「ローマの休日」のオードリーは、小生のアイドルだった。
彼女は、64年の生涯の2/3をスイスで過ごし、平穏という意味の「ラ・ペジーブル」の館(レマン湖畔のトロシュナ村)で1993年に亡くなるまでの約三十年間を過ごした。
最初の結婚は、長男ショーンをもうけたメル・ファーラーとビルゲンシュトックの教会で挙げた、
二番目の結婚は、イタリア人アンドレア・ドッチィとで、二人の息子をもうけているが、こちらも離婚。
最後のパートナーはオランダ人のロバート・ウオルターズ、この人によって初めて本来の自分を取り戻したといわれる。
彼女の葬儀には、メル・ファーラーもアンドレア・ドッチィも、当然ロバート・ウオルターズも参列している。
このような感覚が我々日本人には理解できないものであるが、もしこういう立場になったなら、離婚した相手の葬儀に参列できるというつき合い方が、羨ましく思われた。
鈴木光子著(JTB) 「スイス とっておきの旅」より