令和5年1月19日(木)
歌会始の儀
1月18日、皇居宮殿「松の間」で新春恒例歌会始の儀が
行われた。
宮中で行われる年始の歌会で、新年の儀式として「お題」に
よる短歌詠進される。
毎年一月に行われる様になったのは、明治2年(1869)
以降で、天皇・皇后両陛下他の皇室方が臨席される。
先ず国民の詠進歌(一般公募)が披講され、次いで選者と、
召人と続き、皇族方の御歌が披講された後、皇后陛下の御歌
が朗読された。最後に参加者全員が起立する中で天皇陛下の
御歌がゆったり、優雅に2回繰り返し朗読された。
一般の歌、
山梨県 : 小宮山碧生さん
友の呼ぶ僕のあだ名はわるくない
他のやつには呼ばせない
東京都 : 吉田直子さん
みづいろの絵の具ばかりを借りにきた友の
見てゐた空を知りたい
京都府 : 丹羽沙矢香さん
友といふ言葉を知らぬ一歳が泣いてゐる
子の頭を撫でる
島根県 : 漆松友香さん
母さんも友だちできた?と小一の吾子に
問はれし仕事の初日
茨木県 : 芳山三春雄さん
ともだちを友人と呼ぶやうになり子は
就活をほどなく終へる
神奈川県 : 岩田真治さん
つくるでもできるでもなくそこにゐたあなたを
わたしは友と呼んでる
新潟県 : 相川澄子さん
友だちはゐないんだよと言ふ君の
瞳の中にわたしを探す
東京都 : 久和鏡子さん
キスゲ咲く尾瀬の木道友の背の
リズムで歩くすこし離れて
熊本県 : 三浦清美さん
卒論は梶井だつたね君だけが
四十二歳のままなる友よ
岡山県 : 藤井正子さん
温もりの残る手袋渡されて
君は友より夫となりぬ
選 者 : 内藤 明
海越えて柔らかき声まだ逢はぬ
友といっしょに卓を囲む
召 人 : 小島ゆかり
旧友のごとくなつかしあかねさす
夕陽の丘に犬とゐる人
皇 室 方
寛仁親王、涁子さま
器からこぼれてしまつた言の葉を
静かにつむぐ友の横顔
秋篠宮妃、紀子さま
春楡の卓の木目を囲みつつ
友らと語る旅の思ひ出
皇子、秋篠宮さま
彼方此方を友らと共に行巡り
聞き初めしことを喜びありぬ
皇后陛下、雅子さま
皇室に君と歩みし半生を
見守りくれし親しき友ら
天皇陛下の御歌
コロナ過に友と楽器を奏でうる
喜び語る生徒らの笑み
※ 来春の「お題」は、「和」と発表された。
初めてテレビで見ていました。
一般の方たちの短歌、いちいち心に染みました。
友心、妻心、母心で、共感できるものばかり。
皆さん、素晴らしい表現ですね。
こんな感想をもてるのは、
自分がいい友たちに恵まれて生きた証だと思っています。
きっと、ヤギ爺様もそうなのでしょう。