関節リウマチと鑑別すべき膠原病から、今回は「膠原病とその類縁疾患」について考えていきましょう。
全身性エリテマトーデス(SLE) ループス・エリテマトーデスという病名は、狼(ラテン語でループス)に噛まれた痕のような赤い紅斑という特徴的な発疹からきている。 発熱、全身倦怠感、体重減少のどの炎症症状と、関節炎、発疹、臓器障害などのさまざまな症状が一度に、あるいは次々に起こる。
SLEの有病者は日本全国に2~4万人ほどいると考えられている。 ただし、難病申請をしていない患者や、医療機関を受診していない患者などを含めると、この2倍程度の患者がいるとも推定されている。 男女比は平均すると1:10ほどであり、圧倒的に女性に多い病気である。
すべての年齢に発症しうるが、なかでも、15~65歳の「生殖可能年齢女性」に多い。 子供、高齢者では、逆に男と女の差が少なくなる。 また、わが国では発症に地域差などは認めていない。
Sjogren症候群 唾液腺炎と乾燥性角結膜炎を主徴とする、多彩な自己抗体の出現をみる膠原病。 ほかの膠原病の合併がみられない一次性Sjogren症候群と、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併する二次性Sjogren症候群とに大別される。
一次性Sjogren症候群はまた、病変が涙腺、唾液腺に限局する腺型と、病変が全身諸臓器におよぶ腺外型とに分けられる。 血清学的検査では、多クローナル高ガンマグロブリン血症のほか、抗核抗体、リウマトイド因子、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体などの自己抗体が出現する。
2003年の調査では患者数は約7万人で、男女比は1:14で圧倒的に女性に多い。 発症年齢は40~60歳台が多い。
今回はここまで、続きは次回に。