燃えるフィジカルアセスメント

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甲状腺とむくみ

2015-08-19 | 徳田語録

 甲状腺は頸の前下方で気管の前に位置する臓器です。甲状腺は甲状腺ホルモンをつくっています。甲状腺ホルモンは全身のさまざまな臓器に作用してエネルギー代謝を活発にする作用を持っています。

 

 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身のエネルギー代謝が病的に活発化します。甲状腺機能亢進症と呼ばれています。原因としては、亜急性甲状腺炎やバセドウ病などがあります。

 

 亜急性甲状腺炎は原因不明の炎症でおこり、甲状腺の細胞が破壊されることにより、甲状腺ホルモンが血液中に大量に放出されますが、数週間でおさまることが多いです。

 

 バセドウ病では甲状腺を刺激する抗体が病的につくられた結果、甲状腺が刺激され、下痢、暑がり、ふるえ、体重減少などの症状がみられます。

 

 逆に、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる場合は、甲状腺機能低下症となります。原因としては、原因不明の炎症が慢性的におこる「橋本病」などがあります。だるい、無気力、便秘、寒がり、物忘れ、肌がカサカサする、低い声、などの症状がみられます。

 

 甲状腺機能低下症では、粘液水腫と呼ばれる「むくみ」が全身にでてくることがあります。指で押してもくぼみができないタイプのむくみが典型的です。

 

 ただし、甲状腺機能亢進症でも、粘液水腫をみることがあります。この場合には、下腿の前面に限局してできることがほとんどです。 

 

今回はここまでです、しかしこの時期夏バテを訴える方が増えてきます、あまりの暑さにエアコンの温度を下げすぎたり、冷たいものを多めにとったりして、身体の中からの疲労が貯まってきますね、お水を飲むのも常温がいいですし、お風呂にもゆっくりつかって下さい、では次回に。

こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ
徳田安春
金原出版

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