遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

九月尽

2022-09-30 16:32:07 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和4年9月30日(金)

九月尽 : 九月晦日(つごもり)

九月の終りの日のこと。
元来は、陰暦の九月の晦日のことである。
静かな思いの中に、秋の終りを惜しむ景物の季語として
存在した。
陽暦では、この時期を当てはめると11月初旬にあたり、
現在の九月尽にはこの情感はほど遠いようである。
したがって、単純に九月が終わったという気持ちを詠む
こととして扱われている。

古くから「三月尽」と「九月尽」とが並べて用いられて
来たのは、春と秋とは色々心に沁む景物が多く、それら
を惜しむ気持ちの表れであろう。
それ故ただ漫然と、どの月にも「何月尽」として用いる
ことはおかしいと云われる。
「尽」という字は、尽す、尽きる、極まる、なくなる、
出し切る等から「晦日」(つごもり)、月の終りとなる。
日の出(5時50分頃、)

マンションの外壁工事が8月初旬から始まった。

明日は、10月に入る。 今暫く工事は続くようである。

建物の外周に養生シートが張り巡らされ、一日中カスミ
が掛かったようで、昼間でも部屋の灯りが必要である。
カミさんから、「閉じ篭ってないで、散歩したら、、?」
日頃、肢が痛い、ドコソコが痛いだのと、私の愚痴を聞き
遂にハッパをかけられた。

久しぶりに名古屋港へ散歩に出かける。
途中に在った、結婚式場が撤去され広い空地が広がる。
コロナ過で、営業不振が祟ったようである。
一時は、名古屋でも有名な式場となり、内設する洋菓子店
の高級なケーキも自慢の品で在った、、、、、、、
岸壁工事中,遠目に停泊中の船を、、、

名古屋港へ着くと、岸壁の工事中(立入禁止)折から停泊
中の練習船は、遠目に眺める。


埠頭公園の噴水周りの向こう側、広場ではグランドゴルフ
に興ずる好々爺等が楽し気にプレイしている。

大通り沿いの舗道には、街路樹の早くも落ち葉が、、、、
確実に季節は、動いているようだ。

日の入り、うろこ雲


今日の1句、

何もせで刻は移ろひ九月尽   ヤギ爺

虫の声

2022-09-29 16:07:58 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和4年9月29日(木)

虫の声 : 虫の音

秋に鳴く虫を総称して「虫」という。
平安時代の殿上人に始まる「虫の声を愛でる」雅びな
習わしは、平安貴族たちが虫の音を求め各地の虫の名
所を訪れ声を聴き分け、また持ち寄って鳴き声を競い
あったようである。鳴く虫を題材にした「歌合せ」も
盛んに行われ、この日本独特の文化を育んで来た。
きりぎりす、ギースイッチョン、)
(邯鄲、ルールールー、)
江戸時代には一般庶民の間に広まった。「虫売り」が
虫籠にいれた鳴く虫を売り歩き、庶民が買い求めた。

(閻魔コオロギ、リーコロコロ、、)

虫の音はいずれも雄である。それぞれに風情があり、
鳴いている場所、時やその数に依って趣も違う。
その声を聞くと秋の淋しさが身に迫って感じられる。


この時期になると必ずテレビやラジオから流れ来る、
童謡「虫の声」に、「ああ、秋だなあ、、」と季節
を感じさせる郷愁のメロデイ、、、、

「虫の声」: 童謡、作者不詳

明治43年(1910年)に発行された「尋常小学
読本の唱歌」に掲載された。 大正時代には国語の
授業にもこの作品が適用され、親しまれる歌となる。

1)あれ松虫が 鳴いている
  ちんちろちんちろ ちんちろりん
  あれ鈴虫も 鳴きだした
  りんりんりんりん りいんりん 
  秋の夜長を  鳴き通す
  ああおもしろい 虫の声
(松虫、チンチロリン)
(鈴虫、リーンリーン)
(つづれコオロギ、ギ・りりり、、)


2)きりきりきりきり こおろぎや
  がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわ虫
  あとから馬おい おいついて
  ちょんちょんちょんちょん すいっちょん
  秋の夜長を 鳴き通す
  ああおもしろい 虫の声
(くつわ虫、ガチャガチャガチャ、)
(馬オイ、スイッチョン、)

(鉦叩き、チンチンチン、)

日本人は自然の音を「言語脳」(左脳)で聴き
虫の声を感じ、風や波の音を聞き取る。
対して外国人は虫の声は楽器等の音と伴に雑音
(右脳)で聞いて居り、自然の音等も雑音とし
て右脳で聞き、虫の声を聞く認識は無く雑音と
して処理している。(中国、韓国も右脳)
虫の鳴く声を「声として聞いているのは日本人
と、ポリネシア人だけだといわれている。
ポリネシア人男性(ウイキペデイアより引用)

ただし、日本人でも子供の頃から外国で暮らし、
その国の言語を母国語として育って人は虫の声
を認識出来ないと云われている。(右脳型)
ポリネシア人は、日本人と同じく母音,子音を
左脳で処理しているといわれる。
ポリネシアは太平洋上の島国(ハワイ、タヒチ
ラパマイ、マオリ、サモア、トンガ等の国)

今日の1句

虫の声ピアノに寄せるセレナーデ  ヤギ爺

葡 萄

2022-09-28 16:47:08 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和4年9月28日(水)

岡山の葡萄

葡萄は蔓をもち巻きひげによって絡まる、ブドウ科落葉低木。
棚を作り栽培される。一房に30~100粒程の実が付く。
原産地はアジア西部からヨーロッパ南部の地で、中国へは漢
代に張騫(ちょうけん)が西域からもたらしたと云われる。
唐の時代、長安では既に葡萄酒が飲まれていたという。
日本では「柴葛」(えびかずら)や、山葡萄の奬(しょう、
果汁を醗酵させたもの)が早くから薬用として飲まれていた
事が仏典に記されている。
葡萄酒の伝来は、南蛮船により「チンタ」(ポルトガルの
葡萄酒)が最初であった。
葡萄の表記はギリシャ語「botrus」を中国語で音訳された
ものといわれている。
寛永13年(1636年)の俳諧作法書「はなひ草」の中
に「ぶだう」と在り、正保2年(1645年)の「毛吹草」
には「葡萄」とある。

葡萄の主産地は甲州が名高く他に岡山・大阪・信州が在る。
フランスからに輸入種、青く大カット・オヴ・ア
レキサンドリアは温室栽培され、アメリカ産黒色のキャン
ベル・アール、赤色のデラウエアなどが広く普及した。
日本で開発された「巨峰」等、新しく大粒な品種が次々に
誕生していった。


岡山の葡萄が届いた。数年前知人から岡山の葡萄を頂き、
この中の「ピオーネ」の味が忘れ難くなった。
以来、知人にお願いして毎年少し取寄せる様になった。
今年は大粒の葡萄4種(一品ずつ)が届いた。

私にとって贅沢な(年に一度)味くらべである、、、。

① ピオーネ

 巨峰とカノンホール・マスカットを交配育成したもの。
 巨峰の甘さとマスカットの爽やかさのベストマッチ。

② オーロラ・ブラック

 岡山農業試験場の自然交配したオリジナル品種。
 大粒、種なしの高糖度、ピオーネに似た味わいで、
 この種は収穫後の日持ちがよく輸送が安易との事。

➂ クイーン・ニーナ

 大粒な赤葡萄で、果皮が薄く歯切れが良い。果肉
 はプリプリで果皮の渋みが少なく高糖度。
 安芸津20号と安芸クイーンを掛合わせ、ルビー
 のような輝きが売り物とか、、

④ シャイン・マスカット

 大粒、種なし、美しい黄緑色で光沢のあるエメラ
 ルド・グリーンの宝石を思わせる。
 パリッとした果皮と弾力がある果肉、味、香りが
 とても良い、今一番の人気の品とか、、、
(以上は、農家さんの口述によるものです。)

今日の1句

葡萄一つ口一杯の甘さかな   ヤギ爺

潮路句会例会

2022-09-27 16:17:11 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和4年9月27日(火)

潮路句会8月例会より、


日 時 : 令和4年8月22日(土)
場 所 : 大手コミュニテイセンター
参加者 : 7名 、 欠席 2名
兼 題 : 踊り、 閻魔
8月は、会場(大手コミュニテイセンター)が盆休閉館中
1週間遅れの8月22日に開催した。
会場は閑散とし、この館を使用するのは句会のみである。
参加者も7名、2名欠席。
それでも猛暑の中、句会のメンバーは意気揚々、、、、。
暑さ、コロナなど何のそのである。
兼題の踊り、盆踊りは各地で再開されてをり何処も満員
盛況の様子がテレビに写し出されていた。
我が町内は慎重居士の方が多く、祭り・盆踊り全て中止
であったが、、、、、。

目礼の眼が誘ひ込む踊りの輪   玲 子


潮路抄

水引草のてんでに撥ねて紅こぼす  玲 子


閻魔堂出でれば肩の力抜け     美保子


病み伏せば古里遠き秋思かな    魚 青


三とせぶり人の溢れる盆踊り    輝 子


足竦む古き吊り橋蔦蔓       千 里


心地よき夜風を纏ひ踊るかな    美智子


少年の目線の先のかぶと虫     ヤギ爺


をちこちに焔を上げて鶏頭花    美保子


美保子さん、荒子観音で鶏頭の花が境内の裏から、
おいでおいでと手招きする様に火焔を、、、、、
(詠まれた句、、境内の静まりとおどろおどろした
 鶏頭の花の景が目に浮かびます。)

潮路句会10月例会案内
兼 題 1)鵙(もず)、2)竹の春 含む10句
日 時 令和4年10月8日(土)
場 所 大手コミュニテイセンター

稲刈り

2022-09-26 16:50:59 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和4年9月26日(月)

稲刈り : 田 刈

実った稲を刈り取る作業。
早場米は7月頃に刈り取るが、普通は9~10月頃がピーク
古くは鎌を使って手狩りしていたが、昭和の後期頃から機械
化が進み、これほどに変化した農作業は他にはない。


コンバインの出現により、刈取りと脱穀が一台で田圃を移動
して、収穫・脱穀・選別・乾燥を同時に行ってしまう。
その後の稲藁も細かく切って田に撒いてしまうので、昔なが
らの鎌で刈って稲架(ハザ)にかけて乾す作業は少ない。
米の味は稲架掛けして乾したものの方が旨いと云われるが。
山間地や車田、小さな田などにはコンバインが入れないので
手押しの稲刈り機や鎌で刈り取り、稲架掛けをする農家も今
も残っている。
亦、昔に比べ稲刈りの時期が早くなっているが、最近は苗床
にビニールを張ったり、機械上の苗は箱の中で栽培するので
保温して育成を早め、それらにより早く田植えが出来るよう
になったようである。
秋晴れの空の下で、汗を流して作業する人の喜びに変わりは
ない。 稲を刈る音や声が空に響いて、収穫の喜びが山河に
満ち溢れている。

毎年この時期、愛知県岡崎市に在る「岡崎自然体験の森」で
は、稲刈り作業の体験が実施されている。
5月に田植えをした米の収穫作業で、この日は岡崎市の小学
校高学年の児童が参加した。

現地スタッフの方から、稲刈りの方法や注意事項が述べられ、
稲刈り作業の始まりです。
親子で参加した子供も、、最初は「どうやるの」と恐る恐る
鎌を持ち、スタッフの助けを借りて、、、慣れてくると汗を
搔きながらも声が弾んでいます、、、、。

その後、稲架に稲の束を掛けていきました。
後に、学校へ新米が届くようです。 (楽しみですね。)

岐阜県高山市に伝わる、「車田」は岐阜県無形民俗文化財に
指定される稲刈り作業がある。

今では新潟県佐渡島と2か所のみに残る。地域で保存される
車田は、観光の名所である。



今日の1句

晴れ晴れと稲刈る声の弾みをる   ヤギ爺