今回から新しいシリーズです。まずはじめに、比較的急性(数時間~数日)に発症した全身倦怠感と慢性に経過した全身倦怠感に分けていきます。救急外来では、急性に発症した全身倦怠感の患者が受診することが多いため、主として、急性発症の全身倦怠感の鑑別診断のポイントを上げていきます。
一般的に鑑別診断では、コモン(common)、重篤(critical)、治療可能(curble)の3つのCを意識していきます。
救急外来では「criticalな疾患をまず除外する」ことが優先されるため、まずcriticalな疾患について考えていきましょう。
表1 急性発症の全身倦怠感をきたすcriticalな疾患
急性冠症候群
感染症
脱水
電解質異常
慢性臓器不全の急性憎悪
1 急性冠症候群
急性冠症候群のうち、急性心筋梗塞の古典的三徴候は、胸痛、冷汗、嘔吐、である。しかしながら、これらの古典的三徴候を欠く患者がいる。症状が「全身倦怠感のみ」で受診する患者のなかに急性心筋梗塞の患者がいることがある。急性冠症候群を疑う場合には、冠動脈疾患の危険因子の有無を確認することが重要である(表2)。
表2 冠動脈疾患の危険因子
年齢(男性45歳以上、女性55歳以上)
喫煙
高血圧
糖尿病(耐糖能異常も含む)
脂質異常症
冠動脈疾患の家族歴
今回は以上です、次回から詳しく考えていきましょう、話変わって、あの東日本大震災から今日で4年、もうなのか、まだなのか、いまだに2584人もの行方不明者がいらっしゃるそうです、誰かが言ってました、「一番怖いのは無関心」だと、では次回に。