燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

片頭痛でおこる全身の痛み

2015-08-17 | 徳田語録

  片頭痛の頭痛発作中に、顔に風があたると痛い、髪の毛に触れるとぴりぴりする、眼鏡やイヤリングが不快、櫛が痛くて使えない、痛い側が枕にあたると痛いと訴える患者さんがいます。

 

 また、更にひどくなると手足のしびれ・ピリピリ感あるいは体に布団や毛布が触れるだけで痛いということも起こります。

 

 この現象は、通常は痛みを起さない程度あるいは性質の刺激による疼痛であり、アロデニア(単に痛覚の過敏ではなく、触覚など、「痛覚とは違う感覚」で痛みが起こるということで異痛症と呼ばれることがあります)と呼ばれています。

 

 痛みの部分が限局して、頭痛の側だけのような、局所のアロデニアもありますが、この特別な感覚が脳に送られると(視床という部分が痛みの中継基地ですが)、他の場所も拡がることもあります(中枢性の感作と呼ばれます)。

 

 最初は痛い方の頭だけだったのが、四肢や躯幹にも痛みを感じるようになるというわけです。片頭痛がひどくなると体のあらゆる部位が痛くなる理由がこれです。

 

 患者さんは、頭の痛みがあまりにひどいと、手足の痛みまで訴えないことが多いので頻度が低く見積もられているようで、最近の研究論文には3分の2の患者さんにあったとの記載もあります。

 

 片頭痛の治療は進んできており、いろいろな薬も出てきています。我慢するより、痛みの強くなる前に、早目に手を打つとよいでしょう。

 

今回はここまでです、しかし、錦織選手惜しかったですね、カナダはモントリオールでの大会で、準決勝でマレー選手と闘い、敗れてしまいました、やはりまだ格上との差はあるのでしょうか、身体の調子はいいようなので、このまま全米オープンでの活躍に期待しましょう、では次回に。

 

ドクター徳田安春の養生訓―元気な100歳をめざせ
徳田安春
西村書店

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