燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

失神の原因

2023-03-16 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   この症例はどうやらアルコール依存症のようであった。   睡眠障害はアルコール依存症によく合併するので、睡眠導入薬の投与の前に、断酒療法のアドバイスをしたほうがよいと思われる。   また、飲酒は血管を拡張させるので、血圧を下げる。   この症例では、失神の出現前に飲酒をしていたことも判明した。   大の . . . 本文を読む
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Social History:社会歴 (喫煙、飲酒、仕事、家族)

2023-03-15 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   人間は社会的な動物である。   患者を理解するためには、その社会的背景を知る必要がある。   喫煙歴は、「1日に吸った箱数」×「吸った年数」=「箱年」(pack-years)で表すとよい。   ほとんどの臨床疫学研究結果がpack-yearsで示されており、患者診療に即応用できるからである。 &nbs . . . 本文を読む
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処方分析

2023-03-14 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     アスピリンは、心血管系イベントの二次予防として推奨されるが、日本人における一次予防では推奨されない。   脳出血のリスクが増加することも示されている。   ランソプラゾールはアスピリンによる胃十二指腸潰瘍の予防で処方されることが多い。   しかし最近、偽膜性大腸炎や肺炎のリスクを上げるなど、プロ . . . 本文を読む
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Illness:併存症と既往症

2023-03-13 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   ここは「既往歴」のみとせずに「併存症と既往症」とした。   「既往歴」のみでは、「過去にかかった病気なので今の病気ではない」印象を与えてしまうからである。   糖尿病や高血圧などは治癒して過去の病気となることは少ない。   今回の症例での併存症と既往症についてみてみよう。   これで、内服薬に対する処 . . . 本文を読む
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Medications:薬剤歴

2023-03-10 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   失神の鑑別では薬剤歴が大切である。   最近の高齢者は慢性疾患の併存が多く、多種類の薬剤を内服していることが多い。   5種類程度以上の併用はポリファーマシー(polypharmacy)とも呼ばれており、転倒や失神のリスクが高い。   この症例での内服薬をみてみると、6種類の薬剤を内服しているので、このケースはポリ . . . 本文を読む
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失神の鑑別

2023-03-09 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       失神は一過性の脳虚血(血圧低下)が原因となる一過性の意識消失である。     失神の鑑別では病歴が重要だ。     原因となる鑑別疾患は下記リンクのTable 2を参照。     https://www.aafp.org/pubs/afp/is . . . 本文を読む
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病歴の達人MISIAとは?

2023-03-08 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   症例をみてみよう。   症例 75歳、男性。   主訴:失神。   自宅のテレビでプロ野球を観戦中に失神あり。   家族によって救急車がコールされた。   救急救命士が現場に到着したときには、意識は回復していたが、血圧90/70mmHg、脈拍90/分であった。   救急車 . . . 本文を読む
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その他の原因のROS

2023-03-07 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   急性心膜炎をきたすその他の原因に膠原病とその類縁疾患、腫瘍(悪性リンパ腫など)、自己炎症性疾患などがある。   膠原病とその類縁疾患の可能性を考えたとき、それらによく認められる症状のシステムについてROSを行えばよい。   筋骨格系や皮膚・粘膜系などだ。   https://sites.google.com/a/u . . . 本文を読む
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感染臓器のROS

2023-03-06 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   感染症を考えた場合の次の要素として、感染臓器の症状が挙げられる。   この症例では、ウイルス感染症の可能性が高いので、ここでは呼吸器系ROSをみていく(表4)。   この症例では呼吸器系の症状がない。 ウイルス感染症以外の原因も考えたほうがよさそうである。   表4 呼吸器系ROS   . . . 本文を読む
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炎症反応のROS

2023-03-03 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   病原体が宿主の体内へ侵入すると、免疫システムが作動し、全身炎症反応が惹起されることが多い。   寄生虫感染などのような感染症や、体の局所にのみ感染病態をきたすものなど(膀胱炎、中耳炎、皮膚炎)では炎症反応に乏しいが、多くの細菌やウイルスの感染症では全身炎症反応症状をもたらす。   全身炎症反応症状としては、発熱、悪寒、寝汗などが . . . 本文を読む
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