間約12時間を司令船の隔絶
された操縦室で一人、作業をし続けた。
後に、「忘れられた宇宙飛行士」「史上最も孤独だった
男」などと呼ばれた。
アームストロング船長は2012年に82歳で亡くなり、
存命するのは、オルドリンさん(91歳)のみとなる。
今朝(4月30日)の中日新聞コラム「中日春秋」に
コリンズさんを追悼する記述が在ったので紹介したい。
【人類で初めて月に降り立ったのは「小さな一歩」の
あポロ11号、アームストロング船長である。 続いて
オルドリン宇宙飛行士が歩いた。 二人が月面で活動
していたその時、ひとり司令船で月の周回軌道に居た
人物は印象が薄い。「忘れられた宇宙飛行士」「歴史
上最も孤独な男」「第三の男」と語られる、マイケル
・コリンズさんだ。月の裏側に入ると地球が見えない。
生まれ育った星と人々、そして仲間から通信も含めて
隔絶された時空を経験している。再び見えて来た地球
は「青と白の宝石」だったそうだ。「そこには国境は
なく、人種の違いや大都市と農村の区別もなかった」
と述べて居る。「一面とても壊れやすそうだった」
とも。
月面に足跡を残す栄誉に預かった同僚よりも、
神秘に触れ、思案にひたることが出来た人だったか
も知れない。 コリンズさんが90歳で亡くなった。
地球帰還後、公職も務めているがメデイヤのインタ
ビューなどにあまり応じていなかったという。
「忘れられた」と言われている理由の一つであろう。
世の政治指導者たちが同じ様に地球を見る事が出来
ればいいのに。そうすれば「劇的に考えが変わる筈
だった」とも、語っている。
母なる星を見た人はつい先日、「地球ほど美しく
壊れやすいものは多くない、共に守ろう」とネット
で呼びかけたばかりであった。
(4月30日、中日新聞コラム:中日春秋より引用)
今日の1句
我ひとり月を眺むる四月尽 ヤギ爺