1987年、アメリカのロウとカーンらが「サクセスフルエイジング」という概念を発表しました。 この概念は、三つの要素で構成されています。 一番目に病気や障害が少ない、二番目に頭脳と身体機能の保持、三番目に高い生活機能の維持です。 この考えでは、単に病気でないことや知的な機能を維持していうという状態では不十分です。活動的な生活機能を維持してはじめて、サクセスフルエイジングといえるのです。
カナダのマニトバ州の住民集団のなかで、65歳以上から追跡して80歳以上となるまでの期間における高齢者の生活状況を調べた研究によると、死亡が58%、要介護が23%、そしてサクセスフルエイジングが20%でした。 そしてカリフォルニア州アラメダ郡の高齢者の研究では、約30%がサクセスフルエイジングを達成していたと報告しています。
このアラメダ郡の研究結果を踏まえ、ブレスローは著書『生活習慣と健康ーライフスタイルの科学』において、健康長寿にとり重要な七つの健康習慣をあげています。
①喫煙をしない
②飲酒を適度にするか、または全くしない
③定期的に運動をする
④適正体重を保つ
⑤七~八時間の睡眠をとる
⑥毎日朝食をとる
⑦不要な間食をしない
これらの生活習慣について、アラメダ郡の45歳以上のすべての住民で比較した結果、実行している項目が三つ以下の集団と六つ以上の集団では、平均にして約11,5歳もの寿命差を認めていました。
今回はこの辺で、次回からこの七つの習慣について考えていきましょう。