前回の予告通りに「膠原病以外の疾患」を考えていきましょう。
線維筋痛症 不眠、うつ症状、ドライアイ、ドライマウスに加え、筋肉痛・関節痛などで全身に痛みが拡散する。 下行性痛覚制御経路の障害による疼痛発症機序が考えられている。 全国で200万人以上の患者がいると推定されており、80%が女性。
変形性関節症(osteoarthritis:OA) 年齢とともに有病率は増加し、60歳以上になると膝・肘・股関節および脊椎では、80%以上にみられる。 女性に多く、肥満の関与が指摘されている。 股関節OAは元重労働者におおい。
結晶誘発性関節炎 痛風患者の95%が男性で、30~50代に多い。 一方、偽痛風は、高齢者(60~80歳)での発症が多く、女性にやや多い。
そのほか 癌に伴う関節炎は癌の好発年齢である高齢者に多い。 糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患を有する患者に発症する化膿性関節炎も高齢者に多い。 内分泌疾患に伴う関節症状はそれぞれの内分泌疾患の罹患年齢に依存する。 パルボウイルスB19感染症による関節炎は若い女性に多い。
以上、今回で「関節リウマチと鑑別すべき膠原病」を疫学的特徴を中心に少し考えてきました、次回をお待ち下さい、ではこの辺で。